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image1985.png公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:クリスティン・ジェフズ
出 演:エイミー・アダムス、エミリー・ブラント、ジェイソン・スペヴァック、メアリー・リン・ライスカブ、クリフトン・コリンズ・Jr、エリック・クリスチャン・オルセン、ケヴィン・チャップマン、スティーヴ・ザーン、アラン・アーキン、ジュディス・ジョーンズ、エイミー・レッドフォード 他
コピー:がけぷち姉妹、事件現場のクリーニング始めました。
一緒にいれば悲しみも洗い流せる

30代半ばのシングルマザーのローズ。ハウスクリーニングの仕事で8歳の息子オスカーを育てている。かつてはチアリーダーで学校のアイドルだった彼女は、自分はこんなはずじゃないという思いもあり、妹に息子を預けて不動産業の資格取得講座に出かけることもあるが、その一方で今は既婚者の学生時代の恋人とズルズルと不倫を続けている。妹のノラは、仕事が長続きせず、ほとんどニート状態。父親もまともに働こうとせず、一攫千金を狙って怪しい商売にばかり手を出して失敗を繰り返しているくせに、偉そうにローズに説教したり、任せておけと大風呂敷を広げたりする。そんな中、オスカーが学校で問題行動を繰り返し、転校を勧められてしまう。しかし、私立に通わせるお金などないローズは、不倫相手の刑事に事件現場を清掃する仕事を廻してもらい、嫌がるノラを引き込んで現場に向かうのだったが…というストーリー。

誰一人、まともな人は登場しない。見渡す限りマトモな人間がいない。ダメ人間の一発逆転ストーリーという感じではなく、追い詰められて開き直ったという感じ。

『ヤング≒アダルト』も、元々学校のアイドルだったのに、今は幸せじゃない女性が主人公だった。そして不倫に抵抗のないキャラクターであり、本当の愛というものを知らずに生きている。表面は悪くないが、実に痛々しいという共通点がある。だけど『ヤング≒アダルト』のほうは、37歳のバツイチのゴーストライターで、町の人々から蔑まれるのを極端に嫌って虚勢は張っているけど、生きる術はもっていた。自立はしている。
本作のエイミー・アダムス演じるローズは、母子家庭で能力なくマトモな仕事もない状態。なんで彼女が不動産の資格を取ろうとしているのか、背景がよくわからない。リーマンショックの前だから、不動産は簡単に稼げるという打算的な考えなんだろう。
追い詰められたにせよ、割りのよい仕事に飛びつくのは、父親似。父親は、非正規のルートで入手したエビを捌いて儲けようとしたり、山師的な遺伝子なんだろう。
妹は、ショックな出来事があった時期が悪くて、二人とは違って、無気力な人になっている。父親や姉よりも、心の中が整理できていなくて、だからこそ、清掃中に見つかった遺品を見て情が沸いてしまう。そっちは、ローズとはまったく別に話は進んでいく。

この映画は、事件現場のクリーニング作業のハウツー映画ではないので、『おくりびと』のようにテクニックや業界の仕組みを興味深く説明したりはしない。そういうものを期待して本作を観ると、がっかりするだろうから、断っておく。

シングルマザー、負け組、麻薬、不倫、親子関係の断絶、自殺と、不幸要素のあまりのテンコ盛り具合で辟易しちゃうくらいなんだけど、この軽い出来映えにまとまっているのは、すごいと思う。アメリカ社会において、ここ線まで脱落するのは、そう難しいことではない…というか、ツボが押さえられていないと簡単にこうなっちゃうんだろう。
これ、共感できない人には、まったく共感できない作品なんだとは思うけど、この作品を観て、わけわからんとか、何も感じないという人とは、多分、私は友達になれないんだろうな。他人からみたら、なんでうまくいかないか「ちょっと考えりゃ判るだろ…」って思うんだけど、本人はわからんものなのよ。

結局は母親・妻の死という傷が癒えていない家族のお話であることがわかる。ラストはローズも父も一歩を踏み出し、息子オスカーも普通の子になっていく気配(といっていいのかわからんが)を見せて、小さな希望を観客の心に沸かせて終わってくれる。まあ、普通に考えれば、想定でできたはずのオチなのに浮かばなかった。それほど、彼らの傷は、簡単に救えなさそうな感じだったからかな。姉妹がうまくいかない理由の発端の半分くらいは、父親にあるように見えるからね。彼が思い切った行動をしてくれたことが、ラストに光明を与えてくれた。

扱っている事柄は決して爽やかじゃないけれど、小気味良い作品。軽くお薦め。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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