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imageX0075.Png公開年:1983年
公開国:日本、イギリス
時 間:123分
監 督:大島渚
出 演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、ジャック・トンプソン、内田裕也、ジョニー大倉、室田日出男、戸浦六宏、金田龍之介、三上寛、内藤剛志、本間優二、石倉民雄、飯島大介、アリステア・ブラウニング、ジェイムズ・マルコム、クリス・ブラウン 他
受 賞:【1983年/第37回英国アカデミー賞】作曲賞(坂本龍一)
コピー:男たち、美しく…。


1942年、日本統治下にあるジャワ島の山岳地帯にある日本軍俘虜収容所。捕虜の英国陸軍中佐ロレンスは、日本の滞在経験があり、通訳を命じられていた。ある日の明け方、ロレンスは、軍曹のハラに起こされる。連れて行かれた閲兵場には、オランダ兵デ・ヨンと朝鮮人軍属カネモトが横たわっていた。カネモトはデ・ヨンの独房に忍び込み彼をレイプしたとのこと。あまりの不名誉な出来事に、ハラは上官への報告なしに独断で処分を行うことを決め、その証人としてロレンスに立ち会うように命じる。そこに、収容所長ヨノイ大尉が現れ、ハラを制止。自分がバビヤダで行われる軍律会議から戻ったあとに正式に処分すると告げ、出立する。ヨノイは、輸送隊を襲撃した後に捕虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズの裁判に出席。反抗的な態度を崩さないセリアズに、ヨノイは興味を抱き…というストーリー。

『日本の夜と霧』の流れで本作を鑑賞。
どうして日本はこんなことをしてしまったんだろう…という思いで、この作品は作られた…という解説を見たことがあるが、はっきりってそんなのは的外れだと私は思う。だって、この作品で描かれている日本軍が、それほどクレイジーには見えないから。
捕虜の扱いが非人道的だったっというが、他の戦争映画を観たってこれと同じかこれ以下である。ヨノイの乱心は演出上の問題だから別として、この部隊の捕虜の扱いはむしろ良いように見える。そして、ジョニー大蔵演じる朝鮮出身のホモ軍人。おそらく“カネモト”という名前は、日本が押し付けた名前だといいたいのかもしれないが、ちょっと調べれば判ることだが、“創氏改名”っていうのは、「氏」を作ってもいいよ、「名前」を変えてもいいよっていう許可だからね。日本風の名前にしたければどうぞってこと。そしてその朝鮮人は日本っぽい名前をつけたんでしょ。
もしかして朝鮮人は軍の中でもヒドイ扱いを受けていたと主張したいのかもしれないが、差別されるどころか同じ軍隊で同じように階級を与えられているじゃないか。これを平等といわずしてなんというのか。

そういう、日本叩きをしたくてしたく仕方が無いのに、結果として全然それができていないところが、この映画の“ぼやけ”に通じている。結局は、『日本の夜と霧』の劇中で繰り広げられた自己批判と総括を同じレベル。これが戦争の真の姿だと? 私にはよくわからない。

劇中、ローレンスが語る、日本全体は憎むけど、日本人個人個人は憎めないというセリフや、戦後のエピローグでのローレンスとハラの会話は「どっちも犠牲者」という内容に終始する。
まるで、集団としての日本の悪行の当然の帰結であって、個人は悪くないんだ…といわんばかりだが、まさかABCD包囲網を知らんわけでもないだろうし、東京大空襲も原爆投下も立派に国際法違反だぜ。大体にして舞台となった東南アジアは、イギリスとオランダの植民地で、そっちはそっちでその利権を守ろうという戦いだったじゃないか。そこから目を背けた演出なんて、絵空事にしかうつらないわな。

そういう浅い知見を削ぎ落としたら何が浮き彫りになってくるのかといえば、ゲイ表現である。いや、むしろそればかりが見えてくる。男と女の間に友情はあり得ないってのと同じノリで、男と男の間の愛情はこうやって涵養されるものだよ…って言っているように見える。だけど、なんだかわからん。

その後、左翼のポンコツ理屈なんかが簡単に通らなくなった世の中で大島渚が生み出したのは『御法度』。結局、内ゲバ的なエログロとゲイ表現しか残らなかったのではないか。これが大島渚の限界だった。
この作品が作品たりえているのは、ビートたけしと坂本龍一というキャスティングの勝利。そして彼の音楽、それがなければ駄作だったろう。
シナリオ的にも、セリアズの“弟への後悔”というのが、イマイチ生かせてないしなぁ。

これは、坂本龍一の音楽のPVで、それにデヴィッド・ボウイとビートたけしと坂本龍一本人が出ているんだよ!と思ってみるとものすごく良質に感じられるよ。これと『ラスト・エンペラー』と『王立宇宙軍』のサントラは買って持っているんだ(あたりまえっちゃああたりまえだが、王立宇宙軍の音楽にすごく近い)。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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