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image1549.png公開年:2009年
公開国:日本
時 間:139分
監 督:中村義洋
出 演:堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、柄本明、濱田岳、渋川清彦、ベンガル、大森南朋、貫地谷しほり、相武紗季、永島敏行、石丸謙二郎、ソニン、でんでん、滝藤賢一、木下隆行、木内みどり、竜雷太、伊東四朗、香川照之 他
コピー:無実の男、首相暗殺犯に断定
事件のガギを握るのは、ビートルズの名曲


仙台の運送会社に勤務する青柳雅春、30歳。総理大臣が地元パレードを行う日に、大学時代の友人・森田から釣りに誘われる。しかし、森田は一向に釣りに向かう様子はなく、それどころか青柳を薬で眠らせた後、“オズワルドにされるぞ”と警告するのだった。その直後、パレード会場で爆発が発生。直後に青柳と森田の前に警官が詰め寄り、躊躇なく発砲される。青柳が反射的に逃走するとその直後に、森田が残っていた車両も爆発。やがて、捏造された証拠によって、自分が首相暗殺犯に仕立てられていることを知り…というストーリー。

サスペンスからはみ出た笑いを愉しむというスタンスは、非常に好み。『フィッシュストーリー』に匹敵する満足度が得られたのだが、いささか始めの30分がモタツキすぎ。近年の日本人監督に共通することなのだが、「ちゃんと伝わってるかな?」「ここ見落とされないかな?」と自信がないのか、テンポを阻害してまで、まどろっこしい演出や過剰な説明を入れるケースが多い。
冒頭でグッと観客を気を掴むのは、非常に重要。この監督がその重要性を理解しているのかどうか、甚だ疑問に感じるほど。本作の冒頭30分で、私が観るのを中断したのは、なんと3回。これから事件に巻き込まれるという流れで、いかにもおかしなことがおこるぞという、雰囲気を必要以上に漂わせることに何のメリットがあるのか。
#TV放映したら、始めの30分でガクンと視聴率さがると思うよ、これ。視聴者を引き止める力がない。
好みの問題といえばそれまでだが、吉岡秀隆と劇団ひとりの演技は、ノリの阻害要因として負の活躍をしていたと思う。その演技がミスリードに効果的に働いているわけでもなく、雰囲気に助力しているわけでもなく、ただただ自分の演技をしただけ。作品全体にチームプレーとして参加していない、ダメ仕事だったと感じる。

完全にストーリーの構図が確立された後は、非常におもしろくなる。これは監督の力というよりも、原作の力だろう。ラストの、自分が生きていることを伝えていく様子なんか、非常に見事だと思う。

あらゆる登場人物が、本当に見方になってくれるのか、やはり今の生活のために裏切るのか、はたまた元々“敵”のサイドなのか。
竹内結子が演じる樋口晴子というキャラクターが一番魅力的。思わず好きなってしまいそうなほど、魅力的。飄々とした役柄に竹内結子はマッチしているのだろう。その他、柄本明、濱田岳が演じた役もアウトローでありあながら共感できる素敵なキャラクターに仕上がっている。
香川照之や永島敏行演じる屈強な警官も、同じように魅力的になり得たはずなのだが、単なる悪役としてしか描けなかったのは監督の力不足だと思う。

純粋なサスペンスとして捉えてしまうと、事件の黒幕は明かされないし、本人の人生がめちゃめちゃになってしまったことには変わらないし、一矢報いたとも言いがたいので、不満足に感じた人も多いだろう。その不満は正しい。
原作的には、伊坂幸太郎の世界観の中の1ページでしかないので、本作できれいに完結する必要はまったくない。しかし、映画は一期一会。この一作で、すっきり終わらせるべきなのは事実。そこに折り合いをつけるのも、監督と脚本家の仕事だとは思うが、うまくはいっていないということ。

ただ私には、サスペンスだからといって、判で押したようにきれいに全ての謎を解決するだけが能ではないという思いもある。得体の知れない巨大な力に対して、市井の人がどういうしたたかさを見せるか…、そういう焦点の当て方は好きだ。そのために、巨悪はびこる社会っていうのを放置したとしても許容できる。まあ、その“市井の人”ってのに焦点を当てきれていないのが、本作の最大の難点なんだけどさ(だから、ご都合主義的に感じるの)。

良作っていいたいんだけど、ひっかかる。私は原作は読んでいないんだけど、このオモシロさを味わうには、原作を読んだほうがいいんじゃないか?そんな気がするんだもの。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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