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image1991.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:115分
監 督:アレクサンダー・ペイン
出 演:ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ロバート・フォスター、ジュディ・グリア、マシュー・リラード、メアリー・バードソング、ロブ・ヒューベル、パトリシア・ヘイスティ 他
受 賞:【2011年/第84回アカデミー賞】脚色賞(ジム・ラッシュ、ナット・ファクソン、アレクサンダー・ペイン)
 【2011年/第37回LA批評家協会賞】作品賞
 【2011年/第69回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]、男優賞[ドラマ](ジョージ・クルーニー)
 【2011年/第27回インディペンデント・スピリット賞】助演女優賞(シェイリーン・ウッドリー)、脚本賞(ジム・ラッシュ、ナット・ファクソン、アレクサンダー・ペイン)
 【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】主演男優賞(ジョージ・クルーニー)
 【2012年/第21回MTVムービー・アワード】ブレイクスルー演技賞(シェイリーン・ウッドリー)
コピー:ハワイに暮らしていても人生は<楽>じゃない!

ハワイ・オアフ島。弁護士のマット・キングは、妻と二人の娘たちを持ち、仕事に打ち込んできた。彼の一族はカメハメハ大王の末裔で、カウアイ島に先祖から受け継いだ広大な原野を所有しており、その土地を賃貸したり売買するなどして働くことなく生きることが可能だったが、マットは堅実だった父親の教えを守って、弁護士の収入だけで家族を養ってきた。そのため、家族には贅沢な生活をさせることができないことが、少し気がかりだった。彼の一族を裕福たらしめていた土地だったが、この度、土地管理委託権の期限を越えた土地に対して、個人所有を認めない法律に改正されることになり、期限内に譲渡しないとそれ以降売買することができなくなってしまうことに。マットは、弁護士という職業柄、土地の売却問題で一族の意見をまとめる大役をまかされていたが、これまで土地に手をつけてこなかった彼は、土地と自然を守りたい思いが強く、親族の願いとの間で思い悩んでいた。そんな中、妻のエリザベスがボート事故で意識不明の昏睡状態に陥ってしまう。これまで家庭のことは妻にまかせきりだったマットは、反抗期に入った10歳の次女スコッティの扱いに辟易。そんな介護生活に疲れはじめたころ、医師から妻の意識は戻らないと先刻されてしまう。そこで、全寮制の高校に通わせている長女アレックスを呼び戻したのだが、彼女からママは浮気していた”という事実を聞かされ…というストーリー。

結構シンプルなストーリーだと思ったのだが、改めてさわりを字におこしてみると、けっこうややこしいストーリーだ。
本作の監督は『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督なのだが、判りやすい演出ですっと腑に落ちる。こういうのはお得意なようだ。
静かながらも揺れる心の内面を表現するのも実にうまい。まさに本作にうってつけの監督だ。マットが、相手の妻の口にキスしたのって、どういうつもりだったのか。反撃のつもりかもしれないけど、これが精一杯っていう緩い反撃なんだよね。でも、彼の心の機微がよくわかる演出。こういう演出が盛りだくさん。

このストーリーがニューヨークで展開されたとしたらこうなったか? いや、似たようなシチュエーションの作品はたくさんあるだろう。でも、このハワイという舞台にものすごく効果的に働いている。冒頭でマットは、ハワイにリゾート気分なんか感じたことが無い、どこがリゾートだ…と否定するけれど、人の暖かさ、なにもかもとりあえず受け止めてくれる雰囲気、我を忘れるくらい激昂する前に一歩踏みとどまれる緩さ。こういう基盤の上で展開されるからこそ、比較的凡庸ともいえる設定なのに、味のある作風に仕上がっているといえる。
BGMはハワイ音楽で統一されているが、これが観ている側のイライラを吸収し、緩い時間に漂わせてくれる。

いつものプレイボーイだったり卒が無い男とは、ちょっと違う、仕事ばっかりで魅力はイマイチの男を演じるジョージ・クルーニー。どうひっくり返したってダンディなご尊顔なわけだが、格好の悪い男の役作りに腐心しているのが、妻が浮気していたことを知った途端に友人夫婦の家に走っていく姿でよくわかる。ものすんごくダサい走り方してるの。この走り方はしっかり計算された演技だとも思う。

長女の彼氏(?)シドが非常にユニーク。あのまま、ただのアホキャラで通してもよかったのだが、途中で、マットと心が通うポイントがあり、以降はマットをボスと呼ぶほどに。馬鹿はかわいい。また、思春期入りたてでほとんど子供の次女スコッティは、馬鹿ってわけじゃないが、気を引きたいのか馬鹿な行動を採ってばかり。この二人の馬鹿が、なかなかいい味を出す。長女アレックスだって奔放で、跳ねっ返りで扱いにくい。マットを含め、この4人が、それぞれお互いを、自分なりに不器用に慮るのがなんとも心に響くんだなぁ…。

オスカー作品賞は『アーティスト』が持っていったわけだが、私は断然本作の方が好み。LA批評家協会賞、ゴールデン・グローブでは作品賞を採ったけど、あえて避けたのかな。そういうバランス感覚とかスカしとかいらないわ。
『アメリカン・ビューティー』クラスの、中年男向けのファミリー映画の快作。これは、是非観てほしい作品。好き。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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