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image2097.png公開年:1985年
公開国:スウェーデン
時 間:102分
監 督:ラッセ・ハルストレム
出 演: アントン・グランセリウス、メリンダ・キナマン、マンフレド・セルネル、アンキ・リデン、ラルフ・カールソン 他
受 賞:【1987年/第3回NY批評家協会賞】外国映画賞
 【1987年/第45回ゴールデン・グローブ】外国語映画賞
 【1987年/第3回インディペンデント・スピリット賞】外国映画賞



12歳の少年イングマルはいたずらっ子で、周囲の大人をこまらせてばかり。父は海外で働いており、母親といじめっ子の兄との3人暮らし。しかし、近頃、母親の体調が芳しくなく、夏休みの間、兄は祖母のところに、イングマルはグンネル叔父さんのところに預けられることになった。愛犬シッカンは、犬の保育所が預かってくれるとのこと。グンネル叔父さんの家は大きなガラス工場があるオーフェルシュ村にある。そこには都会にはいないような個性的な人たちばかり。中でも同じ年のガキ大将サガと出会う。はじめは男の子だとおもっていたが、実はサガは女の子。男の子と一緒にボクシングやサッカーに興じているが、彼女が胸が目立ってきて、女の子であることがバレてサッカーチームにいられないことを恐れている。彼女をはじめ多くの友達とひと夏を過ごしたイングマルは、秋になり久しぶりに家に戻るのだが…というストーリー。

『ギルバート・グレイプ』や『サイダーハウス・ルール』『シッピング・ニュース』のラッセ・ハルストレムがアメリカに渡る前の作品。アメリカで製作された各作品ほど、“鬱”展開ではないがその萌芽は十分に見られる。

イングマルを庇護すべき母親は病気によりその役目を果たすことができない。肉体的な病気だけならまだ問題はないのだが、精神にまで不安定となり、その理不尽な反応に、少年は苦悩する。それでも、それほど不幸じゃないと、自分に言い聞かせるイングマル。
そんな状況もあって、いたずらっ子というかガキ大将的な振るまいをするイングマル。問題行動は母をさらに苦悩のネタを増やすことになるが、母親はただ泣き叫ぶだけで、決してイングマルが求める反応になって返ってくることはない。

養育が出来なくなった母親は(というか親族は)、子供たちを親戚のところに預けることに。幸いなことに、はみだし者だったイングマルが戸惑うほど変わった人で溢れる村で暮らすことに。母親への思いは、犬の身を心配する心は張り裂けんばかりだが、それでも、田舎の子供たちを子供らしい日々をすごす。

粗暴な子供が案外モテるというのは、ヨーロッパでも日本でも同じなんだな。イングマルはなかなかモテる(笑)。

アメリカに渡ってからのハルストレムなら、不幸なできごとがもっと波状攻撃になるところだが、本作は予感だけ漂わせて、寸止めで大した事が起こらない展開が多い。その予兆が的中したのは、シッカンの死くらいだな(でも、あんな田舎なら、別に犬くらい連れていっても問題なかっただろうに…)。
もう、鬱になるかグレるかしかなさそうな状況なのに、イングマルは周囲のおかしな人々から溢れる小さな愛で踏みとどまる。イングマルの楽しさと悲しさが渾然とした笑顔は、とても印象的。
そうこうしながら、イングマルは成長していく。サガも成長していく(最後はスカート穿いていたな)。色々あるけど、どんなにつらくても何とかなるよ…、たしかにハルストレムらしい。まあ、好みは別れるところだとは思うが良作。

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