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image0557.png公開年:2001年
公開国:フランス
時 間:138分
監 督:クリストフ・ガンズ
出 演:サミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、エミリー・ドゥケンヌ、ジェレミー・レニエ、マーク・ダカスコス、ジャン・ヤンヌ、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジャック・ペラン、ヨハン・レイゼン、エディット・スコブ 他
受 賞:【2001年/第27回セザール賞】衣装デザイン賞(Dominique Borg)
コピー:18世紀フランス・ジェヴォーダン地方、100人を越える女と子供が忽然と姿を消した……。残された死体の傷跡。狼の仕業か?それとも呪いか?フランスの歴史における最大の謎、<ジェヴォーダンの野獣>の伝説が遂に明かされる!!

18世紀、ルイ15世統治下の啓蒙思想が広がりつつあるフランス。ジェヴォーダン地方にて、女子供ばかり100人以上が謎の獣によって惨殺される事件が発生。ルイ15世は、獣の正体を突き止めるため、王室博物学者のグレゴワール・ド・フロンサックを派遣した。フロンサックは新大陸にて義兄弟の契りを交わしたアメリカ先住民モホーク族のマニを伴い、ジェヴォーダン地方に赴く。しかし、二人の懸命な捜索にもかかわらず、獣を発見することができないだけでなく、惨劇も止まらず…というストーリー。

この話は、18世紀のフランスで実際にあった事件が元になっているとのこと。オオカミに似た生き物が人々を襲ったというのは、史実らしい。でも結局、獣の正体は不明。狼や外国の犬系の生物との交雑種という話もあるし、この獣騒動自体が陰謀だという説もある。本作は、そういう虚虚実実の諸説があることを、そのまま謎解きサスペンスにした感じ。

フランスのこの手の作品は、倒錯した血縁関係、因習がはびこる地方の村、得体の知れない村人を襲う何者か、というパターン。もう、そのパターンばかりといってよい。『クリムゾンリバー』だってそうだよね。フランス映画のフィクションのサスペンス作品って、面白いのはこのパターンだけっていう話もあるけどね。

舞台設定は、『スリーピーホロウ』に似ている。
その村が、相当な郊外の村であること。主人公が異文化を持ち込むことも観ている。獣は誰もみたことがなくって、実はいないんじゃないか?村人の思い込みなんじゃないか?という線も残しながら、謎解きが展開するのも似ている。村の教会の関係者や有力者がどうやら鍵を握っていそう…という展開も似ている。その関係者の娘が、主人公とよさげな関係になるのも似ている。
大きく違うのは、コミカルなノリが一切皆無であることと、中世ヨーロッパの重厚さ効いている舞台。そして、主人公にネイティブアメリカンのお供がいるっていうこと。でも、このキャラクター、観終わってから考えると、必要があったのかちょっと疑問になる。すごい武術の達人で、無双状態なんだけど、前半でやられちゃうのだ。
もっとネイティブアメリカン部族の秘術とか言い伝えとかが、獣の謎の解明に役立ったとかなら理解できるのだが、それほど重要な鍵になったわけでもない。とてもいいキャラクターで、キリスト教社会の埒外にいる存在というのは、生かせたと思う。獣退治に加担する若侯爵のキャラクターが良かったので、そいつと主人公とはまた別の友情が芽生える流れでもよかったと思う。

で、後半どうするのかな…と思ったら、主人公もそのネイティブアメリカンと同じ、というか何ならそれ以上に無双状態だった。そこまでできるんなら出す必要なかったんじゃないかな。
このあたりから、結構グダグダになっていく。主人公に恋心を抱く娘さんの顛末も、身も蓋も無さも相まって、せっかく、謎解きに向かって盛り上がっていくはずなのに、ダレてくる。眠くすらなってくる。ヴァンサン・カッセル演じるジャンがアフリカに行っていた件や、彼の腕が壊死しかかっているという件など、獣の正体と関係があるのかと思ったが、関係なかった。題

材もいいし、アクションも良かったので、終盤をブラッシュアップしてから、もう一度観たいくらい。何なら、この事件を題材にもう一度作り直しても…。

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