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image1845.png公開年:2009年
公開国:ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア
時 間:144分
監 督:ミヒャエル・ハネケ
出 演:クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール、フィオン・ムーテルト、ミヒャエル・クランツ、ブルクハルト・クラウスナー、ライナー・ボック、スザンヌ・ロタール、ウルシーナ・ラルディ、シュテッフィ・クーネルト、ヨーゼフ・ビアビヒラー、ブランコ・サマロフスキー 他
受 賞:【2009年/第62回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(ミヒャエル・ハネケ)
【2009年/第44回全米批評家協会賞】撮影賞(クリスティアン・ベルガー)
【2009年/第76回NY批評家協会賞】撮影賞(クリスティアン・ベルガー)
【2009年/第35回LA批評家協会賞】撮影賞(クリスティアン・ベルガー)
【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】外国語映画賞
【2009年/第22回ヨーロッパ映画賞】作品賞、監督賞(ミヒャエル・ハネケ)、脚本賞(ミヒャエル・ハネケ)
コピー:美しい村 静かな暮らし 聴こえてくる魔物の足音

北ドイツの田舎にある男爵が支配する小さな村。村に一人だけいる医師が落馬して大怪我をおってしまう。道に張られていた細い針金に馬が足をかけてしまったからだ。その後、村の製剤所で女性が事故死。さらに、男爵のキャベツ畑が荒らされたり、男爵の子供が行方不明になるなど、不審な事件が相次ぐのだが、それらの犯人は一切わからないまま、村人の間に重く不穏な空気が立ち込めるのだった…というストーリー。

恐ろしいことがおこるのだった…と煽るけど、たいしたことはおこらない。まあ、確かに人は死んだりするけど、そりゃ田舎の村だって事故くらいあるだろうて。続けて、もっと恐ろしいことがおこるのだった…と、重ねて煽るのだが、やっぱりそれほど恐ろしいことはおこらない。医者の生活、男爵の生活と荘園の農夫たちの生活、牧師の生活が、あまり絡むことなく並行して紹介される。まあ、どんな家庭でもいろいろあるでしょ。
まあ、徐々にストレスを重ね上げていく演出なんだろうけど。

『ファニーゲーム』のミヒャエル・ハネケ作品だが、これでもかーこれでもかーっていう演出はトリアー監督と似ているようだけど、決定的に毛色が違う。人間の悪の行いに理由なんかない。でも間違いなくそこかしこに存在する。そして、その悪が裁かれるとも限らないし、被害者がいつか報われるとも限らない…ってスタンスを徹底的に貫いている。

子どもたちに対する抑圧。そして彼らの抵抗。そういうプロットなので、犯人は子供ということだ。だってタイトルの白いリボンは子供たちに大人が結びつける、無垢の象徴であり罰なのだから。混乱するのが、劇中におこる事件のすべてが子供たちが犯人ではないってこと。地主のキャベツ畑が荒らされた事件はあきらかに子供の仕業ではないし、納屋の火事も、農民の妻の死も違うだろう。犯行の動機も一切わからないんだけど、抑圧された子供たちが生み出した“絶対悪”ってことだな。

ナレーションの声の主がだれなのか15分くらい経って、やっと教師だということがわかる。でも、ずっと教師目線で話が進むわけでもない。一人称で語るくらいなんだから、もっと事件に噛んでほしいのだが、最後の方になって急に探偵さんみたいにかぎまわりはじめる。それまで事件のことに無関心なくらいだったのにね。で、この教師は、家庭教師をクビになったエヴァとの恋愛に夢中。陰湿な殺人とは全然関係ないエピソードに意味があるのか?と。
まあ、後から考えると、なんでエヴァは森にいくのを嫌がったか。森は子供たちの溜まり場。エヴァは年齢も若いし家庭教師だった。彼女が子供側にいるのか、近いポジションだから知っているだけのかは微妙なところだが、とにかく子供たちが犯人であることを知ってるわけだ。

世の中の評価が高いのは事実。でも、私は微塵も面白いと良いと思わなかった。本作に漂う“悪の霧”みたいなものが、やがて本作の舞台を襲うナチス禍に繋がるのだ…って、ヨーロッパ人にどれだけトラウマがあるか知らんけど、ナチスナチスっていってりゃ、人間の底なしの闇の表現になると思ってるのか。ああ、深い作品だなぁ…ってなると思ってるのか。この村に漂っていたような空気がナチスを産んだという主張なら、それは私は賛同しない。子供を抑圧すると、ナチスみたいなのを作る土壌になっちゃうんだぞーってか?そんな単純なわけないだろ。その短絡的なロジックがあからさますぎて、鼻についた。

正直、一回で消化し切れなかった。あとから邂逅すると、ああそういう意味か…と繋がる部分も多々あるけど、色々不親切すぎるんだよ。面白くかんじるどころか、まったくもって不快になったのだが、多分もう一回観て整理することになると思う。
私の頭が悪いだけだとは思うけど、混乱させたまま終わる上に面白くも感じさせず、でもモヤモヤするからもう一回観させるなんてのは、根本的にはダメな映画だと思うよ。やっぱり映画は娯楽だからねぇ。だから、私は通ぶって“すごい映画だ”なんてことは言わない。

#一番ギョっとしたシーンは、医師が愛人の助産婦に暴言を吐くシーン。でも、“よっぽど臭かったんだと思う”よ。うん。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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