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image1237.png公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:トッド・フィールド
出 演:トム・ウィルキンソン、シシー・スペイセク、ニック・スタール、マリサ・トメイ、ウィリアム・メイポーザー、ウィリアム・ワイズ、セリア・ウェストン、カレン・アレン 他
受 賞:【2001年/第68回NY批評家協会賞】男優賞(トム・ウィルキンソン)、女優賞(シシー・スペイセク)、新人監督賞(トッド・フィールド)
【2001年/第27回LA批評家協会賞】作品賞、女優賞(シシー・スペイセク)
【2001年/第59回ゴールデン・グローブ】女優賞[ドラマ](シシー・スペイセク)
【2001年/第17回インディペンデント・スピリット賞】主演男優賞(トム・ウィルキンソン)、主演女優賞(シシー・スペイセク)、新人作品賞
【2001年/第7回放送映画批評家協会賞】主演女優賞(シシー・スペイセク)

メイン州の小さな町で開業医をしているマット。妻ナタリーと、大学の夏休みで帰省した一人息子のフランクと久しぶりの3人暮らしを愉しんでいた。フランクは漁船でのバイトに励む一方で、近所に住んでいる年上の女性ナタリーと交際を始める。彼女は二人の男児の母親で、夫のリチャードの暴力が原因で別居中。現在でも、リチャードは離婚に応じず、ナタリーの家に時々やってきては暴力を振るっていた。ある日、フランクはナタリーの家に押しかけたリチャードと言い争いになる、射殺されてしまう。突然に一人息子を失ったマットとルースは途方に暮れてしまい…というストーリー。

受賞が多いわりにはまり知られていない作品なのだが、結構な名作だと思う。今回で3回目の鑑賞。
突然、狂気によって一人息子を奪われてしまう夫婦の悲しみと、終盤の復讐劇のコントラストが特徴的な作品なのだが、それは表面的なストーリー。そこだけ観ても面白いと思うが、さらに奥を観たい。

タイトルの『イン・ザ・ベッドルーム』、冒頭の卵を孕んだ雌のエビの話、そして年上の子持ち女性と恋に落ちる息子…と、これらの仕掛けから判るとおり、“女”でこの世の中は動いており、且つ狂わされているのだというのがテーマだと思う。
復讐に転じる父親の行動が唐突に映るかもしれないが、息子を失った苦悩の末の行動とだけ考えてしまえば確かにそう映るだろう。でも、ナタリーと付き合うことを止めるどころか、どちらかといえば面白がっていた自分。また、同時にいい女だとも思っていた自分。そして、ナタリーに気があるんだろうと妻に暴言を吐かれうろたえる自分。

私が重ねて本作を観る理由は、最後のベッドルームの様子が、難解というか色々な解釈ができて考えさせられるからである。茫然自失でベッドに潜り込んだマットは、リチャードの家でナタリーの写真を見てムカっときてしまったことを語り始める。あれ、自分はやっぱり妻が言ったとおりナタリーに惚れていたのか?初めは苦痛にあえぐ妻を見かねてたのが殺害動機かもしれないが、もしかしてナタリーに嫉妬して激情にまかせて殺した俺って、リチャードと同レベルかよ…と。

ベッドという雌エビの腹に戻ったマットだったが、肝心の雌エビは、“ああやったんだな”とばかりに起きだして甲斐甲斐しく世話を焼き始める。これをただ現実を好意的に受け止めただけと見るか、「ああ、私がけしかけた通りに動いてくれた。よしよし」…と見るか。この夫婦がそれぞれ、どこまで考えているのか…観るたびに印象や解釈が少しづつ変わってくる作品。
まあ、とにかく、男はみんな女によって動かされ、ダメになっていくってことはしっかり伝わってくる。強くお薦めしたい。



負けるな日本

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