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image0110.Png公開年:2004年 
公開国:スペイン
時 間:125分
監 督:アレハンドロ・アメナバール
出 演:バビエル・バルデム、ベレン・ルエダ、ローラ・ドゥエニャス、クララ・セグラ、マベル・リベラ 他
受 賞:【2004年/第77回アカデミー賞】外国語映画賞
【2004年/第61回ヴェネチア国際映画祭】男優賞(ハビエル・バルデム)、審査員特別賞(アレハンドロ・アメナーバル)
【2004年/第62回ゴールデン・グローブ】外国語映画賞
【2004年/第24回インディペンデント・スピリット賞】外国語映画賞
【2004年/第17回ヨーロッパ映画賞】監督賞(アレハンドロ・アメナーバル)、男優賞(ハビエル・バルデム)
【2004年/第10回放送映画批評家協会賞】外国語映画賞
【2005年/第19回ゴヤ賞】作品賞、監督賞(アレハンドロ・アメナーバル)、脚本賞(アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル)、主演男優賞(ハビエル・バルデム)、主演女優賞(ロラ・ドゥエニャス)、助演男優賞(セルソ・ブガーリョ)、助演女優賞(マベル・リベラ)
コピー:約束しよう。自由になった魂で、きっとあなたを抱きしめる。

スペインのラ・コルーニャの海で育ったラモンは25歳の時、引き潮の海へ飛び込んだ時に海底で頭部を強打し、首から下が完全に麻痺。以来、寝たきりとなり家族の介護の下で生きている。彼は、部屋の窓から外を眺め、想像の世界に身を投じ、詩を書く生活を20年続けたが、ついに自ら命を断つことを決意する。しかし自ら死ぬこともできないため、法的に安楽死することを求め、訴えを起こすことにしたのだが…というストーリー。

華々しい受賞歴故に常々観たいと思ってはいたものの、とにかく重い重いテーマのため、手が出なかった作品。やはり、実際に観ても重かった。

しかし、ただ重いだけでなく、15分おきくらいに観続けたくなるような巧みな演出が多数出てくる。子供が「あの人うごけるよ!」と冗談を真に受ける⇒徐々に動き始め立ち上がるシーン挿入⇒え!そういう話なの?!⇒空想だった。ってこう書くと夢オチみたいじゃん!って感じるかもしれないが、本編内の演出は実に巧みで、「おお!」と引きこまれる。
ラモンの存在を知って、彼を訪ねてきた子持ちの女に対して、「私を見て優越感に浸っている」と言い放つところなんか、痛快とすら思える。神父の件も、世の中で最も害悪なものは、“もっともらしい”だけのことをいう人であると言わんばかりで、そういう視点はとても好みである。この重いテーマを扱うに十分な力量の監督であることがよくわかる。

以下、ネタバレ。

とは言え、ちょっと引っかかる部分が無いわけではない。自分では死ぬこともできないし、誰かに頼めばその人が幇助したことになるので、どうか合法的に死なせてくれと願い、提訴するのはわからないでもない。でもそこまで考えるなら、誰の手も汚さずに死ぬ方法に落着して欲しかったのだが、結局は手を借りた。最後のビデオで“幇助ではない”といっていたが、自分の言うことを聞いてくれた人を見つけただけだと私は思うし、信念を貫いたようで貫いていない気がして、私の好きな展流れではなかった。
また、弁護士も似たような立場になるという展開も、ちょっと都合が良すぎるように感じたし、それ以上に弁護士の夫が不憫でならなかった。何か他人のことを慮れる人ばかりが損をしているような気もしてきて、ちょっと後味が悪いし。この路線は良くないとは言わないが、もう少し別の展開が観たかった気もする。

ただ、“人間”っていうのは、いくらエゴを振りかざしても、結局、自分以外の誰かの為にしか生きられないんだな…、そんなことに気づかせてくれた素敵な作品であることには変わらない。本当に、最後に一ひねりさえあれば、文句なしの名作と太鼓判を押したと思う。考えさせられる作品だけど、強くお薦めはしない。このくらいの評価で勘弁して…と、何故か謝ってしまいたくなる作品(変な感じ)。

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