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imageX0035.Png公開年:1975年
公開国:ソ連
時 間:161分
監 督:黒澤明
出 演:ユーリー・サローミン、マクシム・ムンズク、スベトラーナ・ダニエルチェンコ、シュメイクル・チョクモロフ、ピャートコフ、プロハノフ、ウラディミール・ブルラコフ、アレクサンドル・フィーリベンコ、ユーリー・チェルノフ、アレクサンドル・アレクサンドロフ、ウラディミール・クレメナ、アレクサンドル・ニクーリン、アルカーディ・リスターロフ、アレクサンドル・クラソーチン、ユーリー・コボソフ、ウラディミール・プラトニコフ、ウラディミール・フリョストウ、マルク・オリシェニッキー、スタニスラ・マリーン、ヴァニアミン・コルジン 他
受 賞:【1975年/第48回アカデミー賞】外国語映画賞
コピー:巨匠黒澤 明がいま世に問う感動の叙事詩!

ロシア人探検家アルセーニエフは、地図上の空白地帯だったウズリ地方の地図製作の命を政府から受ける。探検隊を率いてウズリ地方に入ったものの、同地の厳しい自然はあまりに厳しく、隊員たちは疲弊していくのだった。そんな中、彼らは、猟師のデルス・ウザーラという男と出会う。デルスは案内人として動向することとなり、探検隊は彼の案内によって様々な危機を脱していくのだった。アルセーニエフは、そんなデルスに深い畏敬の念を抱いていき…というストーリー。

米アカデミー賞の受賞作だけど、ロシア製作なので、日本作品が受賞したとはみなされていない。実際、作中に“日本”という要素は皆無ではあるが…。

『TORA!TORA!TORA!』のすったもんだの後の、『どですかでん』の失敗に自殺未遂と、キャリア的にはどん底の状況の中、元々映画化したかった作品を作るチャンスを与えられただけでなく、日本での低評価とは無関係なソ連製作というシチュエーションは、渡りに船だったのではなかろうか。

それにしても、この作品より前の黒澤作品とは明らかに異質な仕上がりである。本作より前を絵画とするならば、本作は精緻な写真。この撮影が中井朝一によるものなのかどうかはわからないが、作為というものを感じさせない自然な1シーンを切り取ろうとしており、自然の厳しさをいうものがビシビシと伝わってくる。
冬の寒さはハンパなかったろうし、夏は夏でどんでもない蚊の数だったろう。よく2年もこんなロケを続けたものだと、尊敬すると同時にあきれてしまう。それに、よくソ連人が付き合ったものだ。

本作以降の作品は、画の精緻さが増す。同じようにシェークスピアを翻意した時代劇の『蜘蛛巣城』と『乱』を比較してみると、“魅せる”演出という意味では前者は決して劣っていないが、『乱』のような狂ってるんじゃないかと思えるまでに精緻とは言えない。そういう意味で、黒澤作品におけるターニングポイントだな…という気がする。

純粋に、すばらしい映像を通じて感じる自然への畏敬、その自然の分け前をもらっていきるデルスの様子を見ていると、自分も一緒に探検しているような感覚になる。そして、探検中のハラハラを一緒に共有するのだ。
最後のせつない結末から、私たちは何を感じるか。一定の畏敬をはらえば自然との共生は可能なのか、いや、人間が人間である以上それは無理で、やはり自然はアンタッチャブルであるべきなのか。あらすじを書くとたいした内容ではないんだけど、161分にふさわしいだけの、どっぷりとした内容と考えさせる何かがある。

ただ、第二部の間、どうしても頭をよぎって離れないことが…。カピタンよ、眼鏡をつくってやれ、それで解決だよ……とね。共生うんぬんの前に、知恵を発揮したほうがいいんじゃないか…、そう考えてしまう私は、自然と共生できなさそうである。

#もしかして、カピタンってキャプテンのことか。




負けるな日本

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