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公開国:フランス
時 間:84分
監 督:ミッシェル・オスロ
出 演:坂本真綾、逢笠恵祐、金尾哲夫 他
受 賞:【2011年/第65回英国アカデミー賞】脚色賞(ピーター・ストローハン、ブリジット・オコナー)、英国作品賞
【2012年/第25回ヨーロッパ映画賞】音楽賞(アルベルト・イグレシアス)、プロダクションデザイン賞(マリア・ジャーコヴィク)
コピー:光と影と圧倒的な色彩美が紡ぐ、新たな5つの夢の物語。
夜の古い映画館で、好奇心旺盛な少年と少女、初老の映写技師が紡ぐ5つお話。
【怪物のあるじ】怪物が支配する地下世界では、水の飲むのも、わずかな食料源であるキノコを食べるのも命懸けで、盗むようにして生きている。人々の中の一人の少女は、大人たちから罵倒・虐待される対象となっていたが、そんな彼女に一匹のネズミがやってくる。ネズミは少女に、“怪物のあるじ”として怪物の行動を制して、地上にでることができることを教える。少女は怪物を恐れ、ネズミに従うことを躊躇するのだったが…。
【靴職人と夢の橋】靴職人の青年は、貧しさ故に恋人と結婚することもままならない。ある日、大きな橋の彫像の下に宝が埋められているという夢を見る。靴修理にきたお客から、その橋がプラハにあると聞き、本当に宝があるのか確かめたくて仕方が無くなった青年は、意を決して旅に出る…。
【見習い水夫と猫】海賊船でる見習い水夫として、こき使われる少年がいた。船内でいじめられていた猫を庇ったばかりに、少年もいじめられる始末。こんな生活にうんざりした彼は、いつか猫と一緒に陸地で暮らそうと、夢を見ていた。ある時、海賊たちが大きな街の王に財宝を売りに行くことを知り、少年も同行するのだが、その王はある悩みを抱えており…。
【魔法使いの弟子】職探しをするもののまったく採用されない青年。途方にくれて町はずれを歩いていると、年老いた魔法使いに弟子として雇われることに。気難しい魔法使いだったが、青年は難しい変身の術をあっさり覚えてしまい、有望株だと褒められ有頂天に。しかし、魔法使いの娘は、とある秘密を青年に告げるのだった…。
【イワン王子と七変化の姫】
父王が危篤となり、救うためには黄金のスモモが3つ必要と聞いたイワン王子は、果樹園の王の宮殿に忍び込む。しかし、あっさりと捕まってしまい、首を刎ねられそうになる。王子が事情は話すと、果樹園の王は、陶器の王が所持しているとある財宝を手に入れるることができたら黄金のスモモをあげてもよいといわれ…。
本作は、ミッシェル・オスロの短編シリーズ『ドラゴン&プリンセス』(全10話)の中の5編をまとめたもの。先に『夜のとばりの物語』がDVD化されていたのだけど、こっちを先に借りてしまった。今度、借りてくることにしよう。
構成もアニメーションの手法も『プリンス&プリンセス』とまったく同じ。未来のアニメータ的な人たちが、コスプレマシンをつかってお話を作っていくという設定は、正直なんじゃそりゃ…って感じなのだが、まあ、SF的な世界と懐古的な各ストーリーの振幅が楽しい…と言っておこう。。
ただ、以前よりも技術が向上したせいなのか、妙に奥行きのある動画だったり、ぬるぬる動くのでちょっと違和感がある。影絵的なリミテッドな感じが、逆に味だったのだが、ちょっと残念な気はする。とはいえ、もう様式美ともいえるレベルまで達しており、観るだけで安心感を得られるレベル。
お気に入りのエピソードは“イワン王子と七変化の姫”。わらしべ長者的で世界各地に似たようなプロットのお話はありそうだが、七変化の姫のツンデレぶりがいい味を醸し出している。王子が軽くバカなのも良い。
『プリンス&プリンセス』の吹き替えは、原田知世、松尾貴史、穂積隆信だったが、今回は別の人。平板で無意味に高圧的な声色の松尾貴史がいなくなったことは大歓迎だが、原田知世と穂積隆信じゃなくなったのは、非常に惜しい。
公開国:イギリス、フランス、ドイツ
時 間:85分
監 督:トーマス・アルフレッドソン
出 演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、キアラン・ハインズ、キャシー・バーク、デヴィッド・デンシック、スティーヴン・グレアム、ジョン・ハート、サイモン・マクバーニー、スヴェトラーナ・コドチェンコワ、ジョン・ル・カレ 他
受 賞:【2011年/第65回英国アカデミー賞】脚色賞(ピーター・ストローハン、ブリジット・オコナー)、英国作品賞
【2012年/第25回ヨーロッパ映画賞】音楽賞(アルベルト・イグレシアス)、プロダクションデザイン賞(マリア・ジャーコヴィク)
コピー:一度目、あなたを欺く。二度目、真実が見える。
MI6とKGBによる情報戦が繰り広げられていた東西冷戦時代。英国諜報部“通称サーカス”のリーダー“コントロール”は、サーカスにソ連との二重スパイが潜んでいると疑っていた。そんな中、ハンガリーの将軍が二重スパイ(通称もぐら)の情報と引き換えにイギリス亡命を要求。コントロールは独断で部下のブリドーをブタペストに送り込み、ハンガリー将軍との接触に当たらせるが、ブリトーが射殺された上に亡命交渉が明るみにでてしまい、作成は失敗。その責任を取る形でコントロールは失脚し、一緒に長年行動を共にしてきた“スマイリー”もも組織を去る。すると、直後にコントロールが変死。イギリス政府のレイコン次官はスマイリーを呼び出し、“もぐら”の正体を突き止めるよう極秘命令を下す。疑わしい者は、サーカスの4人の幹部“ティンカー”“テイラー”“ソルジャー”“プアマン”。かつての部下と共に調査を開始するのだったが…というストーリー。
『ぼくのエリ 200歳の少女』の監督ということで、全体的なマットな雰囲気になっている。その点は好き。海外でに評価はそれなりに高い模様。しかし、渋いといえば聞こえが良いが、地味で、解りにくいのも事実。スパイの世界はこんな感じで解りにくいものだ…、それを表現しております…ってことかもしれないが、もうちょっとどうにかならなかったものか…と思う。
そんなアホな…と思うかもしれないが、私、冒頭を観ていて、ゲイリー・オールドマン演じる“スマイリー”とジョン・ハート演じる“コントロール”のキャラが混同しちゃって、わけが解らなくなっていた(私の脳内、白人のくたびれた初老のじじぃって一括りになってるんだな)。
(以下、少しだけネタバレ)
利用されたであろうブリドーが、怒っているのか、あわよくば復讐したいと思っているのか、もう関わって欲しくないと思って逃げているのか、いまいち彼の心の内がよくわからない。キーマンなので、もうすこし掘り下げて欲しかったし、太っちょメガネ君との絡みで、その辺をスマートに表現すべきだったと思うのだが、伝わってこなかった。
根本的にブリドーが生かされている理由も、私にはピンときていない。KGBとしては死んでいたほうが都合がいいのでは?元々ブリドーは、KBGだから?違うよね。ブリドーを指名したのはコントロールだし。
さらに、若手スパイのターとイリーナのエピソード。イリーナがKGBに連れ去れたから、サーカス内にKGBの内通者がいると気づく…という流れなんだろうが、どうもあの流れで、内通者の影に気づくというのも驚きが少ない。ターのウェットな感情を、演出上いまいち活用できていないのも、どうかと思う。
普通、謎が解明されていくと、少なからず「おぉ!」って感情が沸くものだけど、本作はそれが無いんだよね。スパイ物特有の、ギリギリギリギリ…っていう歯ぎしりが聞こえてくるような緊迫感も薄い。
根本的に“二重スパイ”というのもしっくりきていない。二重スパイってことは、イギリス側にKGBの情報を流していないと定義上成立しない。彼ら、そんなことしてた?二重スパイじゃなくって、単に寝返った人たちなんじゃないかな。
それよりも、単なる内通者ではなく、KGBによるサーカス乗っ取り作だっただ!っていう方がインパクトがあったと思うのだが。
せめて“モグラ”の正体に意外性があればよかったのだが、あの4人の中の誰か…って、普通に考えりゃそうなるんだから、その普通で終わらせちゃいけないように思う。また、4人が、小金欲しさになびいた小物…ということでは、盛り上がりに欠ける。ただでさえ、スマイリーの妻を篭絡するというセコい手を使っているんだし。
敵が小物だと、作品全体のスケールが小さくなってしまう、いい例だと思う。
雰囲気◎、ストーリー△、解りやすさ△、盛り上がり×…かな。
公開国:アメリカ
時 間:89分
監 督:サム・ライミ
出 演:ブルース・キャンベル、エンベス・デイヴィッツ、マーカス・ギルバート、イアン・アバークロンビー、リチャード・グローヴ、ブリジット・フォンダ、パトリシア・トールマン、テッド・ライミ 他
ノミネート:【1993年/第21回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】参加作品
前作、Sマートの売り場担当のアッシュは、ガールフレンドのリンダとデート中に道に迷い、森の中の一軒家で一泊することになったが、目覚めた邪悪な力によってリンダを殺害され、自分も右手を失い、中世にタイムスリップさせられてしまった。アッシュはアーサー王に捕らえられ処刑寸前となるが、チェーンソーとレミントン銃を駆使して危機を脱出。その特殊能力のおかげで、一転、天からの使者と勘違いされる。元の世界に戻るためには、呪われた墓地にある死者の書を入手する必要があることを賢者から聞いたアッシュは、封印を解く呪文を教えてもらって旅に出る。邪悪な魔物の襲撃を撃退しつつ、なんとか死者の書を入手し、城へ帰還するが、唱えた呪文に誤りがあったため、墓地から死者の大群が蘇り城に押し寄せて…というストーリー。
Ⅰ・Ⅱのクリーチャーのグロさというかシズる感(?)は、すっかり消えうせる。ほとんど骸骨まる出しさんばっかり。さらに、コメディ要素が強くなった…というか、ブルース・キャンベルのドヤ顔がスゴいんだわ。呪文を確認する賢者に対して「うるせえぞ!このクソじじぃが!」。中世のノリを受け入れようとせずにマイペースってことなんだけど、これがメタ視点からの発言にも感じられて、すごくおもしろい。
そりゃあ、自分で右手を切り落とさなきゃダメな状況になり、加えてタイムスリップまでされちゃうんだから、どうにでもなれ!的な粗暴な行動になるのも納得できる。共感できるからおもしろい。単純な構成ですばらしい。
本作で有名なエピソードは、エンディングが二種類あることだろう。薬を飲んだあとの展開が異なる。
(以下、ネタバレ)
一つ目は、薬を飲んで未来まで寝るんだけど、一滴多く飲みすぎて、目覚めると社会が滅びているというもの。まあ、SF且つシュール且つアンハッピーエンドな展開。落語の“時そば”かよって感じ。日本通のサム・ライミ。まさか、落語にも通じていたか?(たぶん違うだろう(笑))。
また、肉体の時間は変えずに未来に行く必要があるんだから、眠っている間に成長しちゃダメだと思うのだが、髪やヒゲは伸び放題に(いい加減な演出だよね)。
これじゃ、アメリカ国内では納得してもらえないってことで、別パターンが用意されている。ちなみに、DVDには収録されている。
アメリカ公開版のエンディングは、時そば(笑)のシーンはなくて、スパっと未来に戻ってSマートで働いているシーンになる。Sマートにいた女性が突然死霊になって襲ってきて、売り場のショットガンで撃退⇒アッシュ ドヤ顔…って展開。
個人的にはアメリカ公開版のほうが、馬鹿映画を貫いていて良いような気はする。いじれにせよ、中世にタイムスリップしてまで馬鹿させようと考える企画自体が、成功している作品。デキがどうのこうのではなく、ずっと語り草にされる作品だろう。
#ただ、1993年製って考えるとちょっと古臭すぎるよな(笑)
公開国:日本
時 間:64分
監 督:(演出)芹川有吾
出 演: ジュディ・オング、曽我町子、石原良、川久保潔、増岡弘、太田博之、大竹宏、藤村有弘、内海賢二、八奈見乗児、畠山京子、はせさんじ 他
幽霊島を本拠地とするBG団(ブラックゴースト団)は、世界征服のためにギルモア博士にサイボーグ戦士を創らせる。レーサーの島村ジョーは、BG団によりBレース中の事故を引きおこされ瀕死の重傷となり、密かに幽霊島に搬入され、驚異的な身体能力をもつサイボーグに改造される。ジョーより前に8人にサイボーグが作られており001~008と呼ばれていたが、彼は自分たちが悪事に利用されることを恐れ脱走を計画。彼らはギルモア博士を人質に島を脱出し、009ことジョーも彼らに付いていくことに。実はこの脱走計画はギルモア博士の発案だったが、BG団の虫型偵察機に発見されてしまい…というストーリー。
『009 RE:CYBORG』のレンタルが始まったので、まず先に古の作品を観ておこうかと。
結論からいうと、望まずしてBG団に改造されてしまったサーボーグたちの脱走と復讐、正義への目覚め、そして任務の完遂という流れを一区切りとして、綺麗にまとまっている。子供向け作品でありながら、自分がもう人間では無くなってしまった悲しみを微かに漂わせることに成功している点も評価できる。
原作を読んだ人ならおわかりだろ思うが、改造される前の島村ジョーは、不幸な生い立ち⇒犯罪者⇒鑑別所行き…という設定である。ちなみに002も元ギャング。他は浮浪者的な人や、ただ誘拐された人など様々だが、006は生活苦のために自殺をしようとしたところをBG団にスカウトされるという、ヒーローチームにふさわしくない人だ(笑)。
#ちなみに001はギルモア博士による改造ではない。
まあとにかく、子供向け作品で犯罪者を主人公にはできないのでレーサーという設定になっている。また、007がちびっ子の設定になっているのも子供向け対応。このお陰で、動きにアクセントができたし、ジョーが一番年下(001を除く)という状況でなくなったことで、ジョーがリーダーシップを取る場面での違和感も減った。映画会社のグッショブだと思う。
#ただ、001が本作ではしゃべりすぎで、せっかく007を子供にした意味を削いでいる部分が散見されるのが玉に瑕。
009の代名詞である加速装置がないのも特徴だが、正直、009の加速装置と001の超能力は、なんでもアリ状態になっちゃうので、この点についても本作のほうがよい。
原作は原作、アニメはアニメ。一本の映画として成立させることが大前提で、必要ならば設定変更も辞さない…という姿勢は評価したい。この腹の括り具合を、仮面ライダーをはじめとする特撮作品(特にTV放映モノを映画にする場合)が持っていれば、子供騙しな映画なんか無くなるのに…と思う。
冒頭は、原画枚数を増やしてなるべくキャラクターを動かそうという努力が見られるが、力尽きたのか、ほどなくしてリミテッドになっちゃう。まあ、これはご愛嬌。
まあ、さすがに大人の鑑賞に堪えるレベルではないので、手放しで評価することはしないが、悪くない出来映えだった。さて『009 RE:CYBORG』はいかがなものか…。
公開国:アメリカ
時 間:80分
監 督:クレイグ・モス
出 演: キャスリン・フィオーレ、フリップ・シュルツ、オリヴィア・アレクサンダー 他
郊外の街に越してきたデイナ&アーロン夫婦と子供たち。上の娘はアーロンの連れ子で、パンクな髪型にピアスとタトゥーをしまくった容姿。デイナとは折り合いが悪く、今後の生活にいまいち不安があったが、心機一転、新しい土地で生活を始めることとなった。ところが、引越ししてすぐに、アーロンの顔に落書きがされていたり、家の中がめちゃめちゃになるなどの、怪現象が発生。彼らは、家中にカメラを設置して、その原因を突き止めようと考える。そうして、撮影されたビデオには、霊体と思しき何かによる所業が克明に記録されており…というストーリー。
ベース…というかほぼ全編『パラノーマル・アクティビティ』のパロディで、そこに、色々な映画の小ネタをまぶしている感じ。
タイトルに“ドラゴン・タトゥー”を冠しているがリズベットには全然似ていないし、ジャケット画像にある“リンカーン”も、隣にそういう人が住んでいるというだけで、ストーリー上、たくさん出てくるわけでもなければ、面白いわけでもない。
『ダークナイト ライジング』のベインが出てくるが、なんかそれっぽい人が出て、なんかほざくだけ。『ブラック・スワン』ネタも同様。『ゴースト ニューヨークの幻』は思いつきレベル。『エクソシスト』も同様。
自分たちがあまりにつまらないことをやっていることを恥じているのか、下ネタを頻発するものの、一線を超えた下品さのため、さらに空気が悪くなる始末。
こういうパロディムービーは、山のようにある。当たり作品は少なくて、直情的で下品なものが大半。だから、別に期待なんか微塵もしていなかったが、ここまでヒドい作品は、お目にかかったことが無い。
映画というのは、誰かが企画して、プロデューサーが人を集め、シナリオを書き、監督やスタッフ・キャストがそれを形にしていき、編集し、配給する。そういう数ヶ月に及ぶプロセスを経るわけで、ポイント ポイントで、チェックや再考が行われるはずだ。そういうチェックをすり抜けて、こんなクソみたいな映画が世に出るということが信じられない。携わった人間がすべてクソだったのだろうか?この地球上でそんなことがあり得るのだろうか?
むしろ、どういう過程を経て、この作品ができあがっていったのか、なぜこうなったのかを、検証するドキュメンタリー映画を作ったほうが面白いはず。人間の愚かさを学術的に検証する、有意義な作品になることだろう。
久々に注意報発令。料金がタダだとしても、観るべきじゃない作品。私が人身御供になったのだから、皆様は間違っても観て時間を無駄にしないことをないことを強く願う。交差点の定点カメラの映像を4時間見ていたほうが、まだマシ。今後アメリカは、この作品に携わった人間を、ショービジネスに携わらせてはいけないと思う。そして、日本の入管は、この作品に携わった人間を、入国させてはいけないと思う。
公開国:日本
時 間:89分
監 督:田崎竜太
出 演: 井上正大、戸谷公人、桐山漣、菅田将暉、石橋蓮司、寺田農、吉川晃司、村井良大、森カンナ、広瀬アリス、瀬戸康史、山本ひかる、なだぎ武、渋谷飛鳥、手塚とおる、生井亜実、飛鳥凜、君沢ユウキ、なすび、腹筋善之介、中川真吾、板野友美、河西智美、沢井美優、及川奈央、奥田達士、川岡大次郎、山中聡、深澤嵐、小清水一揮、鈴木拡樹、水谷百輔 他
コピー:本当の始まり。-仮面ライダーW ビギンズナイト- / 本当の終わり。-仮面ライダーディケイド 完結編-
仮面ライダーW、誕生の秘密。 / 仮面ライダーディケイド、最後の勇姿。
紅渡に“世界の破壊者”であることを告げられた門矢士は、“ライダー大戦”を勃発させた後、夏海たちの前から姿を消す。夏海の思いをよそに、ディケイドは他世界の仮面ライダー達を次々を消滅させていくが、そんな士の元には、謎の少女ユリコがつきまとう。ディケイドは、最後のライダーとなった、小野寺ユウスケが変身した仮面ライダークウガ アルティメットフォームと対峙。激戦の末にクウガを倒し、“世界の破壊者”をしての指名を完遂する。夏海は士の暴走を止めるべく意を決し、自ら仮面ライダーキバーラに変身し、ライダー大戦に身を投じるのだったが…というストーリー。
で、ディケイドのオチを知りたかったので、釈然としないながらも本作を続けて鑑賞。
ただし、『仮面ライダーディケイド 完結編』の他に『仮面ライダーW ビギンズナイト』が差し込まれ、さらに『MOVIE大戦2010』に話は融合されていくという構成。この構成がなかなかクセもの。最後、混ぜこぜにする意味があったのか甚だ疑問だし、結局“仮面ライダーディケイド”というものをきちんとクローズすることができず、ポッと思いついたなんちゃって企画レベルに貶めてしまったように思える。
本作は、一応TV版の最後でライダー大戦が勃発した後に続くストーリーらしいのだが、じゃあ前作の『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』は、どこに差し込まれるんだ?となる。TV版のCM移行時のスポット映像なんかを観ると、“アマゾンの世界”と“ライダー大戦の世界”の間かもしれない。でも、そうなると、“ライダー大戦の世界”のときには、士が大ショッカーの大首領だってことが判明しているということになるので、話が繋がらない。結局はどう考えても収まりが悪い。仮に、“アマゾンの世界”と“ライダー大戦の世界”の間が正しいとするならば、TV版の30話31話は作り直すべきだよなぁ…。
キバーラはいいとしても、タックルのくだりは、前作の結城丈二と同様で、もっときちんと描くべき。士と同じく孤独な存在というシンパシー設定はいいとしても、もう既に死んでいる…という設定が中途半端になっている。
大ショッカーがライダーさんたちを倒すことができなかったので、鳴滝はスーパーショッカーを組織して、ライダー討伐を実施する。で、昨日も書いたが、仮面ライダーが行き続けていると、世界は崩壊するんじゃないのかい。今回もライダーが勝っちゃったけど崩壊しない理由はなんなんだよ。
ドラスを出すなら、ディケイドを取り込んで桃色ドラスにして、先輩ライダーに助け出されるとか、おもしろい演出はいくらでも考え付くだろうに。つまらないというか、だらしない作品。
#とりあえず、スカルはカッコいい。
公開国:日本
時 間:112分
監 督:金田治
出 演: 井上正大、森カンナ、村井良大、戸谷公人、荒井萌、大浦龍宇一、倉田てつを、奥田達士、賀集利樹、GACKT、石橋蓮司、大杉漣、桐山漣、菅田将暉、荻野崇、徳山秀典、マーク・大喜多、沢城みゆき、関俊彦、関智一、鈴村健一、稲田徹、加藤精三 他
コピー:時空を超えて、集結せよ。究極のヒーロームービー誕生!!
オールライダー大決戦!
ディケイドこと門矢士、光夏海、小野寺ユウスケ(クウガ)の3人は、とある世界を訪れる。いつもは歪んだ写真しか写すことができない士のカメラだったが、この世界で撮った写真は歪むことがなかったことから、この世界こそ士の元いた場所だと思われた。そんな士の脳裏に、とある洋館が思い浮かび、わずかな記憶を頼りにその場所にたどり着くと、そこには士を兄とよぶ少女・門矢小夜がいた。しかし、ここでも世界の融合は進んでおり、小夜の執事である月影によれば、世界の崩壊は各世界に存在するライダーたちが原因で、これを防ぐためには、唯一無二の“最強のライダー”を決める必要があるという。それを聞いた士は瞬時に失っていた記憶を取り戻り、月影に“ライダートーナメント”の開催を指示するのだった…というストーリー。
何をいまさらこんな作品を観ているのか…といわれそうだが、いまさらながら『仮面ライダーディケイド』のTV版のDVDを一気に観たから。
そして映画とは全然関係ないのだが、先日、大阪・日本橋で、仮面ライダーJの京本コレクション(でっかいフィギュア)のジャンクを発見し、値切り交渉の末、購入するという事件(?)があったので、でかい仮面ライダーJが登場する作品を観たくなった。それだけ!
TV版を一気に観たからって、なんで観ないといけないのか?と思うかもしれないが、新聞ざたになった例の事件のせいである。事件とは、最終回を観た人からのクレーム多数でBPOで問題にされちゃったってやつ。最終回のラストが、これからライダーバトルが始まるよ~!っていうところでぶった切れて、さらに「続きは映画で!」みたいな感じになってしまった。
当時、スポーツ新聞などでも、“歴代ライダー 全登場”と記事になったくらいで、ものすごく期待値は高まったのだが、内容は全然。全登場したライダーは各々の魅力をさほど発揮することもなく、パラパラと画面を右へ左へしただけである。冒頭の、ライダー・トーナメントですら、あっさりしすぎていてまったくワクワクしない。要するに“出オチ”なのである。
TV⇒映画の手法が良いか否かは別にして、ディケイドというストーリーを完結させる、謎を明かす…という指名が本作にはあった。しかし、その謎も、正直意味がよくわからない。世界の崩壊を防ぐためにライダーを倒す!という目的ならば、大ショッカーさんたちは、世界の崩壊を防ぐいいやつじゃないの?うやむやになっちゃってるけど、結局、仮面ライダーが生き残ることで、世界は崩壊するの?しないの?勢いでライダーさんたち勝利しちゃってるけど、そうすることで世界が崩壊するんじゃないの?何で崩壊しないの?ちゃんと最後まで考えて、話を作っているとは思えない。
また、結城丈二の追放話とか、もっと丁寧に描かないと、意味がわからない。というか、むしろそっりの話を膨らませるべきではなかったろうか。
昭和ライダーではおなじみの、歴代ライダー登場!というパターンが使えなかった平成ライダーにおいて、無理やりな設定ながらも、過去ライダーの競演を可能とした“ディケイド”。これによるカードゲーム・玩具・グッズ収入の爆上げと、『ゴーカイジャー』による戦隊モノへの同じコンセプトの波及。さらに、石ノ森キャラ全体にまで侵食するという、事業展開的な意味での功績は大きい作品。
でも、子供向けの特撮番組だからといってしっかりしたストーリーを作っちゃいけないわけでもないし、そうしたからって子供が飽きるということもないと思う。要するに、日本特撮界に能力の高い人がおらず、永遠に子供騙しを続けている…という業界のレベルの低さの証明だと思う。ちょっと厳しい言い方だけど、いい加減怒りを覚えている。
さらにBPOのお叱りを受けたにも関わらず、この作品ですら“最終回”ではなく、“続く”状態なのが、実に馬鹿馬鹿しい。完結編は『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』のほうだったorz。
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:ケニー・オルテガ
出 演: ザック・エフロン、ヴァネッサ・ハジェンズ、アシュリー・ティスデール、ルーカス・グラビール、モニク・コールマン、コービン・ブルー、アリソン・リード、バート・ジョンソン、レスリー・ウィング、オリーシア・ルーリン、ライン・サンボーン、ケイシー・ストロー、クリス・ウォーレン・Jr、ロバート・カーティス・ブラウン、ターニャ・チザム 他
待ちわびた夏休みになったものの、バイト先が見つからずこまっているトロイとガブリエラたち。そんなとき、トロイの元に、高級カントリークラブのアルバイト採用通知が。仕事だけでなく、バケーション気分も堪能できる一挙両得なバイト先に大喜び。しかし、そのカントリークラブは、シャーペイの親の経営。実は、シャーペイがトロイとガブリエラを引き離し、自分との距離を縮めよういう策略だったのだ。ところが、トロイだけではなく、ガブリエラを含む仲間たちの多くが、採用されたことを知り、シャーペイはショックを受けるのだった。クラブでは、毎年、従業員が参加するタレントショーが開催されており、いつもシャーペイが優勝していたのだが、トロイたちがミュージカルで参加する申し込みをしていることを聞いたシャーペイは、優勝を奪われてしまう!と大慌て。そこで、オーナー一族の特権をフル活用し、トロイと友人たちを離間させ、自分とショーに出るように仕向けるのだった…というストーリー。
前作を観てからかなり経過していたし、所詮、ティーン女子の観るモノ、続きを観ることは無かろうと思っていたのだが、観るものがないついつい。
前作は、ミュージカルシーンはそれなりに楽しめたのだが、今回は非常につまらない。そこがウリじゃないのか?と思うのだが、肝心の歌と踊りが平板。従業員野球大会でのミュージカルシーンは、薄ら寒くなるほど。半分以上、早送りしたと思う。
唯一興味を惹いた展開は、シャーペイの弟ライアンの造反。ただの姉の腰ぎんちゃくだったのだが精神的に自立し、いい男になっていく。そのままもっとメイン級の大活躍をさせればよかったのに、尻すぼみで、大暴れすることはなく終わったのが残念。
奨学生になれるかもしれない、それも一流のバスケチームのある有名校で。それがシャーペイの手回しが発端だとしても、大学側にも実力を認められているのだから、とてもすばらしい状況。恋人と親友がそういう状況の彼を応援せずに、俺たちをないがしろにして、一人でいい目を見ている!と責めるというクレイジーっぷり。作品自体が“友情が大事”というところに無理やり着地させているのだが、人の明るい進路を嫉妬で妨害するなんて、こんなの友情だろうか。
実はガブリエラのキャラクターがおもしろさを削いでいるのではないかと、思えてきた。彼女はマジメで歌もうまく優等生なのだが、約束を守らないトロイに対して不機嫌になる以外は、作中で心境の変化のようなものを生じさせない。もう、キャラクターというよりも背景に近い。その“無味無臭”になってしまったガブリエラとのエピソードを挟まなければいけないのが、地味に足枷になっている。
案外、このお話、ガブリエラを出さないようにしたら(どうしても遠くの親戚のところに行かねばならないとか)、なかなかの友情話になっていたんじゃなかろうか。進路の話は、メールを介してガブリエラと相談する…みたいな流れで。
また、最終的に、奨学生を諦めるんじゃなくて、チーム全員にチャンスが与えられるかも…的な感じを匂わせればよかったと思う。曲りなりにも“チャンスの国アメリカ”なんだからさ。
子供向け作品に、目くじらたてるのも大人げないんだが、“どうせ現実はこんなもの…”的な、夢のない残酷な未来をティーンに提示しているような気がして、なんか気分が悪い。考えすぎかな。
公開国:アメリカ
時 間:94分
監 督:スティーヴン・フリアーズ
出 演: ブルース・ウィリス、レベッカ・ホール、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジョシュア・ジャクソン、ローラ・プリポン、ジョエル・マーレイ、ウェンデル・ピアース、コービン・バーンセン、ジョン・キャロル・リンチ、アンドレア・フランクル 他
コピー:ド派手に行こうぜ!
デリバリーのストリップダンサーをしているベスは、そんな自分の生き方に嫌気が差す。そんな時、友人からベガスでスポーツ賭博業を経営するディンクを紹介され、面接に赴く。話はあれよあれよと進み、アシスタントとして雇われることに。高額自給に食事つきというダンサーの時とは雲泥の差の待遇に大喜びのベス。元々、賭け事と愛称が良かったのか、才能を開花していくベス。そして、気前のよくてやさしいディンクに惹かれるようになっていく。ディンクには妻がいたが、ベスはおかまいなしにアタック。嫉妬深い妻との関係を壊そうとはしないディンクは、ある日、付き合いを止めることを宣言する。しかし、その後のディンクは、ことごとく賭けに負け続け、資金が底を尽きかける。古参の従業員にまで当り散らしき廃業の危機に。一方、ベスはそんなディンクの元を離れニューヨークのボーイフレンドの元へ。しかし、賭け事のうまみが忘れることができず、違法の賭博業者で働くことにするのだったが…というストーリー。
このコピー、内容観てないでつけたろ!って感じ。ド派手なシーンなんか一つもない。オッズの細かい動向を見ながら、隙を狙って賭けていく商売で、派手どころがむしろチマチマしている印象。
主人公のベスだが、ストリッパーなのはまあ仕方ないとしても、賭け屋とはいえ合法で比較的安定した業務についたにもかかわらず、妻がいる雇い主を略奪しようという姿に、引いてしまう。
まあ、そういう展開もあるだろうと思って観ていたわけだが、ベスのボーイフレンドがパクられそうになり、ピンチになったとき、なぜか、ディンクだけでなく妻までが、全面協力するという謎展開。ベスがいたときに運が良かったという以外に、ディンクがそれほど彼女に恩を感じる理由がわからず、正直、ピンとこない。そしてそう思う夫を採取的に理解する妻の心境もよくわからない。おまけに、NYで出会ったら、なんのわだかまりも無くまるで妹のように全面協力する姿にすごく違和感を感じる。おまけに、FBI介入を散々警戒したにも関わらず、結局はただのダメ親父のブラフだったという、締まりの無い展開。
なんか、おかしくね? ふつうもっとピリっとした展開にして盛り上げるもんじゃね? と感じたところで、ふと気づいた。これで実話なんじゃね?と。調べてみたら、やっぱり実在の女性ギャンブラーの自伝なんだって(ワシの勘もなかなか鋭くなったわ(笑い))。
#実際、この記者のボーイフレンドとは続かなかっただろうな…。
さすがにこれで終わっちゃクソだろ…と思ったのか、最後に大勝負!って展開に。これが、実際にあった出来事なのかフィクションなのかは不明。
このモデルになった女性ギャンブラーのことを知っていれば、面白く思えるのかもしれんが、とにかく、本作を観る限り主人公にイマイチ魅力がなく、共感もできない。盛り上がりにかける凡作かと。
#ブルース・ウィリスの吹き替えの違和感が、ものすごい。
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:マイケル・レーマン
出 演: ウィノナ・ライダー、クリスチャン・スレイター、シャナン・ドハティ、リザンナ・フォーク、キム・ウォーカー、ペネロープ・ミルフォード、レネ・エステヴェス 他
受 賞:【1989年/第5回インディペンデント・スピリット賞】新人作品賞(マイケル・レーマン、デニーズ・ディ・ノヴィ)
コピー:バッグの中身は殺人道具--女子高生エリート・グループ「ヘザース」とは…?
ベロニカが通う学校には、“ヘザー”というファーストネームを持つお嬢様だけが集まった“ヘザース”という3人組がいた。なぜかそのヘザースに執拗にいじめられ続けるベロニカは、そんな生活にうんざりしていた。ベロニカには他人の筆跡を真似るという特技があったが、ヘザースはそれを利用して、フットボールチームのリーダー、カートの筆跡で偽のラブレターを書かせ、デブのマーサにその手紙を渡し、反応を愉しむという下品なことをやっていた。転校生のJ.Dは、そんなヘザースの様子を遠くで眺めている。カートと友人ラムは、J.Dの言動が気に喰わず彼に脅しを掛けるが、J.Dはすっと銃を取り出し発砲するのだった。空砲だったために事なきを得たが、ベロニカはそんなJ.Dの破天荒さに関心を持ち、ほどなく二人は結ばれることに。そんな中、ベロニカはヘザースの一人チャンドラーに、大学生のパーティに誘われる。しかし、気分が悪くなったベロニカは嘔吐して退場。そんなベロニカをチャンドラーは罵るのだった。ベロニカのチャンドラーに対する憎くしみの吐露をきいたJ.Dは、殺してしまえばいいと軽く発言。ベロニカは冗談だと思っていたのだが…というストーリー。
ちょいエロ有り、いじめ問題有り、友情有りの、学園グローイングアップムービーみたいなものかと思っていたが、あるポイントを境に急展開。サイコ・サスペンス要素が沸いてくる。これはユニーク。
(以下、少しネタバレ)
確かに他の生徒とは異質な感じはするが、冒頭では、浮ついた他の生徒よりもマトモに見えたJ.D。情緒は不安定かもしれないが、知的なベロニカにはむしろお似合いだと思って観ていたのに、まさかJ.Dはサイコ野郎だとは思いもよらず、ちょっと驚き。
ちょっとおしいのは、コメディチックな部分とサスペンス要素が喧嘩して、全体の勢いを相殺してしまっている点だ。J.Dの自殺に見せかける手口は決して巧みではなく、普通に捜査がなされるなら簡単にバレるレベル。だって、彼らは指紋すら満足に拭き取っていないんだもの。同じクラスの生徒ばかりが次々自殺していくことに、街の人々は不信感を抱くことは無く、それどころか自分の子供の死なのに、むしろその死に様を恥じて、早く葬式もなにもかも終わってしまえばいいというような態度で、一向にベロニカやベJ.Dに捜査の手が近づく気配もない。ホモカップルに偽装するくだりも同様。ちょっとやりすぎて興醒めするレベル。
一方、J.Dの犯行がエスカレートする様子の描かれ方は雑。彼がなんでそういう性格傾向になったかを事細かに説明する必要はないかもしれないが、彼が本物のサイコキラーであることを、もっと恐怖に感じられるような表現にして欲しかった。そして、ベロニカを巧みに巧みに自陣に引き入れ、逃げられないように真綿で首を絞めるように苦しめていく様をもっとうまく描けていれば、最後の対決シーンはもっと盛り上がったに違いない。
とはいえ、このコメディとサスペンスを綺麗に融合させつつ、話を盛り上げていくのは、よほどのシュールさと、殺人をアバンギャルドに描ける画力を兼ね備えた監督じゃないと難しいのかもしれない。この監督、後に『ハドソン・ホーク』の監督をやっていて、決して力が無いわけじゃない。
とてもおもしろいプロットの作品なので、有名どころの監督がブラッシュアップしてリメイクすると面白いかもしれないな。
公開国:日本
時 間:94分
監 督:菅原比呂志
出 演: 宮沢りえ、五十嵐美穂、安孫子里香、工藤正貴、菊池健一郎、鍋島利匡、田中基、大沢健、金浜政武、石川英明、中野愼、小柳みゆき、粟津號、谷田真吾、田岡美也子、船場牡丹、宗田千恵子、西海真理、竜のり子、永田美妙、三田恵子、石川清、沢井孝子、武藤章生、上柳昌彦、飯島大介、福永典明、三宅裕司、大地康雄、浅茅陽子、室田日出男、倉田保昭、佐野史郎 他
受 賞:【1988年/第12回日本アカデミー賞】 新人俳優賞(宮沢りえ)
ある日、青葉中学の一年・菊地ら男子生徒8人が失跡する。親は学校に対応を求めるが、学校側は逆に親を攻める始末。さらにこのことは口外しないようにと口止めをする。少年たちは、理不尽な校則や教師の体罰に反発し、町外れにある自衛隊の廃工場に立てこもっていた。それぞれ、食料や生活必需品を持ち込み、自炊生活を開始する。しかし、一人の生徒のリークから、居場所が教師や親にバレてしまい、説得に押しかけてくる。少年たちは、自作の兵器で撃退し何とかその場をしのぐが、再びやってくるであろう教師たちを追い払うために、バリケードや武装を強化するのだった。そんな中、一人の生徒が、工場の地下に、戦車があるのを発見し…というストーリー。
今観ると、教師がそこまでするかよ…と思うかもしれないが、携帯電話もネットも普及していない時代、それもバブルちょい前くらいの教師は、このくらいは平気でやった。というか、これよりももっと陰湿な奴がいた。団塊世代のクズっぷりが集約されているといってもよい。
今以上に学校は閉鎖されており、頭の悪い教師が好き放題暴力を振るっていた。世の中を知らない子供たちは、世界とはそういうもんだと思い込むしかなく、大人になって、よくドラマなんかで何年かぶりの同窓会なんていうシーンがあるが、あんな和気藹々とした同窓会なんてめずらしい。実際は、思い出したくも無い学校生活から忌避したい気持ちな人がほとんど。縁を切りがたい人や、一部の恩師のその後の情報が知りたいためだけに、繋がっているだけ。
校長は「停学で退学にでもすればよい」という趣旨の台詞を吐くが、公立中学に退学などという概念はあり得ず、それを知らない校長など存在するはずもない。ということはこの高校は私立なのかな。たしかに私立のほうが世間体を気にするような気もするが、そういう描写はない。
インパクトの強い“戦車”だが、自衛隊所有という設定らしいが、なんでそんなとこにあるのかは一切語られない。
このシナリオはイライラする内容だ。賀来千香子演じる西脇戦線は、生徒側に付く教師だと他の教師から目の敵にされているが、一度差し入れをするだけで遠隔的に少年たちを援護することもなく、あとはハラハラしているだけ。もうちょっと有効に使うべきキャラクターのはず。
同様に、室田日出男演じるホームレスも、デブの少年とのコミュニケーションのシーンを差し込むくらいなのだがら、その後、もうちょっと役に立たせるべき。
親たちも学校のやっていることがおかしいということに気づき、あるポイントから少年側に立つことを明確にすべきなのに、大騒動になったにもかかわらず傍観者のままで終わってしまう。個々のキャラクターが中途半端で、みんな死んでいる作品。
なんで学校側が警察が介入している作戦のイニシアチブを取ることができるのか。機動隊の作戦中に教師が帯同できるのか。戦車の砲塔から、打ち上げ花火をどうやってあげるのか。さらにあんな数の綺麗な打ち上げ花火をどこから調達したのか。肝心の学校はどうなったのか。時間が経過すればするほど、秒刻みで破綻していく。宮沢りえのアイドル映画とつくるために、適当につくった作品なんだろうな。
せめて、もっと戦車で大暴れしてスッキリするとか、教師の悪行がメディアを通して全国に晒されてスッキリするとか、そういう展開があれば、鑑賞後の気分もスッキリでいたかも。とにかくスッキリ不足。
公開国:アメリカ
時 間:111分
監 督:ロバート・ロレンツ
出 演:クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン、ロバート・パトリック、マシュー・リラード、ジョー・マッシンギル 他
コピー:スカウトマン、娘1人。キャリア最後の旅に出る。
数々の名プレイヤーを見出してきた、伝説的なスカウトマンのガス。しかし、近頃はコンピュータによるデータ分析手法や主流となっており、彼の“勘”によるスカウト手法は時代遅れになってきた。さらに、肝心の視力が衰え、その勘を発揮することもできなくなってしまう。残りの契約期間は3ヶ月となり、再契約が結ばれる可能性は極めて低くなっていた。そんな中、ドラフト注目株の高校生の調査をしていたガスのもとに、一人娘のミッキーが突然やってくる。ミッキーは弁護士事務所に勤務しており、今、経営陣に加われるか否かの大事な時期。さらに、この父娘は、ガスが家庭を顧みずスカウティングに没頭していたため長年疎遠だったこともありギクシャクした関係。ガスはミッキーに仕事に戻るように言うが、頑として聞かない。実は、ガスの目が悪いことを心配した、球団フロント職員のピートが、ミッキーに力を貸してほしいとお願いしていたのだ。気まずい雰囲気のまま二人は、注目選手の調査をはじめるのだった…というストーリー。
また適当に“人生の”なんてありがちなタイトルを安易につけちゃって…と思ったが、劇中のセリフにそれっぽいのがあったからチョイスしたんだろう。でも、最近こういうタイトルが多すぎて、プロモーション的にはNG。「あー、あのクリント・イーストウッドと娘にスカウトする話って、難ってタイトルだっけ…。最高のなんとかだっけな?」なんて感じで、捜すのが難しかったくらいなのでNG。
御大の作品ながら、映画賞からは総スカンをくらっている。しかし、決して悪い作品ではないのだが、ダメな理由ははっきりしているのかな…と思う。
まず、父娘の断絶を乗り越える…というテーマがある。父と息子、母と娘で、この手のテーマは少なくないが、父と娘というのは少ないかも。娘の結婚を機に云々…という話はあるけど、こういう男勝りな娘との関係というのはあまりないし、一般的に考えると特異なキャラクター同士のため、共感はしにくいかもしれない。
ガスははじめから娘を遠ざけようと思っていたわけではなく、男手一つで育てようと覚悟していたのだが、なぜそうできなかったのか…、その秘密がこのストーリーのミソなわけだが、これがどうもしっくりこない。
(以下ネタバレ)
ちょっと目を離している隙に、娘が変態野郎にいたずらされそうになっていた。「ああ、こんな状態では娘を守ることができないのか…」ということで、娘を預けることにした…というならわかるのだが、その後、相手の男をボコボコにしてしまったので、もしかしたら捕まっちゃうかもしれないので兄弟のところに預けた…と。こんな乱暴者のもとでは育てられない…という考えはわからんでもないが、何かしっくりこない。結果逮捕されなかったんだし、次から気をつけりゃいいと思うのだが、娘と離れ離れになることを選択する感情がイマイチ共感できないし、手紙一つよこさない理由にはまったくなっていない気がする。
この、話を成立させたかったら、最終的に起訴されなかったにせよ、短期間にせよ、実際に逮捕・拘留されたという設定しなければいけない。それなら物理的に娘を守ることはできないのだがら、娘を預けざるを得ないというのは、納得できる。
もう一つの本作がしっくりこない理由は、ご都合主義的すぎる展開のせい。
ガスを目の敵にする球団職員に陥れられ、球団オーナーもそいつの意見にほだされてしまい、ガスの決定を退けてしまう。おまけにそのせいでジャスティン・ティンバーレイク演じるジョニーとの関係もおかしくなってしまう。ガスのスカウトとしての名誉を復活させないと、この話はおかしくなってしまので、あのドラ1高校生がポンコツであることを、白日の下に晒さねばならない。でも、そのために登場するのが、ドラ1男と同じ高校で、彼にバカにされていたピーナッツ売りの少年で、そいつが実はものすごいピッチャーだったという、とてもとてもあり得ない展開。これが都合良過ぎて、ヒいてしまうほど。これが一番イカン。
ミッキーもスカウトの道に…ということでハッピーエンドになるわけだが、それもちょっと都合が良すぎる。それよりも、ガスとの契約を切る際に、社会保障はしっかりつけるといっていたくらいなんだから、白内障をさっさと手術すればいいのに…と思う。
そういう細かいところまで、なにか、一般的な感覚とズレがある作品。
でも、基本プロットは良いと思うんだよなぁ。監督と脚本家のキャリア不足のせいなのかなぁ。
公開国:日本
時 間:24分
監 督:加藤久仁生
出 演:長澤まさみ 他
受 賞:【208年/第81回アカデミー賞】短編アニメ賞(加藤久仁生)
年々海面が上昇し水没しつつある街。そこにただ一人残り、自宅を積み木のように高く積み上げて暮らしている老人がいる。彼は海面が上昇する度に、上へ上へと家を増築していた。ある日、老人が上の家へ引越しをしている最中に、お気に入りのパイプを落としてしまう。諦めようと思ったが、他のパイプではどうにもしっくりこない。意を決した彼は、潜水服を着て海の中でパイプを探しに潜っていく。海中に没したかつての家には、共に暮らした家族の思い出が刻まれており…というストーリー。
なぜ、海面が上昇しているのか?という部分にはあえて焦点を当てていないのが良い。環境破壊が云々なんて部分が、微塵でも感じられたら、あっという間に興ざめだっただろう。公開当時のことを考えると、次の年に『不都合な真実』のようなインチキエコロジー映画がアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を獲っちゃていた頃だ。
凡人なら間違いなくそういう要素を絡めただろうが、そうしなかった加藤監督は、それだけで慧眼だといえる。間違っても、もう一度観ようなんていう気にはならなかっただろう。
生きるって、多かれ少なかれ何かに立ち向かうことだし、立ち向かうことができているということが生きている証だと思う。往々にして、なんで立ち向かっているのかわからなくなる時があるけど、それでも立ち向かうことを止めたら、それは死を意味する…とまで言ったら極端か?
この老人も、別に家族の思い出に強く意識して執着しているわけでもないし、そこに居座ることで何かを抗議しているわけでもない。でも、惰性とは違って、何かにゆるやかに抗っているのは間違いない。不思議と将来の自分の姿かも…という観方にはならないはなぜだろう(わからん)。
おもしろい作品は、あっという間に時間が過ぎてしまうし、逆につまらん作品は長く感じる。本作は24分と短いけれど、それよりも長く感じる。でも、それはつまらないからではなく、みっちりと濃密だからじゃないかな…と。
変な表現かもしれないけど、かぼちゃの冷製ポタージュを飲んでるような感じの作品。
長澤まさみのナレーション版で観てしまったが、これは、映像とBGMだけで観るべき作品。とはいえ、わざわざ、ナレーション版が存在するということは、伝わりにくい部分があると判断されたんだろう。そういう配慮を差し込まれる隙がないくらい、完璧にサイレントですべてが伝わったなら、最高の作品になっただろう。
公開国:アメリカ
時 間:82分
監 督:ダグラス・シュルツ
出 演:クリスティーナ・シェルドン、ジョン・ベネット、ジェフ・ボーガー、リジー・ラッセル、アレックス・サフィ、クリストファー・ミラー、ジョン・クーリガン、マーク・C・シュワルツ 他
妊娠中の妻を亡くし落胆していた警官のガブリエル。ある日、犯人を追跡中に、突然何者かに頭を殴打され気を失ってしまう。意識を取り戻すと、町に人気が無くなっており、まるでゴーストタウンのようになっていた。誰かいないか探しながら、なぜこんなことになってしまったのか原因を探るガブリエル。無人のバスのラジオから、何者かの攻撃を受けて人々が突然失踪する事件が続発していることを告げるニュースが流れ、やがてそのニュースも途切れてしまった。呆然としているガブリエルは、黒い人影を発見。それを追いかけて小学校に入ったガブリエルは、一人の神父に出会う。神父は、小学校の地下にある隠しトンネルから教会に脱出しようと提案する。学校ないを捜索していると、殴打された影響か死んだ妻の幻覚が見えるようになり、苦しむガブリエル。そこに、謎の謎の黒人少年が現れ…というストーリー。
“地球で最後の男”というから、主人公以外誰も出てこないのかと思ったが、神父やら黒人さんやらすぐに出てくる。だって、原題は“DARK HEAVEN”で、最後だとかそんなこと一言も言ってないからね。何か別の作品と混同させてレンタルさせようと考えたのかも知れんけど、邦題をつけた人間は、実際に作品を観たのか?と疑いたくなるレベルである。
TVムービーの模様で、予算はかなり安いように見える。冒頭、街中だれもない…という街の俯瞰映像にで、上部を車が横切る。おそらくチェックミスだと思う。ブラウン管テレビの画面の枠に隠れて見えなかったのだろう。その程度のクオリティの作品なのだ。
目覚めると人々がいなくなっている…という設定は、予算的な制約の中、いいチョイスだと思う。しかし、残念なことに、随所に差し込まれるフラッシュバック映像の中で、主人公に何があったのか、早々と想像がついてしまう。
唯一まともなミスリードといえば、黙示録の内容と街におこった現象を絡めた部分か。本当にこの世が終末を迎えたのでは?という方向性を感じさせようとしているのだろう。でも、黙示録の細かい内容なんか、あんま知らんしね。ピンとこない人が多かろう。
天使なのか悪魔なのかわからんが、天上人みたいのがバトルを繰り広げるのだが、いくら低予算だといっても、その造形のショボさはいただけない。
『世にも奇妙な物語』の一遍だとしても、評価されないレベル。とにかく、もっとオチが判らないような構成にしないと話にならない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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