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image0685.png公開年:1995年 
公開国:アメリカ
時 間:127分  
監 督:デビッド・フィンチャー
出 演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ、ケビン・スペイシー、ジョン・C・マッギンリー、リチャード・ラウンドトリー、グウィネス・パルトロー、ジョン・C・マッギンレー、リチャード・ラウンドトゥリー 他
受 賞:【1995年/第62回NY批評家協会賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
【1996年/第5回MTVムービー・アワード】作品賞、悪役賞(ケヴィン・スペイシー)、魅惑的な男優賞(ブラッド・ピット)
【1996年/第39回ブルーリボン賞】外国作品賞
コピー:注意、本当に恐い!

退職まであと1週間のサマセットと新人ミルズの両刑事は、汚物にまみれ、食べ物の中に顔を埋め、極限まで肥満した男が殺された現場に向かう。何者かに、死ぬまで食べ続けるよう強制させられていたことが死因で、現場には、犯人が残したものと思われる〈GLUTTONY=大食〉と書かれた文字が残されていた。その後、凄腕で名高い弁護士の死体が発見され、現場には〈GREED=強欲〉の文字が…。サマセットは、犯人がキリスト教における七つの大罪に基づいて殺人を続けていることを確信するが…というストーリー。

もう、今回で、観るのは5回目くらい。特段、好きな作品というわけではないんだけど、ちょいちょい観てしまう。

本作は“銀残し”手法を使った作品として、映画検定の問題では定番(市川崑の『おとうと』と本作と合わせてね)。
始めのショットで、他のハリウッド映画とはちょっと違う雰囲気なのにすぐ気付く。イメージとしては、70年代後半から80年代前半に日本映画の質感に近いかも(ただ、残念なことに、この効果はさほど持続しなくって、慣れちゃうんだけどね)。監督デビューの『エイリアン3』は、コアなファンから批判は受けたけれども、それでも当時から画質の統一感や雰囲気作りには長けていたと思う。銀残しの手法を使い続けたわけではないけれども、こういった意識は、その後の作品でも大事にされていて、映画は世界観の統一や雰囲気作りこそ大事だと思ってる私は、デビッド・フィンチャーを非常に評価している。

シナリオ的に着目したいのは、ラストシーンの場所に向かう車中の「街中に許しがあふれている」というケビン・スペイシーのセリフ。これは、ある意味、カトリック批判ともいえる。七つの大罪を曲解して反抗を繰り返す犯人なのだが、カトリック特有の“許し”つまり懺悔すれば許されるという思想を批判しており、自己矛盾しているところが非常に興味深い。そして、その点については、刑事二人は指摘できず、どちらかといえば言いくるめられているような感じで、ラストシーンに向かう。
カトリック社会が許しにあふれているといいつつ、カトリックからの大きな支持をうけたブッシュ大統領が、9.11の復讐で戦争を仕掛けちゃったりするわけで、どこに“許し”に精神があるんじゃ?といいたくもなるアメリカ社会の根底を、シニカルに語っているのかもしれない(もちろん本作は、9.11より全然前の作品ですけどね)。

当時の私は(当時といってもレンタル開始当時だけど)、コピーにあるとおり、かなり「怖い!」と思いながら観た記憶があるが、今となっては、この手の猟奇的かつサイコ的な作品に慣れてしまった(世の中にはもっと怖い事実があふれているということかも)。15年も前の作品なのに、今みても新しい。なかなかの秀作だと思うので、未見の人はどうぞ。
 

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image0950.png公開年:2006年 
公開国:ドイツ、フランス、スペイン
時 間:147分  
監 督:トム・ティクヴァ
出 演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン、アンドレス・エレーラ 他
受 賞:【2007年/第20回ヨーロッパ映画賞】撮影賞(フランク・グリーベ)、エクセレント賞(ウリ・ハニッシュ プロダクションデザインに対して)
コピー:それは、昨日まで人だったもの。

18世紀のパリの魚市場で産み落とされ、危うく捨てられかけた赤ん坊は、グルヌイユと名付けられて育児所に引き取られる。グルヌイユは孤独だったが、超人的な嗅覚の持ち主。青年となった彼は、ある少女の体から匂い立っていた香りに魅了され彼女を追ったが、怯えて悲鳴を上げようとした少女の口をふさぎ、誤って殺してしまう。以来、彼は少女の香りを再現することに執着し、香水調合師バルディーニに弟子入りするのだが…というストーリー。

ここのところソフトな作品ばかり観ていたが、大晦日にエグいのにいきました。本作を観るのは、今回で三回目。

金銭欲やら名誉欲や性欲やら、世の中色々欲があると思うが、本作の主人公のように特異な肉体に宿った能力の趣くままに突き進むのも、人間の業、煩悩である。除夜の鐘で祓っていただきましょう(笑)。

香りという目に見えないものを表現しなくてはいけないところが、本作を制作する上で難しい点だったと思うのだが、CGを極力使わずに、風や演者の表情などでうまく表現できており、私は評価する。

香りに執着する主人公に目がいってしまうけれど、処刑シーンで香りに翻弄される民衆の姿が、本当に描きたかったシーンではなかろうかと私は思っている。人間は、自分の意思で行動できていると思っているだろうが外的要因によって、実意識にコントロールされ、コントロールされていることに気付きもしない。それは、現代であっても同じで、実は何かの熱に犯されているだけなのに、それをもっともらしい言葉で正当化している馬鹿な人間を、笑っているのである。
#私は、強烈なキャラの主人公だが、所詮は狂言回しだ…くらいに思っている。

ラストは好みが別れるところだとは思うが(知り合いは生理的に受け付けなかったようだ)、私は好き。社会性が欠如していた主人公が、社会と自分の関係を始めて意識して、自分の存在意義に絶望したということだろう(元々、世界を支配できる香りなんて、香り自体に興味があっただけで、世界の支配に興味なんかなかったわけだし)。

未見の人は是非観て欲しいと私は思う。エグい表現でコーティングされているが、その裏で語られているものが、覗ければ幸いである。

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image0986.png公開年:1990年 
公開国:アメリカ
時 間:118分  
監 督:ジョナサン・デミ
出 演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、テッド・レヴィン、アンソニー・ヒールド 他
受 賞:【1991年/第64回アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、主演女優賞ジョディ・フォスター、監督賞(ジョナサン・デミ)、脚色賞(テッド・タリー)
【1991年/第41回ベルリン国際映画祭賞】監督賞(ジョナサン・デミ)
【1991年/第57回NY批評家協会賞】作品賞、男優賞(アンソニー・ホプキンス)、女優賞(ジョディ・フォスター)、監督賞(ジョナサン・デミ)
【1991年/第49回ゴールデン・グローブ】女優賞[ドラマ](ジョディ・フォスター)
【1991年/第45回英国アカデミー賞】主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、主演女優賞(ジョディ・フォスター)
【1991年/第34回ブルーリボン賞】外国作品賞

若い女性の皮を剥ぐという猟奇連続殺人事件が発生し、捜査に行きづまったFBIは、元精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクターから情報を得ようとする。訓練生ながらその任に選ばれたクラリスは獄中のレクターに接触し、レクターはクラリスが、自分の過去を話すという条件付きで、事件究明に協力するが…というストーリー。

今となっては映画やドラマにプロファイリングが登場しても何の違和感もなくなった。そういう作品を何本も観て、ふと原点に返りたくなった(もう本作は過去に数度観ているけれどね)。
原点というけれど、本作の前に同じトマス・ハリスの原作『レッド・ドラゴン』を映画化した『刑事グラハム/凍りついた欲望』があるよね?という声が聞こえてくるかもしれないが、やはり世界に多大なインパクトを与えたのは本作であり、この成功がなければ、以降、こんなにプロファイリングやシリアル・キラーが題材として扱われたかどうかは疑問なくらいである。私の好きな米ドラマのクリミナル・マインドも無かったかも。

BGMのすばらしさ、アンソニー・ホプキンス、ジョディ・フォスターの演技のすばらしさ、編集のすばらしさ、シナリオのすばらしさ(特に、レクターが脱出を試みるあたりからの、大波小波の連続攻撃には感服する)。完璧に近いデキではなかろうか。再度観て改めて実感するが、映画史に燦然と輝く一本。私に映画のベスト10を作れといわれれば、まずランクインさせるだろう。

この手の映画にはグロい表現がつきものだが、本作を今観ると、それほどグロくはない。それがまた逆に想像力を掻き立てて効果倍増だった(チラリズム理論だね)。そういうただエスカレートした表現に、さほど効果がないのだなと勉強になった。あまり意味が未見の人は少ないと思うが、そういう人がいるならば、今からレンタルショップにいって欲しい。是非・是非。

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image0856.png公開年:1994年  
公開国:アメリカ
時 間:119分  
監 督:オリヴァー・ストーン
出 演:ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、ロバート・ダウニー・Jr、トミー・リー・ジョーンズ、トム・サイズモア、ロドニー・デンジャーフィールド、エド・マックラーグ、デイル・ダイ、サルヴァトール・ゼレブ、リチャード・ラインバック、バルサザール・ゲティ、ラッセル・ミーンズ、プルイット・テイラー・ヴィンス、スティーヴン・ライト、ピーター・クロンビー、ジョー・グリファシ、ポール・ディロン、ジェームズ・ギャモン、マーク・ハーモン、アーリス・ハワード、デニス・リアリー、レイチェル・ティコティン  他
受 賞:【1994年/第51回ヴェネチア国際映画祭】審査員特別賞(オリヴァー・ストーン)、イタリア批評家賞[女優](ジュリエット・ルイス)
コピー:メディアが創ったスーパースター

運命的出会いをしたミッキーとマロリーは、各地で殺害を繰り返しながら逃走。そんな2人をTVが報道し、それを見ていた人々は、彼らをヒーローとして崇め奉るようになってゆく…というストーリー。

オリヴァー・ストーンらしくないと思うが、原案がクエンティン・タランティーノということで納得。端々で見られる奇抜な演出は、彼の影響ということだろう。ちなみに本作はパルプ・フィクションと同年の作品である。
マロリーの家でのやりとりのシーンで、シットコムの音声を重ねる演出など、なかなか奇抜でユニーク。このような実験的な演出が頻発されるが、すべて効果的(当時はかなり新鮮に映ったことだろう)。
ジュリエット・ルイスの演技の狂気っぷりも、本作の趣旨にぴったりである。もう、他の作品に使いづらいんじゃないかと心配になるくらいだ。

ところが、逮捕されて、トミー・リー・ジョーンズが登場してからの後半は、まったく別のノリになる。急にテンポが悪くなりつまらなくなる(トミー・リー・ジョーンズのせいではない)。別人が脚本を書いたのか?と思うぐらい違いがある。

あまりに違うのでちょっと調べてみると、オリバー・ストーンが、タランティーノの意図とは異なる大幅なストーリーの変更を行って、彼を怒らせたとのこと。どこが変更された部分なのかはわからないのだが、おそらく後半だろう。たしかに、タランティーノ以外の2名が脚本にクレジットされている。本当に脚本家が変わっていたのだ。その結果、前半・後半のつながりでいうと、ネイティブ・アメリカンを殺したことへの後悔のくだりは、なんの意味もなくなってしまっている。
暴動で脱出するくだりも、偶然の感じが強くて、彼らのキャラクターが死んでしまった(その分、派手に暴れただけになった)。

ひとつフォローしておくと、この作品の終わらせ方は、基本的に難しいと思う。観ている途中から、どうやってこれに始末をつけるつもりなのか、非常に注目していた。『俺達に明日はない』的な玉砕パターンは、容易に想像できるところだが、その場合よっぽど奇抜な工夫をしないと、凡作に終わってしまう。
タランティーノの元シナリオが、いいモノではなかったため、しかたなく変更したという可能性も否めない(確認しようがないからね)。

しかし、変えた結果として、凡作になってしまったというのも事実で、もったいない作品なのである。

殺伐としていてクレイジーで好みの分かれるところだと思うが、ひとつの時代のトガった作品として、その前半は一見の価値はあると思う。作品全体としては、過度な期待さえしなければ、それなりに楽しめることだろうが、無理にでも観る価値はない。

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image1015.png公開年:1999年  
公開国:アメリカ
時 間:139分  
監 督:デヴィッド・フィンチャー
出 演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム=カーター、ミート・ローフ・アディ、ジャレッド・レトー 他
ノミネート:【1999年/第72回アカデミー賞】音響効果編集賞
【2000年/第9回MTVムービー・アワード】格闘シーン賞(エドワード・ノートン:自分自身との対決に)
コピー:危害、破壊、石鹸。

自動車会社のリコール調査員をしているジャックは不眠症。病的なまでにお洒落な雑誌に出てくるような私生活をおくっているが、その心は満たされない。そんなある日、出張中に自宅が爆発。出張中の機内でであった石鹸行商人タイラー・ダーデンに助けを求めた。そして、テイラーに導かれるまま、謎の秘密組織「ファイト・クラブ」のメンバーになるが…というストーリー。

私は『ファイト・クラブ』を、年に一回は必ず観てしまう。今まで何度観ただろう。突然無性に観たくなるのだが、自分でも理由は不明だ。ただ、私は本作を、シナリオの教科書だなと、思っている。『シックス・センス』だと、オチがわかった後に観るとしても答え合わせ的に一回みるくらいでしょ。この映画はオチがわかっても、それ以外の仕掛けが面白いので、何度も観れる(私は)。

満たされない自分から脱却するために、別人格をつくって実現し、それに気付いて対峙するまでが、ストーリーの主筋だが、その間に何をもってくるかが、絶妙なのだ。病人の互助グループ。自動車リコールの調査員。石鹸の原料の入手法。ファイト・クラブメンバーへの宿題…等々。
おそらくこれらは原作の段階で盛り込まれているのだろうが、デヴィッド・フィンチャーも良くまとめている。

本作は、自分でも何でここまで好きなのか整理できていないので、お薦めするとかしないとか偉そうなことは言わない。全然、受賞していないけど、私は見る度に賞をあげてるよ。

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プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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