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image0182.png公開年:1958年  
公開国:日本
時 間:139分  
監 督:黒澤明
出 演:三船敏郎、千秋実、藤原釜足、藤田進、志村喬、上原美佐、三好栄子、樋口年子、藤木悠、笈川武夫、土屋嘉男、高堂国典、加藤武、三井弘次、小川虎之助、佐田豊、上田吉二郎、沢村いき雄、大村千吉、小杉義男、中島春雄、堺左千夫、谷晃、佐藤允、中丸忠雄、緒方燐作、熊谷二良、広瀬正一、西条康彦、日方一夫、千葉一郎、山口博哉 他
受 賞:【1959年/第9回ベルリン国際映画祭】監督賞(黒澤明)、国際評論家連盟賞
【1958年/第9回ブルーリボン賞】作品賞

image1289.png公開年:2008年  
公開国:日本
時 間:118分  
監 督:樋口真嗣
出 演:松本潤、長澤まさみ、椎名桔平、宮川大輔、甲本雅裕、皆川猿時、小松和重、田鍋謙一郎、坂野友香、中村橋弥、橋本じゅん、粟根まこと、川口節子、古田新太、生瀬勝久、ピエール瀧、徳井優、黒瀬真奈美、KREVA、上川隆也、國村隼、高嶋政宏、阿部寛 他



続いて、隠し砦の三悪人をオリジナル作・リメイク版を鑑賞。

時は戦国時代、とある地方に秋月、早川、山名という互いに隣接した3つの小国があった。秋月家は隣国の山名家と一戦を交えて陥落。秋月家の侍大将真壁六郎太は、世継の雪姫を擁して数名の残党と隠し砦にこもった。お家の再興を図るための軍資金黄金二百貫をもって、同盟国の早川領へ脱出の機会を狙っていたが…というストーリー。

オリジナル版の千秋実、藤原釜足が、スター・ウォーズのC-3POとR2-D2のモデルであることは有名だが、姫を守りながらの再興をめざす冒険譚というストーリーも似ており、共通点は多い。本当に深い深いところには、なにかしらの重いテーマがあるのかもしれないが、私は、純粋な冒険活劇として楽しんだ。ただ、『椿三十郎』のときにも言ったが、いかんせん音声が聞き取りにくいのが、玉に瑕。

さて、リメイク版であるが、まず阿部寛が三船敏郎の役であることは疑いないのだが、松潤は千秋実の役なのか?と、まず混乱発生(背は宮川大輔の方が高いしね)。あわてて、オリジナル版をもう一度調べる始末。役名からして違う。オリジナルキャラクターだ。狂言回し的なこの2人は、本作の特徴中の特徴なのだが、まず、ここから壊してきた。設定も性格も名前も別のキャラクターだ(まあ、それは許される演出の範囲だろう)。

しかし、なにやら姫(長澤まさみ)と松潤に恋愛的な演出が。オリジナルでは、姫と六郎太(三船敏郎)の間に微妙な恋愛感情的演出があったのだが(『クレヨンしんちゃん アッパレ戦国大作戦』のモトネタだと、私は思っているのだが)、そこも壊してきた。リメイク版の恋愛的なくだりに、ストーリーを面白くする効果は感じない。ただアイドルが二人いるから、もちょもちょさせてみただけなのか。つまらない。
オリジナルでは特異な存在で記憶に残る田所兵衛の行動も違う。あれだけリアルに死闘を演じたにも関わらず、あそこで裏切るからこそ、安い政治体制を超える正義・感情というものがあるのだよ、という、取り方によっては反体制・革命的に見えなくもない要素が、すぱっと無くなってしまった。私は、あの裏切りのくだりが、最高に面白いと思うのだけれど。それを完全な悪者にして得られた効果はなんだろう?何も無い。断言する。
どうも、リメイク版は、人の感情表現にまつわる演出がつまらない。この監督は、人の心の機微というものを感じ取る能力が低いのではなかろうか。

さらにオチは決定的に異なる。
なにやら、君主と民のあるべき姿という、君主論的な要素が加わっておる。なんだこれは?

『隠し砦の三悪人』の特徴的な要素をすべて壊してさらに、監督の政治的主張を盛り込むなど、リメイク作品としていかがなものだろう?まるで自分の政治理念を語るために、黒澤作品をいたずらに引っ張ってきただけではないか。よくこのシナリオで『隠し砦の三悪人』のリメイクと名乗ることを許したものだ。そして名乗れるものだ。挙句の果てに、死ぬ思いで運んでいたアレが、実は…だと?意味がわからん。頭がおかしくなりそうだ。そんな演出の何が面白いのか説明してほしい。
はっきりいうが、お気に入りの役者でも出ていない限りは、リメイク版を見る必要はない。オリジナルを知らない人でも、最後まで見たら、得体の知れないモヤモヤした感情で溢れかえってしまう思うので、見ないほうがよい。

少しだけ、フォローしておくと、阿部寛をはじめ、演者の皆さんはとても良い仕事をされていると思う。悪いのは、監督をはじめとするスタッフだ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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