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公開年:1992年
公開国:イギリス、ロシア、イタリア、フランス、オランダ
時 間:94分
監 督:サリー・ポッター
出 演:ティルダ・スウィントン、シャルロット・ヴァランドレイ、ヒースコート・ウィリアムズ、ロテール・ブリュトー、ジョン・ウッド、ビリー・ゼイン、ジミー・ソマーヴィル 他
受 賞 :【1993年/第47回英国アカデミー賞】メイクアップ賞
【1993年/第6回ヨーロッパ映画賞】新人監督賞(サリー・ポッター)




16世紀末、エリザベス一世の治下。晩餐会の席で女王に詩を捧げたオルランドは、晩餐会後に呼び出される。彼の若さを愛した女王は、“決して老いぬこと”を条件に屋敷を与えると、まもなく女王は崩御する。以降、オルランドは女王から与えられた永遠の若さと命を保つ使命を全うするがごとく、実際に歳を取ることがなくなってしまう。オルランドの父が亡くなると、彼はユーフロジニと婚約するが、新国王ジェームズ一世に謁見するためにやってきたロシア大使の娘サーシャに一目惚れしてしまう。二人は愛を育み、一緒に旅立つ算段を立てるが、落ち合う場所に指定していたロンドン橋にサーシャは現れることはなかった。ショックを受けたオルランドは昏睡状態となり、6日後に目覚めると、愛の詩を作ることに没頭するようになる。詩作の能力を向上するために、有名な詩人に師事するが成果は出ず、挙句の果てには才能のかけらもないと罵倒される始末。その後、中東の国へ大使として旅立ち、10数年が経過し…というストーリー。

何の予備知識もなしに鑑賞し始めたのだが、いきなり数十年経過しているのに、容姿に変化がないところで、おやおや?となる。正直、かなり混乱して、別人か?とか色々考えて、ネットで調べてしまったよ。

原作はヴァージニア・ウルフ。正直彼女の作品は読んだことはないが、『めぐりあう時間たち』でニコール・キッドマンが演じた役が彼女か。この、“愛”とは何かを求めて永遠の命を生きるという設定が、非常にユニークで秀逸だと思う。大正~昭和初期に活躍した人だと考えると、このSFファンタジー的なテイストは、慧眼に値する。すごい作家なんだろうな。

結婚という形態に対する疑問、愛を求めるという行為自体に対する興味、肉欲と超えた国や宗教という社会基盤を超える普遍の愛の発見、性を超えることによって生物としての愛を素直に受け止めるというスタンス、無条件で愛すべき存在を得ることによって知る“無償の愛”。こうやって、誰しもが口にする言葉ながらも、共通の価値観として存在していない“愛”について、不死により存在しうる同一人格が、様々な角度から“愛”という概念を照らし見る様子が描かれている。
単なるフェミニズムやトランスジェンダーのお話だと捉える人もいるだろうが、そんな単純な内容ではないと思う。

時代が進んでいることを、服装や建物なので感じさせてくれるなど、衣装や美術がとてもすばらしい。イギリス文化の流れが興味深く追える作品でもある。しかし、その割には目が飽きるのはなぜか。綺麗にまとめすぎているのかもしれない。

最後の天使は、宗教的なアイコンではなく、“愛”が肉体や社会を超えた存在であることを表現しているのかもしれないが、私にはむしろ短絡的な落とし所に見えたのが残念。まあ、高尚な方向に倒れすぎているところを、あえて揺り戻してインパクトを狙ったと考えれば、そう悪くもないか。

哲学的な思索がお好きな人には、良い息抜き作品だと思うが、娯楽作品としてはお薦めしがたいかな。

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