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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:100分
監 督:松本人志
出 演:森南朋、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美、前田吟、YOU、西本晴紀、松本人志、松尾スズキ、渡部篤郎、リンジー・ヘイワード、美知枝、奥村佳恵、永池南津子、桑原麻紀、播田美保、護あさな、吉田優華、安藤輪子、小木茂光、北見敏之、高橋昌也、松浦祐也、林田麻里、佐藤恒治、佐藤貢三、日野陽仁、淵上泰史、中村直太郎、野中隆光、小高三良、吉川まりあ、奈之未夜、深谷美歩、太田順子、中村真綾、川口圭子、荒木誠、杉崎佳穂、松田百香 他
コピー:父はM。


都内家具店に勤務する片山貴文。1年前に妻が意識不明となり入院しており、一人息子と二人暮らし。たまに妻の父親が様子を見に来てくれている。ある日、ふらりと立ち寄ったビルの一室にある“ボンデージ”というSMクラブに入会してしまう。その店が提供するサービスは、いつやってくるかわからない女王様の責めを受けるというもので、契約期間は1年。決して途中退会は許されないという。以降、さまざまなタイプの女王様たちが、片山の日常生活の中に現れ、彼がこれまで味わったこのとない快感の世界へと誘うのであった。はじめは、街角や飲食店に出現していたのだが、職場や家庭にまでやってくるようになり、とうとう耐えられなくなった片山は、契約の解除を申し出るが、もちろんそれは受け入れられない。そんな中、誤って一人の女王様を殺してしまい…というストーリー。

劇場公開が予定より早く終わってしまったり、客が2、3人しかいないなんてレポートされていたり、評判は散々だった本作。でも、結果を先にいってしまうと、いままでの松本人志監督作品の中では、一番マトモだと思う。

問題は、やはり“チョケかた”が醜いということ。松本作品の難点は毎回コレだ。
後半は、このお話が齢100歳を迎える大御所監督による作品で、その理不尽な内容に関係者が辟易するという、メタ視点の作品にパラダイムシフトする。はっきりいうが、映画でメタ視点を用いるのは、難しい。成立させるためにはものすごい高等テクニックが必要なのである(もちろん、本作で、それは成功していない)。
あえて難しいノリの挑戦したから、多少うまくいかなくても大目に見てよ…という了見なら、納得できないし、メタ視点を扱う難しさに気づいていないとすれば、それはそれで才能に疑念を抱かざるを得ないし、どっちにころがっても問題アリ。

絶対に松本人志は認めないだろうけど、この大御所監督が作った映画…という設定を捨てて(R-100というタイトルの根源がここにあるので、絶対に捨てないとは思うけど)、素直にこの謎のSM店に翻弄される男の話を最後まで描き切ってほしかった。

“ボンデージ”という組織の荒唐無稽さとか、丸のみ女のリアリティの無さなど、そんなことはお構いなしで作りきればよかったと思う。場面を変えて、業界の人に「わけがわからない」と言わせるなんて、“逃げ”“言い訳”にしか見えない。非常に恰好の悪い演出だと思う。

片山という男のドラマが、老人の作った映画だ…とする演出は、不条理を不条理のままとしておけなくなったことを表す。不条理を「なにが悪いの?」を悪びれずにそのまま世に出すのは、強い精神力が必要だ(精神を壊すギャグ漫画化が多いのもそのせい)。それができなくなったのは、松本人志が老いた証拠なのかもしれない。
松本人志がその老人監督のように不条理おかまいなしに作品を作れるのはいつの日だろう。もしかして本作は、100歳になるまで無理!という、松本監督の告白だったのだろうか。それなら、もう映画はやめたほうがいいのかも。

最後にフォローするけど、私はこの片山のドラマは好きだ。

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