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image1514.png公開年:2009年 
公開国:スペイン
時 間:128分
監 督:ペドロ・アルモドバル
出 演:ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ポルティージョ、ホセ・ルイス・ゴメス、ルーベン・オチャンディアーノ、タマル・ノバス、アンヘラ・モリーナ、チュス・ランプレアベ、キティ・マンベール、ロラ・ドゥエニャス、マリオラ・フエンテス、カルメン・マチ、キラ・ミロ、ロッシ・デ・パルマ、アレホ・サウラス 他
受 賞:【2009年/第22回ヨーロッパ映画賞】音楽賞(アルベルト・イグレシアス)
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】外国語映画賞
コピー:愛から逃げて、愛と出逢う
マドリード。盲目の脚本家ハリーは、かつて映画監督として活躍していたが、とある事件で視力を失った。ある日、ライ・Xと名乗る男が、自分が監督をする映画の脚本を書いて欲しいと依頼に訪れる。しかし、ライ・Xの正体が、過去の事件と関わりのある人物であることに気づく。その事件とは、14年前のこと。ハリーは本名のマテオとして映画監督として活動していたが、オーディションにやってきたレナという美女を見初めて恋に落ちる。しかし、彼女はエルネストという大富豪の愛人で、嫉妬するエルネストは彼女をつなぎとめるために、映画の出資をしつつ、メイキング映像を撮るという名目で息子を監視役として撮影現場に送り込むのだった…というストーリー。

これまで『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール <帰郷>』と観てきたが、女三部作を終えて、次のステージに…という感じかな。これまでは、女の性(さが)に固執しすぎたきらいがあって、趣味に合う・合わないはあったのだが、高いクオリティに感服してきた。しかし、本作はその三作を軽く上回る巧みさだ。

過去と現在を行き来しつつ秘密を明かしていくという手法なんて、ありきたりだし、基本的に恋愛のすったもんだには興味がないので、本来は興味が沸くはずがないジャンルなのだ。しかし、先の予測がつかない演出で、グイグイと世界に引き込まれる。時間と金と有能なスタッフを与えられても、私には到底作れそうもないレベルで、天上人の成せる技というか、完全に脱帽の領域である。

これまでの女の生き様よりも、もっと広い視線になって、人を愛さずにはいられない人間の性、そしてその先に見える“人生ってなにか?”っていう光を垣間見せる。最後の「映画は完成させないと。たとえ手探りでも」は、近年の映画の中では、特筆して深いセリフだろう。人間の業を語りに語って、最後には“赦し”を超えて生きる意味や力を見つける。最後のメッセージは、けっして長々と表現しているわけではないのだが、ズドーンと響いてくる。

ペネロペ・クルスは、いままでで一番ぴったりはまった役で、彼女以外にこの役ができる人間はいない…というか、彼女ありきで出来上がった役といってもいいほどである。反面、アルモドバル監督はこれまでずっとペネロペを使い続けてきたが、これで一旦区切りをつけるのでは?ということを予感させる。やはり、普通の女優を見つめる目線以上の物があるし、彼女を烈火のごとく愛する主人公や嫉妬に狂った老いた夫、そして彼女を執拗に監視する息子の姿は、全部アルモドバルの投影だろう。そして彼女は死に、映画を完成させ納得し、この映画は終わるのだ。ペネロペへの執着を振り払ったと考えてよさそうである。
#この予言が当たるかどうかは、彼の次回作まで。

もう、口を差し挟む余地はない。私なんかが強くお薦めしようがしまいが、微塵も影響を及ぼさない、そんなレベルの作品である。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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