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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:126分
監 督:マーティン・ブレスト
出 演:ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン、ヤフェット・コットー、ジョン・アシュトン、デニス・ファリナ、ジョー・パントリアーノ、ロイス・スミス、リチャード・フォロンジー、ロバート・ミランダ、ジャック・キーホー、ウェンディ・フィリップス、ダニエル・デュクロス、フィリップ・ベイカー・ホール 他
ノミネート:【1988年/第46回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](ロバート・デ・ニーロ)
元シカゴの警察官だったジャックは、現在ロスで保釈人を連れ戻す仕事を保釈金融屋から請け負って生計を立てている。ある日、通称“デューク”と呼ばれるマデューカスという男を連れてくる仕事の依頼を受ける。マデューカスは、シカゴの麻薬王セラノの会計士をやっていたが、セラノの金を横領し慈善団体に寄付し逃げていた。その横領事件の公判まであと5日。ジャックは、ニューヨークの自宅にいるマデューカスを捕まえて飛行機でロスまで連れ戻そうとするが、マデューカスが飛行機恐怖症だといいはじめ、渋々列車で移動するはめになり…というストーリー。
展開がスピーディでスパートで開始10分でものすごく引き込まれる。飄々として軽妙な演技のデニーロだが、案外こういう役柄を演じることが少ないので、とても新鮮。本人も本当はこういう役をたくさんやりたいんじゃなかろうか。実に生き生きしている。
FBIも寄ってくる。マフィアも寄ってくる。デニーロ演じるジャックが、大きく動かなくても、周りがどんどん動いてくれる。『ペイバック』に近いノリ。
マフィアのセラノも、捕まえる対象のマデューカスも、保釈金融屋よりも高額の報酬を提示するんだけど、ジャックは頑なに断る。それは元警官として、犯罪人は罪を償うべきであるという高潔なポリシーがあるから。だけど一方で、こういう危険で不安定な仕事にも疲れていて、今回の報酬で保釈人探しの仕事から足を洗って、ささやかに喫茶店でも経営して、おとなしく暮らしたいとも思っている。
マデューカス自身、お金は持っているはずなのに、保釈金を保釈金融屋から借りているあたり、だれがマフィアがらみで自分の金なんか使うか!っていう彼の性格が良く表れている(まあ、元々は自分の金じゃないけど)。
このような、さりげないキャラの厚みの付け方がものすごくウマい作品だと思う。
そして、過去にマフィアからの買収を断って街を追われた男と、マフィアの金を横領して慈善団体に寄付した男の間に、次第にシンパシーが生まれていく。
同じ展開の繰り返しを予感させ、飽きかけたところで、新たな別の保釈人探し屋マービンが登場。まあ、最期までメイン級で絡んできて、ストーリー展開上重要な役割なんだけど、ちょっとグダグダのキャラで、唯一本作を安っぽくしているかな。
後半は、さらに同じ逃げて追われての繰り返しになって飽きかけてくるのだが、なんとか大捕物でまとめ上げ、最後は爽やかにシメて終わる。
(ちょっとネタバレくさいけど)最後に、時計と一緒に、わずかばかり残っている未練を捨てて、新しい人生に向かっていくのだが、小銭がなくてタクシーの乗れない。だから、真夜中に走って自分の部屋まで帰る。だから“ミッドナイト・ラン”なのね。まあ、アメリカらしいコメディ&ロードムービーなんだだけど、綺麗で爽やかな後味を残してくれた。お薦め。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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