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公開年:1986年
公開国:ソ連
時 間:134分
監 督:ゲオルギー・ダネリア
出 演:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レヴァン・ガブリアゼ 他
コピー:この審判(トライアル)は――プライドの殴り合い。






妻に夕飯の買い物を頼まれて街にでた建築技師マシコフ。そんなマシコフに助けを求める若者が一人。若者はゲデバンという学生で、浮浪者のような風体の男性がおかしなことを口走っているという。二人は浮浪者のような男に問いかけると、自分はほかの惑星から来た者で、空間転移装置の不調で地球に飛ばされてきてしまったのだという。嘘をついていると思ったマシコフは、男が持っていた空間転移装置のボタンを押してしまう。すると、マシコフとゲデバンは、一瞬にして砂漠の真ん中に放り出されてしまう。ゲデバンは、あの男の星に飛ばされたのでは?と恐怖に慄くが、マシコフはソ連内のカラクルム砂漠に違いないと主張する。しかし、そこはキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュク。彼らに向かって謎の飛行物体が近づいてきて…というストーリー。

冒頭から斜め上の展開が連続する上に、地味に合成技術がすごくて、すっかり心を持っていかれてしまう。

地球を上回るテクノロジーは存在するのだが、未来都市のような感じではない。『砂の惑星』のような感じでもない。浮浪者みたいな人しかいないし、テクノロジーの使い方がチープ。いかにもSFチックなメカニックを登場させることなく、異星のテクノロジーを表現。惑星の社会構造も滑稽極まりない。

こんなヘンテコムービーながらも、実は反体制映画なんだ!と聞いていたのだが、一部の集団による支配体制、人種(?)差別など、前近代的な身分制度や、初期資本主義的な構造を表現しているように見え、社会主義や共産主義を揶揄している感じではないのだが(どの辺が反体制なのか?)。むしろ政治を離れて、のびのびと表現しているように見える。
服従のポーズとか、鼻ベルとか。クゥーってなんやねん。これはカルトムービーですわ。脱力感を最後まで維持できているのは、スゴイことだと思う。
マシコフは、この星で出会った二人を見捨てることが忍びなく、地球に戻ることを断念するという“人情”を発揮するのだが、それが全然伝わらない。終盤は異文化交流の刹那さをシュールというかシニカルさで表現している。
時間が逆戻りしたのに記憶は残っているとか、地球に帰ってからの二人の行動とか、真剣に考えたら矛盾満載なんだけど、そんなことどうでもいい…というか、むしろ矛盾してくれてありがとう…って言いたくなるノリがすごい。

冷戦時代のソ連。恐るべし。映画史に立派に爪痕を残している作品。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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