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image2173.png公開年:1965年
公開国:日本
時 間:90分
監 督:本多猪四郎
出 演:ニック・アダムス、高島忠夫、水野久美、ピーター・マン、土屋嘉男、志村喬、田島義文、沢井桂子、沢村いき雄、向井淳一郎、古田俊彦、佐田豊、渋谷英男、山本廉、加藤春哉、中山豊、大村千吉、西条康彦、石田茂樹、津田光男、広瀬正一、野村浩三、岡部正、橘正晃、桐野洋雄、田崎潤、大友伸、佐原健二、藤田進、伊藤久哉、中村伸郎、小杉義男、緒方燐作、納谷悟朗 他



第二次大戦末期。河井大尉は、沈没したドイツの潜水艦から入手した人造人間フランケンシュタインの心臓を、極秘裏に運び込んだ。日本軍はその細胞を研究し、不死の人間兵士の開発を目論んでいたのだ。しかし、直後に原爆が投下され、その心臓は消失。その十年後、広島に家畜などを襲う怪童のニュースが流れ、ほどなくして捕獲される。広島衛戍病院にて細胞組織の研究をしているボーエン博士と同僚の川地と戸山李子の三人は、怪童を預かり調査を行うと、白人であり異様に放射線に強いことが判明。人語を解さず凶暴な振る舞いをすることから、拘束して飼育することにしたが、怪童は日増しに巨大化。その姿に報道関係者の注目し、取材が押し寄せると、その騒ぎに激昂した怪童は檻を破壊し逃亡するのだった。檻には拘束具から逃れる際に千切れた手首が残されていたが、その手首は床を這い回っていた。手首は蛋白質の供給さえ途切れなければ単独で生存が可能で、それはまさに怪童がフランケンシュタインであることを意味していた。その後、フランケンシュタインは岡山、姫路などで家畜を食い荒らしながら東進。市民を恐怖に落としいれていた…というストーリー。

くだらない特撮だろうと思っていたら、なかなかの力の入れようで圧倒される。映画史的には、初に日米合作怪獣映画ということで、気合充分ということか。ゴジラの東映スタッフによるバリバリの操演と特撮技術は、いまさら言及するまでもなし。バラゴンの造形も優れており(背中の排骨みたいなデザインも良い)、今でもフィギュアが販売されるくらい。

1965年当時の原爆ドーム近辺の様子が収められているが、これがなかなか味わい深い。もうすでに原爆記念館はできているが、川の護岸の状態も違うし、公園の整備の具合も違うし、もちろん周囲の街並みは異なる。しかし、今行くと本当にここに原爆が落とされたのか?と思うくらい普通の都市だが、本作の映像ではなんとなく“爪あと”みたいな空気が漂っているように感じられる。
宮島のシーンもあるが、こちらも整備の具合は異なるが、よく保存されているな…と改めて関心。
その後、岡山、姫路のシーンがあるが、こちらは知ってるところが、出てこないのでさほどピンとこなかったが、大阪城近隣が全然変わっていて驚き。タイムマシン気分が味わえる作品だ。

平成ガメラシリーズもご当地ムービー的な要素はあったけど、映像作品に、実際の街並みをしっかり収録するってのは、資料としてすばらしいことである。セットやCGでは味わえない価値がある。私なんか『仮面ライダーフォーゼ』のロケ地になった伏見稲荷に行って、映像と一緒でちょっと感動したもんなぁ。こういうタイアップはどんどんやるべき。

秋田にバラゴンが出現するという展開が、ご都合主義に思えるかもしれないが、元々、フランケンシュタインとキングコングが戦うという企画がアメリカから持ち込まれ、それが派生したものなんだから、そこは避けられない。ゴジラのように“怪獣”の存在意義が社会問題とがっちりリンクはしていないのはいささか残念だが、そこは原爆の子としてのフランケンシュタインが背負っているので大目にみよう。

高島忠夫演じる川地が、研究のためなら別にフランケンシュタインが生きてなくても、細胞の一部があればいいや…みたいな割り切っているキャラクター。かといってそれほど無慈悲なわけでもないという加減が面白い。あくまで、フランケンシュタインを人間として扱おうとする戸山李子とのコントラストがはっきりしており、その二人が同じチームで行動しているという設定が良い。
その後、バラゴンのやらかしかことが、フランケンシュタインのせいにされてしまうという展開になり、さらにバラゴンに襲われた川地はフランケンシュタインに助けられ、あら人間の心があるのね…という流れに。
広島を脱出するときも、やさしくしてくれた李子のマンションをそっと尋ねて、そっと去っていくというフランケンシュタインのシーンがあり、異形の怪物の悲哀を随所に散りばめている、なかなかのシナリオである。

DVDには、日本公開版と海外公開版の二種類が収められている。なにが違うのかと差を探したが、違いはラストシーンのみだと思う。海外版では、フランケンシュタインがバラゴンを倒した後に、唐突に大ダコが登場(?!)。フランケンシュタインともみ合いになり、海に落ちて、両方とも消息を絶ってしまうという内容。このタコの造形が無駄に(?)リアル。もう、そこまでやるんなら本物のタコでいいんじゃねえの?ってくらいだ。
日本版では、バラゴンを倒した後、地割れがおきて、引きずり込まれてしまうという内容。

どっちがいいってほど差はないのだが、さすがにタコの登場は唐突すぎるか。しかし、地割れのシーンもいまいち迫力がないし、せめて火山活動が活発になっていた…とかいう前フリでもあればよかったと思が、それはないので、こちらも唐突感は否めない。
まあ、“締め”がイマイチなのが、この作品の難点ってことなんだろう。その他は概ね良い出来映え。日本怪獣映画の中でトップクラスだと思う。
 

 

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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