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imageX0054.Png公開年:1964年
公開国:日本
時 間:108分
監 督:山田洋次
出 演:ハナ肇、桑野みゆき、清水まゆみ、水科慶子、藤山寛美、小沢栄太郎、犬塚弘、長門勇、三井弘次、渥美清 他





瀬戸内海沿いのとある小さな町。シベリアから帰ってきた安五郎は、淨念寺に寺男として転がり転がり込む。淨念寺の住職の長男はシベリアに出征しまま抑留されており、長男の嫁(ご新造さん)夏子は、帰還を待ち焦がれていた。安五郎は美しい夏子に一目惚れするも、手の届かぬ存在として秘に恋慕していた。やがて、腕っぷしのよい安五郎は、地元の有力者の娘と興行に来ていた怪力男との駆け落ち騒ぎを解決したり、工場の労働争議を解決するなどの大活躍をして、町の人気者になっていく。でも、安五郎はただたた夏子に褒めてもらいたい、その一心からの行動なのであった。しかし、町の勢力を反対派が握るようになって、安五郎に対する町の人々の目が冷たくなっていく。さらに、根も葉もない夏子との間を噂するものが現れ、浄閑寺への出入りうを禁止されるハメになり…というストーリー。

安五郎という人物は確かに学はないが、“馬鹿”とタイトルにするほどのものだろうか。何を指して馬鹿なのかわからないのだから、何を“まるだし”にしているのかもよくわからん。インパクトはあるけれど、このタイトルは内容と乖離している。まあ、それはそれとして…。

私は山田洋次という人の作品はどうも性に合わなくて、ほとんどみたことがない。寅さんですら、あまり観たことがない。ただ、本作の安五郎という人物像は寅さんの原型であることはわかる。簡単に言ってしまうと、いい年をこいて女性経験がないという、単に純情とかそういう次元を超えたレベルのキャラクター。
寅さんとか両さんとか、すごく人間臭いし、人並みに女性には惚れる。でも奥手といえるほど不器用で、その恋が成就することはない。結局、そこから脱却することができないので、いつまでたっても女性と深い仲になることはない。人間臭いくせに“妖精”というこのアンビバレントさ。外国映画では観かけることのない、日本独特のキャラ類型といえるかもしれない。

ヒロインの女性(桑野みゆき)のキュートさが異常。こんな女優さんが日本に存在したことを知らなかったことを恥じるくらいかわいらしい。

コメディの純粋なレベルとしてどうか?と聞かれると、なんとも答えにくい。だって、正直あまり笑えないんだもの。ただ、なんとも不思議な雰囲気が漂う。画面の中の世界は、戦後間もない小汚い世界であることに違いはないし、主人公も無骨で小汚いおっさんである。でも、その世界を“妖精”が飛び回るという、ファンタジーなのだ。その妖精が爆弾魔のダイナマイトで吹き飛ばされる前の微笑み。ご新造さんが嫁ぐ前に、清く気持ちを伝える神々しさ。

なんとも不思議な魅力が滲み出ている作品。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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