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imageX0007.png公開年:1979年 
公開国:アメリカ
時 間:130分
監 督:ハル・アシュビー
出 演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルヴィン・ダグラス、ジャック・ウォーデン、リチャード・ダイサート、リチャード・ベースハート、ジェームズ・ノーブル、エリヤ・バスキン 他
受 賞:【1979年/第52回アカデミー賞】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第14回全米批評家協会賞】 撮影賞(キャレブ・デシャネル  「ワイルド・
ブラック/少年の黒い馬」に対しても)
【1979年/第45回NY批評家協会賞】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第5回LA批評家協会賞 】助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1979年/第37回ゴールデン・グローブ】 男優賞[コメディ/ミュージカル](ピー
ター・セラーズ)、助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)
【1980年/第34回英国アカデミー賞】 脚本賞(イエジー・コジンスキー)

生まれてから一歩も屋敷から出たことのない庭師チャンスは、主人の死をきっかけに屋敷を出ることに。はじめて出る世間にとまどいつつも、見るもの全てが珍しい彼は街を徘徊。そんなとき、偶然にも、余命いくばくも無い財界大物を夫に持つ貴婦人が乗る高級車に轢かれてしまい、屋敷で治療を受けることになり…というストーリー。

『フォレスト・ガンプ』のレビューのときに、同じテーマの作品と書いてしまったが、観終わって、主役が知的障害という設定こそ一緒だが、テーマも切り口もまったく異なっていると気付いた。まず、根本的に、世間からアホ扱いされるか、傑物扱いされかという段階でまったく別もの。アホ扱いされずに世の中から勘違いされ続けるという脚本を成立させている点は、もちろんすばらしいと思う。コメディだものね。そこは否定しない。しかし、本作の、極端なまでの世の中に対するシニカルな目線が、私には、鼻についてしかたがなかった。

結局はラストに到っても、何かが示唆されるわけではなく、世の中をハスに見続けて揶揄して終わっただけ。さらに、その揶揄は、最後の悪趣味なキリストのパロディで終わるのだ。ちょっとセンスが悪くはないだろうか(それもフリー・メイソンのお葬式で)。不謹慎だといっているのではないし、シニカルな目線が悪いといっているのでもない。結局、私の大嫌いな、“世の中のアホは救いようが無いんだよ”“いくら何をやっても変わらないんだよ”っていう、シニカルを通り越してニヒリズムになっちゃってるのがイヤなのだ。

でも、最後のNGシーンを観て、ああ、製作側は私が受け取ったよりも軽い感覚で作っていたのだな…と気づく。それはそれで、なんかしっくりこなくて不快ではある。

もっと評価されていい作品という意見もあるけれど、私にとってはものすごく不快な作品。どうも、うまく表現できないんだけど、邪悪な思考の匂いがしてしかたがない。非常に底意地の悪い人がつくった作品だと思う(もちろん実際は知らんけど)。だから、お薦めしない。

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