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imageX0038.Png公開年:1962年
公開国:日本
時 間:88分
監 督:市川崑
出 演:鈴木博雄、中村メイコ、船越英二、山本富士子、浦辺粂子、渡辺美佐子、京塚昌子、岸田今日子、倉田マユミ、大辻伺郎、浜村純、夏木章、潮万太郎 他
受 賞:【1962年/13回ブルーリボン賞】監督賞(市川崑『破戒』に対しても)




都営団地に住むサラリーマンの小川五郎・妻千代夫婦の間に一人息子・太郎が生まれる。両親の愛情をうけて、すくすくと育っていくが、息子のやんちゃっぷりに一喜一憂する毎日。特に妻・妻千代は、のんきで不器用でピリっとしない夫にイライラしながら、初めての子育てに悪戦苦闘するのだった。ある日、五郎の母親と暮らす兄夫婦が大阪に転勤することになる。老いた母を一人にすることができない五郎、そして狭小な団地暮らしにうんざりし始めていた妻千代は、郊外の一軒家に引っ越すことを決めるのだったが…というストーリー。

市川崑作品と言えば、金田一シリーズみたいに死ぬだ殺すだといったストーリーばかりで、こういう作品を観るのは初めてかも。キャストは『黒い十人の女』とかなりダブっているね。引越しのゴタゴタとか、母親の葬式とか、予測のつくシーンはサラッとスルーする編集の構成のキレの良さは、さすが市川崑って感じ。
驚くべきことに、元は育児書で、それを膨らませて映画に仕上げてしまったという奇作。脚本家は市川崑の嫁さんの和田夏十だけど、彼女の功績なんだろう。

50年前の日本。一般家庭にTVのない時代。でも、これが間違いなく現在の日本の基点なのだが、異なる点が非常に興味深い。
二重が未形成の人が多い。京塚昌子みたいな体型の女性は少なくなった。主人公の妻も顔がしゅっとしてるから細いのかとおもいきや、骨格はものすごい太いし低重心。日本人女性の体型は激変している。しかし、動物園の雑踏を見る限り男性の体型は意外に変わってない。
フィジカル面以外でも色々。看護婦の白衣が汚い。唾つけて顔拭くばばぁとかいなくなったね。

このように田舎から出てきて団地暮らしをすることが、新興宗教の台頭の下地になったと思う。子供を増やすことを嫌がっているのは50年前から一緒。少子化が最近の傾向だと思っているのが間違いだってことだろう。傾向としては今も一緒なんだけど、育児・生活のコストが相対的に上がってるてことだと思うよ。

この作品は三世代が同居するのが理想といいたいようだが、実際そのとおりだと思う。だけど、実際は諸々の問題が生じる。本作では無知な姑の毒で家庭がうまくいかない。生活が安定しているジジババが近くに住むっていうのが理想形。でも、そういう流れがいいとはわかっていても、そのジジババ世代は学生運動世代で、頭のおかしいの毒親が半分以上。実際は成功しない。日本は未だに理想的な家族の形を模索している段階、それが50年以上続いてるってことだね。
作品自体のオモシロさというよりも、今となっては社会学的な価値が高い作品。わざわざレンタルして観るような作品でもないんだけど、BSやCSでテレビ放送があったときは是非どうぞ。

ちょっと私の性格が悪いのか、演出上の意図なのかもしれないけど、この主人公夫婦の子供が、全然かわいく感じられない。泣きはじめると、グーパンチしたくなるのよね。
#満月に浮かぶ浦辺粂子の顔がひたすら怖いわ…

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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