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 公開年:1978年
公開国:イギリス
時 間:124分
監 督:フランクリン・J・シャフナー
出 演:グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ、ジェームズ・メイソン、リリー・パルマー、ユタ・ヘーゲン、スティーヴ・グッテンバーグ、デンホルム・エリオット、ローズマリー・ハリス、ジョン・デナー、ジョン・ルビンスタイン、アン・メアラ、ジェレミー・ブラック、ブルーノ・ガンツ、ウォルター・ゴテル、デヴィッド・ハースト、ウォルフガング・プライス、マイケル・ガフ、ヨアヒム・ハンセン、スキー・デュ・モン、カール・ドゥーリング、リンダ・ヘイドン、リチャード・マーナー、ゲオルグ・マリシカ、プルネラ・スケイルズ、デヴィッド・ブランドン 他
ノミネート:【1978年/第51回アカデミー賞】主演男優賞(ローレンス・オリヴィエ)、作曲賞(ジェリー・ゴールドスミス)、編集賞(Robert E.Swink)



オーストリアのウィーン。長年にわたりナチスの残党を追いかけてきたリーバーマンの所に、ある男性の写真が郵送されてくる。その写真の送り主コーラも、ナチスの残党を追う青年だったが、彼は独自に、アウシュビッツ他強制収容所の人体実験で“死の天使”と称された元ナチス親衛隊将校ヨーゼフ・メンゲレ博士が南米パラグアイを訪れていることを突き止める。彼らの仲間が集まるであろう屋敷に盗聴器を仕掛けるコーラ。そこで、メンゲレ博士が発した命令を録音することに成功する。コーラはリーバーマンに電話をかけ、録音した内容を聞かせるのだった。その内容は「今後2年半の間に、西ドイツ16人、スウェーデン14人、イギリス13人、アメリカ12人、オーストリア9人、ノルウェー10人、オランダ8人、デンマークとカナダが6人ずつの合計94人の65歳の公務員を特定の日に殺せ」という荒唐無稽なものだった。内容の詳細を確認しようとするリーバーマンだったが、電話口でコーラは殺されてしまうのだった。不審に思ったリーバーマンは、65歳の公務員が死んだ情報をかき集め、遺族を訪ねて聞き取り調査を行うが、そこには、色白でブルーの目をした可愛げのない少年がおり…というストーリー。

現在だと、敵役をナチスにしたって面白くもなんともない(いろんな意味で)。1978年ころのナチスに対する社会認識はこんなものだし、ナチスを絶対悪としないと、成立しないお話なので仕方がない面はある。しかし、リーバーマンがナチスの悪行を論うのだが、それ誇張してないか?ナチス被害者だって言えば何でも通ると思ってないか?と感じる場面が散見される。当事者がハンターしているのだから別に悪くはないんだけど、イギリス人のナチス嫌いが画面から恐怖となって滲みでている感じなのだが、大戦後のイギリスとユダヤがやってきたことを鑑みれば、好き勝手やるために“ナチス怖し”を隠れ蓑にしていうような気がしてイヤな気分になる。だから、主人公リーバーマンに手放しで賛同できないことはいうまでもない。
ただ、そのおかげで、この善良そうなリーバーマンが絶対善には見えない…というのが、サスペンスの味付けとして非常に効果的。怪我の功名というかなんというか…。

ヒトラーの生い立ちを知っていると、早々にピンときちゃう内容だし、それ以前にヒトラーの生い立ちを知っている人なら、この映画の存在くらいは知っていたりする。私も本作は初見だったけど、内容は知っていた。でも、意外や意外、こんな有名な作品なのに、日本未公開だったりするのよね。
また、現代の科学知識をもってすれば、本作の遺伝子やクローン技術に関する情報が、かなりトンチンカンなのはまちがいない。しかし、その科学的知識の“ズレ”が、今観ている私の先読みする思考を微妙に狂わせてくれる。おかげで、オチは大体見えているのに、謎解きサスペンスとして非常に楽しめてしまう結果を生んでいる。これまた怪我の功名。

(以下、ネタバレ)
ヒトラーと同じ遺伝子の子はつくった、公務員の家で育てた、次は同じタイミングで父親を喪失しよう!って、口で言うのは簡単だけど実行するのは相当クレイジー。もし本作を15年前に観たならば、私はくだらね~って言ったと思う。家庭環境だけ同じにしたって、その他の社会情勢とか経済事情や科学の発展具合からの影響の方が大きいに決まっている。また、94人の両親がおなじ環境をキープできるなんでありえないだろう…とか、興醒めさせるツッコミどころは満載だ。
でも、逆に今は、そういう“計画”自体の怖さよりも、それを遂行しようっていう偏執的なパワーの方にリアリティを感じてしまう。宗教や思想をベースにしたテロだって同じようなもの。現在蔓延る、狂気を感じる犯罪に通じるものがある。

一周半廻ってってアリ状態の作品だった。難点はグレゴリー・ペックがナチの博士っていうのが、リアリティがない部分くらいだ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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