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公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:107分
監 督:アンドリュー・デイヴィス
出 演:マイケル・ダグラス、グウィネス・パルトロー、ヴィゴ・モーテンセン、デヴィッド・スーシェ、コンスタンス・タワーズ、サリタ・チョウドリー、マイケル・P・モラ 他
コピー:愛さえも殺しの道具。
今、ヒッチコックの完全犯罪サスペンスを越える--




アメリカ大使の側近として勤務しているエミリーは、実業家のスティーヴンの妻。エミリー自身も莫大な財産を持っており、裕福な生活を送っていたのだが、夫に対する愛情が無くなってしまい、今は無名の画家であるデイヴィッドと逢引を重ねていた。しかし、スティーヴンは二人の関係を知っていた。それどころか、デイヴィッドの身辺調査を行い、彼が前科者であるだけでなく、露見していない犯罪歴があることまで突き止めていた。そしてエミリーに近づいた理由が、財産目当てあることも。別れるように脅すと思いきや、なんとスティーヴンは50万ドルの報酬でエミリーの殺害を依頼するのだった。実は、スティーヴンは破産寸前まで追い込まれており、彼女の財産を狙っていたのだ。デイヴィッドは余罪が露見することを恐れて受諾。スティーヴンはアリバイ作りのためにカードクラブに出かけ、その最中にデビッドを自宅に忍び込ませ、妻を殺害させようと計画。しかし、エミリーは家に押し入った男を逆に殺してしまうのだった。帰宅したスティーヴンは、エミリーが無事であることだけでなく、押し入った男がデイヴィッドではないことに驚く。デイヴィッドも自分で手を下すことができずに、他人に依頼していたのだった…というストーリー。

経済的に困窮し妻を殺して財産をせしめようという夫。財産を持っている人妻をたらしこんで金を引っ張り出そうというクソ男。旦那の正体を知ってるだぁなんだとほざきながら、浮気相手の正体には微塵も気付かないという無能な妻。いいねぇ、メインの登場人物が全員クソ人間っていう作品。

グウィネス・パルトローは人の良い役柄も多いし、個人的に好きな部類の役者なので、このクソ妻の配役がいまいちしっくりこなかったのだが、その違和感に逆にイラっとさせられる。そこまで計算されたキャスティングかは不明だが。
エミリーは夫を騙していて、ある意味キャスティングボートは自分が握っている…くらいのことを思っているが、筒抜けの無能。とにかく、このクソ妻なら殺されてもいいな…と思わせてくれるし、実家の母親の態度とか見ると、やっぱりクソだな、死んでもいいな…とさらに思う。

デイヴィッドは、金持ち年増女をたらしこむのはお得意のようだが、今回は、単に殺すのに躊躇しただけなのか、ちょっと情が沸いているのか微妙な線。でも、金をめぐっての丁々発止はやっぱり犯罪者っぷりを発揮。スティーヴンの言いなりにさせられそうなところを、イニシアチブを取り返そうとする。この緩いんだか抜け目ないんだかわからない、微妙なキャラクターをヴィゴ・モーテンセンがうまく演じていると思う。

そう考えると、メインの3人がイニシアチブの取り合いをしている展開。そして客は誰が“負け”るのかを期待して観るわけだが、これは人によって異なるんだろう(その人の性格が出ると思う)。私は、なぜか首謀者スティーヴンを応援したくなってしまった。

難点を言えば、ちょっとダサい演出が散見される。たとえば、誰かがいった台詞を後でリフレインさせて印象つけているのだが、カッコウつけた演出のつもりが、かなりダサダサだったりする。
鋭そうで無能な刑事もいい味付けではあるが、逆にいえば、彼が無能じゃないと、このお話はケリがつかないわけで、結構シナリオ上都合のよいキャラ。

マイケル・ダグラスが安っぽいとか、オチがスッキリしないとか、苦言はどんどん並べられるけど、意外とテンポも良かったし、佳作だと思う(元のヒッチコック版は観たことがないのが、功を奏しているのかも)。

ただ、もう何が“ダイヤルM”なんだか、まったくもって意味不明。ダイヤル電話じゃねーし。オリジナル邦題に引っ張られる意味あるかね…。とは思うのだが、原題の“PERFECT MURDER”も、別に完璧な殺人ってわけでもないしね。いずれにせよピリっとしないタイトルなんだよなぁ、コレ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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