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image0260.png公開年:1966年
公開国:アメリカ
時 間:120分
監 督:フレッド・ジンネマン
出 演:ポール・スコアフィールド、ロバート・ショー、バネッサ・レッドグレーブ、オーソン・ウェルズ、ジョン・ハート、ポール・スコフィールド、スザンナ・ヨーク、ロバート・ショウ、レオ・マッカーン 他
受 賞:【1966年/第39回アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(ポール・スコフィールド)、監督賞(フレッド・ジンネマン)、脚色賞(ロバート・ボルト)、撮影賞[カラー](テッド・ムーア)、衣装デザイン賞[カラー](Elizabeth Haffenden、Joan Bridge)
【1966年/第32回NY批評家協会賞】作品賞、男優賞(ポール・スコフィールド)、監督賞(フレッド・ジンネマン)、脚本賞(ロバート・ボルト)
【1966年/第24回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]、男優賞[ドラマ](ポール・スコフィールド)、監督賞(フレッド・ジンネマン)、脚本賞(ロバート・ボルト)
【1967年/第21回英国アカデミー賞】作品賞[総合]、作品賞[国内]、男優賞[国内](ポール・スコフィールド)、脚本賞(ロバート・ボルト)、撮影賞[カラー](テッド・ムーア)、美術賞[カラー]、衣装デザイン賞[カラー]

ヘンリー8世は、王妃と離婚して宮廷女官のアン・ブーリンと結婚しようする。しかし、離婚にはローマ法王の許可が必要であり、許可を求めるためには、王妃との結婚自体が無効であることを証明せねばならず、それを主張するには、国内の議員たちの賛同、特に偉大な文学者として有名なトマス・モア卿の弁護が必要であった。しかし、トマス・モアは、その深い教養と信仰心ゆえに、頑なに王の要請を拒否し続け…というストーリー。

ヘンリー8世やアン・ブーリン側を描いた作品は多いと思うが(俗っぽくて下品な内容のほうが面白いからね)、それに反して高潔に生きたトマス・モア側を描いためずらしい作品。

その後、煙たがられながらも大法官になってしまたモアは、王の離婚問題をどう片付けるのか?モアは、法治国家の在りようを滔々と語っているけれど、当時としてはかなり先進的な思想の持ち主。結局、筋を通し続けるも、国王側はイギリス国教会の設立を行い、離婚にローマ法王の許可を不要にするというウルトラCを、傍観することになる(傍観というよりも、反対も賛成もしないという態度を貫き通すのだが…)。

はじめは、トマス・モアが高潔なのは結構なことだけれども、単なる反体制思想の持ち主にも見えなくも無い。しかし、家族まで苦境に立たされても、その行く添えを慮りながらも、決して信念を曲げない彼を応援したくなってくる。彼の“生き得ぬ世なら、生きようとは思わない”というセリフが、実にかっこよい。

教科書でチラリとしか名前を見ただけのトマス・モア(むしろ、本作では悪役のクロムウェルのほうが扱いは大きい)。別に新しい概念や事件をおこした人じゃないので、扱いは大きくは無い。でも、本作を観て、その人となりに、物凄く共感して尊敬してしまった。

日本でも第二次世界大戦時に、日帝に投獄されたことを自分の正当性の根拠にする人が散見されるが、そんなチンケなレベルとは違う。彼は執拗に抗った訳ではなく、淡々と主張を貫いただけ。それも理路整然と理性を失わずに。そして、いたずらにそれに対して誇りをもったりもしない。
映画を観て、尊敬できる人に出会えるとは思ってもいなかった。当時のイギリスのチューダー朝の状態や、国内の宗教・政治の状態がすんなりと腑に落ちる。教材としても一流の出来映え。とてもデキのよろしいお薦めの一本。




負けるな日本

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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