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公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:ルイス・マンドーキ
出 演:シャーリーズ・セロン、ダコタ・ファニング、スチュアート・タウンゼント、ケヴィン・ベーコン、コートニー・ラヴ、プルイット・テイラー・ヴィンス、スティーヴ・ランキン、ゲイリー・チョーク、コリーン・キャンプ 他
コピー:外出禁止。
誘拐。監禁。命は30分ごとの連絡でつながっている。
オレゴン州ポートランド。主婦カレンは、麻酔医の夫ウィルと6歳の娘アビーの3人で幸せな生活を送っていた。ある日、ウィルがシアトルへ出張に出かけると、家に見知らぬ不審な男が侵入。ジョーと名乗るその男は、仲間がアビーを誘拐したことをカレンに告げる。そして、30分ごとに連絡しなければアビーは殺される手はずになっていると脅す。しかし、アビーは重い喘息を患っており、発作をおこせば死の危険もあることを知り、ジョーは動揺する。とりあえず、発作をおさえる薬を、アビーを監禁している山小屋に届けるため、ジョーはカレンに目隠しをして車を走らせるのだったが…というストーリー。
邦題もマッチしてないけど、原題のTRAPPEDもちょっと考えすぎた結果、凡庸になっている。前半は、娘が重度の喘息である設定が生きているので、“30 Minutes”でよかったんじゃないかな。
『ファニーゲーム』ばりの、高圧さと理不尽さで、観ている側も力が入る。出演俳優が豪華だし、見ごたえは十分である。ただし、仕事で疲れた頭で観たならば…である。鑑賞後に、振り返って考えると、ちょっと説明不足かな…と。
まあ、ウィルの家庭のことを調べ上げたのに、娘が喘息なのは調べられなかった…というトホホな点については多めにみることにしよう。
冒頭の6ヶ月前のシーン。この段階で、同じ手口で誘拐をやっている。はじめはただの誘拐かと思っていたが、アビーの誘拐が営利目的ではないと考えると、これまでの誘拐はおそらく娘の医療費目的だったんだろう。その点、うまく描けていないよな。
また、ウィルの失敗によって娘が死んだと思い込んだのはいいとして、、病院の麻酔科医が失敗したならば、医療ミスで訴訟すればいいのではないか。いや、深読みすれば、金なんかいらないんだ、同じ思いをさせてやる!っていうことなんだろう。でも、それならば、なんで、大金をせしめることにあそこまで執着するのか。殺しはしないまでも、ギリギリまで苦痛を味あわせてやるということなのか。おそらく状況が変わって、彼の“計画”とやらが揺らいだということなんだろうが、さすがに、アビーを自分の子にしたくなったというのは唐突に思える。せめて、そういう気持ちが涵養されてくるプロセスをもうちょっとうまく表現してほしかった。それとも、ジョーは始めから心の中ではそう思っていたとか?いや、考えにくい。
カレンの行動も不思議。相手の要求がお金であることがわかった。娘の所に薬は渡した。じゃあ後は、おとなしくしているのが得策なのだが、自分が犯されそうになって抵抗する。子供の命と自分の貞操を天秤にかけて貞操を取るというのは、いかがなものか…。
また、不思議なのは、ウィルは自分の失敗ではなく執刀医の失敗だと説明する。でも、それってウィルがそういっているだけで、なんの証拠もない。だけど、シェリルは信じちゃうんだよね。むしろ、ウィルが失敗したとか、病状が重かったからだとは思うが自分のせいでないとは言えない…とか、そういう展開のほうがよかったのではなかろうか。
すごく、スリル溢れてドキドキさせてくれる良いサスペンス作品なんだけど、ちょっと考えると変な部分に気付いちゃうのが、玉に疵なのだ。
自家用飛行機を使ったラストの展開は悪くないと思う。ウィルが自家用飛行機を持っているという設定は生きているし、エンジンを切るアイデアもいいアクセントだと思う。でも、あそこまで大捕物にする必要はなかった。そして、FBIが出てこなくても良かった(ジョーが勝手にFBIにおびえるだけで十分だった)。なんか、削ぎ落とすべきものを削ぎ落としてないのが、敗因な気がする。
結論をいうと、なかなか秀逸だが、粗が目立つ。粗に気付かないようにするためには、少しアルコールを飲みながらみたほうがいい。そうすれば、大満足できる作品だと思う。
#シャーリーズ・セロンも、まさか、ダコタ・ファニングに喰われるとは思ってなかっただろうな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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