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公開年:2004年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:レニー・ハーリン
出 演:ステラン・スカルスガルド、ジェームズ・ダーシー、イザベラ・スコルプコ、レミー・スウィーニー、アンドリュー・フレンチ、ジュリアン・ワダム、ラルフ・ブラウン、ベン・クロス、デヴィッド・ブラッドリー、アントニー・カメルリング 他
ノミネート:【2004年/第25回ラジー賞】ワースト監督賞(レニー・ハーリン、あるいはポール・シュレイダー)、ワースト・リメイク・続編賞
コピー:「エクソシスト」の25年前──全ての恐怖はここから始まった。
第二次大戦末期。メリン神父は、任地のオランダでナチスの残虐行為を目の当たりにしたことで信仰を失い、神父を辞めてしまう。その後、古代史研究家として世界各地を旅していたが、やがてアフリカに流れ着く。そこで、古美術収集家を名乗る男から、教会遺跡の発掘に参加して、とある遺物を手に入れることを依頼される。発掘現場では、理想に燃える若き神父フランシス、女医のサラ、村の少年ジョセフと親交を深めていくが、やがてジョセフの周囲で奇怪な事件が発生しはじめ…というストーリー。
タイトルのとおり、『エクソシスト』の前日譚である。DVDレンタルが始まった当時にレンタルして観たのだが、お恥ずかしい話だが、その時は1作目の『エクソシスト』を観ていなかったという始末。ビギニングってことは発端が語られるんだろうから、そっから観ても問題ないでしょ?みたいなノリで。そのせいで、何が何やらよくわからず、つまらないと断定してしまていたのだが(すまん)、先日『エクソシスト』を観たので、改めて鑑賞したというわけ。
造型やメイクが安っぽいという人もいるのだが、逆に『エクソシスト』のレベルから乖離して変にリアルなのもどうかと思うので、私はこれでアリだと思う。1作目は超えられないな…なんてもっともらしく解説している人がいるけど、そんなのあたりまえじゃないか。1作目を超えるほうがレアでしょ(『T2』くらいでしょ、そんなの)。このシリーズには元々、怖いんだけどどこか笑えちゃう要素があったわけで、そういう意味では正統なシリーズ物といえるかと。
個人的に気になるのは、ナチスの扱い。こういう表現をしちゃうと彼らの行為は悪魔の影響のせいだ!って解釈が成り立っちゃうけど、それが気に喰わない。仏教的には、人間は仏の性質も邪悪な性質も、どちらも元々兼ね備えているのであって、それが発現するのもしないのも、個々またはその集団の責任であって、他人(悪魔)のせいにしちゃいけない。罪を憎んで人を憎まず的な結論になるかもしれないけど、そこにいたる思想的経過があまりにも異なる。
大体にして、ナチスとカトリックはかなり昵懇だったわけだし、誤解を恐れずに言えは、反ユダヤの御旗はナチスが考え出したように思われているけど元々はカトリックの思想だし、ヒトラー自体も経験なクリスチャン。こういうオカルト映画で簡単に触れていいレベルの話なのか?カトリック社会はそこを問題にしないのか?カトリック社会は、ナチスの所業は“悪魔の所業”で“人のせい”ではないと思っているのか?逆にそっちのほうが怖いよ。
神父に戻らないと1作目に繋がらないので、仕方がないんだけど、この程度のことで神父に戻れるか?私なら戻れない。ラストが、シャマラン監督の『サイン』そのまま同じだったんだけど、『サイン』では、単なる宗教レベルを超えた大いなる力を実感した故の復職であったのと比べると、かなり違いがあると感じる。やっぱり戻る理由がいまいちピンとこない。だから私は、ナチスのような社会的フィーバーじゃなくって、もうちょっと小さ目の架空の事件を扱った方がよかったのかな…と思う。
悪魔祓いというのはカトリックの風習なのであたりまえなんだけど、父なる神・イエス・精霊を称える三位一体“呪文”、これには他の宗派やムスリムの人は、半笑いになっちゃうよね。いくら布教の過程で土俗宗教を取り込んだといっても、カトリックは一神教の宗教ではなくなっていて、逆に土俗宗教化してしまっている。共産主義のほうが、よっぽど一神教に近いと思う。
閑話休題。
未見の人は1作目と連続して本作を観ることをお薦めする。世の評価はいまいちだけど、私はアリだと思う。シリーズ物としては佳作。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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