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image2045.png公開年:2010年
公開国:ケイシー・アフレック
時 間:134分
監 督:オタール・イオセリアーニ
出 演:ホアキン・フェニックス、アントニー・ラングドン、キャリー・パーロフ、ラリー・マクヘイル、ケイシー・アフレック、ジャック・ニコルソン、ブルース・ウィリス、ダニー・デヴィート、ベン・スティラー、ショーン・コムズ、ジェイミー・フォックス、ビリー・クリスタル、ダニー・グローヴァー 他
コピー:信じた私が、バカでした。



二度オスカーにノミネートされた演技派ホアキン・フェニックスは、2008年末に突然引退を発表。さらにラッパーへの転進を宣言したことで、全米は仰天する。その後、髭を伸ばし放題の風貌で奇行を繰り返すと、ファンや俳優仲間たちから同情と心配の声が寄せられるのだった。ところが二年後、この騒動は義弟のケイシー・アフレックと一緒に仕組んだ、フェイク・ドキュメンタリー映画の撮影だったことを発表するのだった…。

当初は、ホアキンも、過剰に反応したり、どうやって蔑んでやろうかと、ここぞとばかりにもっともらしいことを言って悦に入っている半業界人みたいな奴らを炙り出して、滑稽に描くことが目的だったと思う。これまで成功していた人間が、自業自得とばかりにズルズルと滑り落ちていくのを見ると、嬉々として追い討ちをかけようとする人種は確かにいる(意外に男性の中にそういうのが多い)。
擦り寄ってくる気分の悪い奴らにうんざりしていたんだろう。気持ちはわかる。

しかし、いくら嘘だといっても、その嘘を何年も続けていれば、それに対するリアクションは“事実”として積み上げられていく。さらに、ホアキンが自らも予想外の失態を重ねることで、だんだんとて追い詰められていく。はじめは、嘘の周りで踊る人々の様子をシニカルに切り取るはずだったのに、自分も踊っていることに気付き焦り始めると、もう俯瞰でこの出来事を見つめる余裕は無くなっていく。
ホアキンがプレーヤーになっていく一方で、はたしてケイシー・アフレックは客観的な目線を持ち続けていられたのか?フレームの中にあまりいないからわからないだけで、かなりギリギリの線だったと思う。

試写会後の会見後に「ウソでしたー」と明確に種明かししたそうなのだが、実は本作を観ただけだと、実は最後まで虚実はわからない。これが本作のおもしろさであり、作品としての価値だと思う。
マスコミのウソや、世論が形成されていく様子。大衆が冷静さを失っていく様子など、本当にこれをケイシー・アフレックが明確に意図していたかは甚だ疑問だが、実にしっかりした問題提起になっていると思う。佳作。

#ただ、まあ、ネタだったとはいえ、2年も映画の世界から離れていたわけで、実際、休養したかったんだとは思うのよね。本作から2012年の『ザ・マスター』まで仕事がこなかったのは、計算通りだったとは思えないけど(この騒動のイメージが強烈すぎて、映画では使いにくいもの)。

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