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image2140.png公開年:2011年
公開国:フィンランド、フランス、ドイツ
時 間:93分
監 督:アキ・カウリスマキ
出 演:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、エリナ・サロ、イヴリーヌ・ディディ、クォック=デュン・グエン、フランソワ・モニエ、ロベルト・ピアッツァ、ピエール・エテックス、ジャン=ピエール・レオ 他
ノミネート:【2011年/第64回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(アキ・カウリスマキ)
【2011年/第24回ヨーロッパ映画賞】作品賞(アキ・カウリスマキ)、監督賞(アキ・カウリスマキ)、男優賞(アンドレ・ウィルム)、脚本賞(アキ・カウリスマキ)
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】外国語映画賞
 【2011年/第37回セザール賞】作品賞、監督賞(アキ・カウリスマキ)
コピー:心をみがけば、奇跡はおこる。

北フランスの港町ル・アーヴル。かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセル。今はここル・アーヴルで靴みがきの仕事をしながら、愛する妻アルレッティとつましくも満たされた日々を送っていた。しかしある日、アルレッティが倒れて入院してしまう。やがて医者から余命宣告を受けたアルレッティだったが、そのことをマルセルには隠し通す。そんな中、マルセルはアフリカからの密航者で警察に追われる少年イドリッサと出会い、彼をかくまうことに。そして、母がいるロンドンに行きたいという彼の願いを叶えてあげるべく、近所の仲間たちの協力を得ながら密航費の工面に奔走するマルセルだったが…。

パルム・ドールにノミネートされていることは忘れて観たほうがよい。移民問題を扱っているから、反体制だよ、社会的な目線だね!っていう、カンヌ審査員のドヤ顔が浮かんできてウンザリするからね。
確かに欧州では移民問題は深刻だけど、カウリスマキがそれを深刻に描こうなんて思うはずが無い。あくまでシチュエーションの一つなだけであって、その舞台でキャラクターを軽妙に躍らせることをしか考えていない。実際の移民問題を念頭に置くと、不法入国のタチの悪さと、その悪影響が頭をよぎって、彼らを一切応援できないくなる。

主人公マルセルは、人柄は悪くないので嫌われてはいないけれど、町中の店にツケを貯めているので、ちょっと困った人扱いされている。でも、彼がコンテナで密入国してきた黒人の少年を匿っていると知って、彼らは急にやさしくなる。何故か。そのツケを貯めてる店の人たちは、元々みんな移民だったから。
#『ミッドナイト・イン・パリ』に出てくるフランスとはもちろん大違い。

黒人の少年イドリッサは逃亡した不法入国者としてニュースにもなっちゃって大変なことに。でも、町の人たちが無言で協力して、暖かく且つ必死にイドリッサを守ろうとする。でも、当のイドリッサが結構緊迫感がなくてちょろちょろ町に出ちゃう。しまいには、マルセルもイドリッサを妻の見舞いに生かせたりしちゃう。イドリッサが捕まっちゃう空気を醸しだしながら、さらっと何事もおこさないのは、カウリスマキ流。
根本的にイドリッサ自身に強い意志やキャラの濃さを付けず、あえて感情移入させないという演出なんだと思う。

逃亡資金を工面するために、往年のロックスターにお願いしてチャリティライブを開いてもらう。そんなくたびれたおっさんで、客が集まるんかいな?と思うけど、それ以上にライブを開く条件が、妻との仲直りの仲介役という展開。ジジィとババァをいちゃいちゃさせるのもいつものカウリスマキ。

で、余命宣告されてしまう妻はどうなるのか。主筋とはあまり絡むことなく、最後まで展開する。子供のようなマルセルは妻の死を受け止められないと考えられていたが、イドリッサを助けることで成長する…、そういう展開なのか? いやいやそこもカウリスマキ流が満開だった。
(以下ネタバレ)
奇跡がおこって完治!とかアリエネー!って思うかもしれないけど、カウリスマキのノリってむしろこんな感じだから。最後になってやっと“らしさ”が出たと私は思っている。

カウリスマキ作品ファンなら、いつもどおり。ファンじゃないなら、なんだこれ? そういう作品。

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