忍者ブログ
[993]  [992]  [991]  [990]  [989]  [988]  [987]  [986]  [985]  [984]  [983
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

imageX0052.Png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:137分
監 督:クリント・イーストウッド
出 演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス、ジュディ・デンチ、エド・ウェストウィック、デイモン・ヘリマン、スティーヴン・ルート、ジェフリー・ドノヴァン、ケン・ハワード、ジョシュ・ハミルトン、ジェフリー・ピアソン、ジェシカ・ヘクト、ジョーダン・ブリッジス、ジャック・アクセルロッド、ジョシュ・スタンバーグ、クリスチャン・クレメンソン、ビリー・スミス、マイケル・レイディ、ジェフ・スタルツ、ライアン・マクパートリン、ダーモット・マローニー、ザック・グルニエ、リー・ココ、スティーヴ・モンロー、アーネスト・ハーデン・Jr、ショーン・マーフィ、ゲイリー・ワーンツ、デヴィッド・クレノン、マイケル・オニール、エリック・ラーキン、マヌ・インティライミ、エミリー・アリン・リンド、ジェイミー・ラバーバー、リー・トンプソン、アマンダ・シュル、クリストファー・シャイアー 他
ノミネート:【2011年/第69回ゴールデン・グローブ】作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、メイクアップ賞
コピー:だれよりも恐れられ、だれよりも崇められた男。

1919年。ソビエト連邦の建国による世界的な共産主義の高まりの中、アメリカ国内でも共産主義運動や労働争議が活発化。過激な行動に出る者も現れ始め、ついには司法長官宅が爆破される事件まで発生する。それを受けて、司法省は過激派対策の特別捜査チームを編成。司法省に勤務していたフーバーは、24歳にして責任者に抜擢され、後にFBIの前身である司法省捜査局の長官代行となる。かねてより、全国民の個人データを集約して犯罪捜査に役立たせようという構想をもっていた彼は、同時に科学を捜査に応用するなど、これまでになかった手法を活用することで、数人のチームにもかかわらず、過激派のアジトを急襲、大勢の過激派を逮捕することに成功するのだったが…というストーリー。

フーバーという人間は、孤独で偏執的なキャラクターだが、その志は理解できなくもなく、興味深い人物だ。しかし、その手法には、首を傾げざるを得ない。敵が過激派だろうとなんだろうと、結局は、民主主義の基本中の基本であるデュー・プロセスを逸脱したことには代わりが無い。

共産主義が安全を脅かす!という名目だが、結局はもっともらしい顔をしつつも、臆病さを隠すために過剰な反応をしただけのことである。それに、“敵”とみなした“共産主義”自体が何なのか、実のところ彼らは良く判っていない。正しい姿がわからないものとどう戦うというのか。妄想を爆発させるだけ。エドガーたちの行動はまさにそれ。

こう考えると、アメリカが強行に武力を行使するのは、その内なる臆病さに端を発していることがよくわかる。そう、それは世界の警察として、あらゆるトラブルに首を突っ込むかれらの根底には、臆病があるということなのだ。よく軍需産業による経済効果云々という話が出るが、実は関係ない。アメリカが銃社会から脱却することも、同じ理由で今後もありえない。アメリカ人は、究極的に臆病なのだ。

そしてエドガーも同様の臆病者ながら、他の臆病者に付け込んで、権力を簒奪することに非常に長けている。いや、だれよりも臆病者だから臆病者の心の中がわかると言ったほうが正しいだろう。
加えて、マザコンで外国人差別主義者でゲイで出歯亀でギャンブル好きで服装に異常にうるさいんだぜ。おまけにゲイの相手は副長官なんだぜ。まさに怪人。こういう欠陥人間じゃないと、事は成せないといういい例かもしれない。

大統領以上の期間、それ以上の権力を持つ地位が存在すること自体が、アメリカ民主主義の欠陥である。この欠陥は、大日本帝国憲法の軍部大臣現役武官制と元老院制度とどうレベルの欠陥である。
FBIの設立、リンドバーグ法。伝記映画としては非常に優秀…というか、アメリカ人なら知っておかねばいけない事が満載だ。中央に情報を集中するのは結構だか、中央が間違えばすべて間違う。その諸刃の剣こそ、イラク戦争を産んだ。

娯楽作ではないし、受賞歴も芳しくないが、ものすごく意義のある作品だと思う。現在のアメリカの4分の1は、この映画に描かれている事柄が形成しているとすら感じるほど。伝記映画として優秀で、観るべき良作だと思う。ただし娯楽作品だと思って観始めると眠りに堕ちるのは必至。

ディカプリオの演技は、悪くないと思う。クリント・イーストウッドとのコンビにもかかわらず、ここまで評価されないというのは、実に不思議だな。同文化圏の人間には不快に感じられる何かがあるとでもいうのだろうか。

#最後のヘレンの行動が、かろうじてフーバーの志の高さを証明している…そんなところか。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]