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image0518.png公開年:2006年
公開国:アメリカ、日本、カナダ、フランス
時 間:126分
監 督:クリストフ・ガンズ
出 演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー、キム・コーツ、ターニャ・アレン、アリス・クリーグ、ジョデル・フェルランド 他
コピー:その街では、祈りさえも、悲鳴に変わる――



毎晩悪夢にうなされ、夢遊病のように歩き回る9歳の娘シャロンに悩まされているローズとクリストファー夫婦。シャロンがいつも口にする“サイレントヒル”という言葉。ある日ローズは、ウエストバージニアにサイレントヒルという町が実在することを知る。その街は、30年前に炭鉱火災が原因で町中が大火災に見舞われ、今はゴーストタウンとなっていた。シャロンがその町のことを知っているはずはないのだが、解決の糸口があるかもしれないと、夫にだまって娘をつれてサイレントヒルに向かうのだった。サイレントヒルへ向かう道は封鎖されていたが、無理やり突破。しかし、その後、事故をおこしてしまい気を失ってしまう。目を覚ますとシャロンの姿は消えており…というストーリー。

異世界に紛れ込んだことが明白なので、リアルなホラー表現を期待していた人は、求めていたものと離れてしまって途中で飽きるかもしれない。現実だと錯誤させる時間をもうすこし長めにできると良かったとは思う。

しかし、ローズたちを襲ってくるモンスターたちのデザインや、灰が降る世界観など、ノリと雰囲気を重視した作品。さすがベースがゲーム。これにノリ切れれば非常に愉しめるはず。私は愉しめた。三角頭さんとか、なんでそんなデザインやねん…って思うけど魅力的だもん。
謎解きも、判ったような判らないような、とりあえず場面を進めるための鍵の連続であり、ストーリーに深く根ざした謎ではない。ここもゲーム的。

復讐の視点に、極めて“日本臭”が漂う。煉獄の概念自体はカトリックのものなのだが、自分が死んだことにも気付かず、永遠に愚かな存在であり続けるという地獄の様態は、日本の地獄の概念に近い。もしかすると、欧米人は逆にピンとこなかったかもしれない。

で、シャロンはアレッサの子なのか、本当に人ならざる力によって生み出された存在なのか。
単に孤児院の前に置かれていた子というだけ、そしてたまたまアレッサに似ていたというだけならば、あそこまで孤児院の修道女や町の人間がタブー視することもないと思うし。その辺はすっきりしない。

さて、ローズとシャロンは夫の所にもどれるのか…。ここが賛否両論分かれるところだと思うし、それまでのハリウッド映画にはみられない流れだと思うし、やっぱり日本的だと思う。
対して、復讐時の、茨のように這いまわる有刺鉄線による惨殺シーンは、アメリカンホラー直球の演出で、それらの融合が実に味わい深いものになっていると思う。

最後、車にもどった娘シャロンは、指をしゃぶる。白シャロンと黒シャロンが融合して新たな(本来の)シャロンに生まれ変わったので、もう一度赤ん坊からやり直す…というわけだ。見事、二人はサイレントヒルを脱し家に帰るが、そこは現実とは異なる世界。二人はまるで自縛霊のようになり(ここも日本的な表現)、延々と親子の生活を繰り返すという、ある意味地獄を永遠に味わうのだろう。人を呪わば穴二つを地で行くオチである。
視点を変えれば、昨日の『ペントハウス』のように他者への献身で、満足に至っている様子にも見える。

以前、観たときはそれほど良いとは思わなかったのだが、今、改めて観ると、なかなか良い出来映え、良い味わいがあった。もう一度観てみては?
#ブルーレイの精緻が画質でみたいかも。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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