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公開年:1960年
公開国:日本
時 間:98分
監 督:市川崑
出 演:岸恵子、川口浩、田中絹代、森雅之、仲谷昇、浜村純、岸田今日子、土方孝哉、夏木章、友田輝、佐々木正時、星ひかる、飛田喜佐夫、伊東光一、江波杏子、穂高のり子、森矢雄二、横山明、森一夫、篠崎一豊、渡辺鉄弥、磯奈美枝、竹内哲郎 他
受 賞:【1961年/第14回カンヌ国際映画祭】フランス映画高等技術委員会賞(市川崑)
【1960年/第11回ブルーリボン賞】作品賞、主演女優賞(岸恵子)、監督賞(市川崑)、撮影賞(宮川一夫)
作家の父と継母の元で暮らすげんと碧郎の姉弟。厳格なクリスチャンである継母は姉弟に対して冷淡で厳しい態度をとり、さらに持病のリウマチを盾に一切の家事をげんに押し付けていた。父の作家としての収入は不安定で、家庭は貧しく暗い雰囲気だったが、げんと碧郎は仲良く明るくふるまっていた。しかし、碧郎の素行は悪くなる一方で、悪い学友と付き合い万引きをして警察に補導されるなどして、退学させられる始末。転校しても不良っぷりには拍車がかかるばかり。しかし姉のげんは、そんな碧郎のことを大切に思い、時に叱りながらも、面倒をみてやるのだった…というストーリー。
もう、3日連続でポンコツ作品続きだったので、堅実な作品を。BSか何かで『おとうと』の銀残しバージョンというのが放送されていたそうで、それを録画したものを観せていただいた。
映画検定のテキストでは、『おとうと』といえば“銀残し”という特殊なフィルムの脱色法。白黒に近い発色になる表現方法って書いているが、それを説明するテキストの写真が白黒って、説明にも何にもなっていない。やっとこの度、それがどんなものか理解できた次第。
カラーだけどセピア調ともいえる風合い。簡単に言えば“レトロ感”。記憶の中の世界というか、誰かからお話を聞いているような、なんともいえない雰囲気が作り出されている。
こんなにいい感じなら、現代技術をもってすれば画像処理でいくらでも作り出せるんじゃねえの?って思うかもしれないが、色の褪せ方が一様ではなく、そのアナログ感というかランダム感が、たぶん簡単には作り出せないと思う。特に場面の繋ぎで見られるフェードアウト&インのところの味わいはなかなかである。ただ、味わいだけっちゃあだけで、うまいか?GOODなのか?ってきかれると、素直に頷けなかったりする。その程度か。
ストーリーだけを取り出せば特筆するほどのレベルではない。しかし、映像が持つ雰囲気で観客はすっかりその気になる。悪い言い方をすれば誤魔化しってことだけど、映画監督の仕事ってのは誤魔化しの仕事。どれだけ素敵に私達を誤魔化してくれるのか…それこそが力量。後の『犬神家の一族』などの、味のある雰囲気の萌芽が如実に感じられる作品ではある。
田中絹代が神にすがる後妻を苛立たしく思えるほどうまく演じており、また、岸田今日子が演じる田沼婦人なる宗教かぶれの女の訳知り顔が、非常にくたらしい。この二人が持つ“闇”のおかげで、興味が維持できたような気がする。
岸恵子は不思議と“アカ”の臭いのするおばさんだという印象だったのだが、この作品では、母親がわりの姉の力強さといたずらっぽさが残る少女がミックスされた、絶妙な役を見事に演じきっていて、正直好みの顔立ちではないがなかなか魅力的に見える。
役者の中で、なぜか不必要に光り輝いているのが(笑)、看護婦役の江波杏子。びっくりするくらいの超美人。現代社会にこのまま登場したら大スターだわ。
こういう女性陣たちの演技で、なんとか支えられている作品という感じかな。
そして、タイトルの弟を演じているのが、なんと川口浩。探検隊しか知らないので、ちょっと新鮮。でもやぼったい演技で、まあ、この作品の野暮ったさを代表している感じかな。
傑作ですってお薦めできる感じではない。和菓子でいうと落雁みたいな感じかな。おいしくないわけじゃないし、大っ嫌いって拒絶するようなものでもない。だからといって進んで好むってものでもない。そんな感じ。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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