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公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:101分
監 督:ジェフリー・サックス
出 演:マイケル・キートン、チャンドラ・ウェスト、デボラ・カーラ・アンガー、イアン・マクニース、サラ・ストレンジ、アンバー・ロスウェル、コナー・トレイシー、アーロン・ダグラス 他
コピー:聞かなければ 殺される
全米1000万人が震撼!! 超自然(スーパーナチュラル)サウンドスリラー誕生
建築家のジョナサンは有名作家のアンナと再婚し、前妻の子マイケルとの幸せな生活を送っていた。ある日、アンナが帰宅せず、そのまま行方不明になってしまう。有名作家の失踪事件はマスコミを賑わせ、警察による大々的な捜索が行われるも一行に手掛かりはつかめなかった。失意に暮れるジョナサンの前に、レイモンドという不振な男が現れる。彼は、アンナは既に死んでおり、EVPという装置でアンナの声を聞いたという。最初は相手にしなかったジョナサンだったが、事故死したアンナの遺体が発見され、その後不可思議な現象が次々と発生したため、レイモンドの話を聞こうと彼の元を訪れ…というストーリー。
EVPといえば、晩年のエジソンが研究してたとかしてないとかいうアレですな。非常の面白い題材を見つけたと思う。
『コーリング』『シックス・センス』『ラブリー・ボーン』etc…と、霊からの声という題材の作品は実はけっこう多い。さらに『悪魔を憐れむ歌』『エクソシスト』『コンスタンティン』etc…と、悪霊が我々の生活に影響を及ぼしている…という作品もたくさん存在する。なので、題材としては見慣れた感も大きくて、陳腐に思われても仕方が無いのだけれど、このEVPというツールの目新しさが救ってくれた気がする。
また、いくら妻を亡くした喪失感に打ちひしがれたからって始めはそんな荒唐無稽な話に耳を傾けない主人公が、信じ始めるどころかどっぷりはまっていくのは、いささか都合のよい展開では???と思うかもしれない。しかし、マイケル・キートンの目ヂカラ演技が、そんな思いを無理やりねじ伏せて、成立させてくれる。彼は難しい役をうまく演じきったと思う。
簡単に言ってしまえば“力技”なんだけど、それを感じさせない空気感というかノリがあって、なかなか愉しめ傑作の予感すらして、「なんでこの作品はこんなに評価されていないの?」と思ったほど。でも、その理由は後半になると明らかに。
途中から未来の様子が…っていう要素入ってきてきてグダグダになるのだ。単なる霊からのメッセージとはあまりにも方向性の異なるため、話の土台が崩れてしまったと思う。そのギミックを持ち込まないでなんとかならなかったものか。
さらに致命的なのは、なぜ霊たちはメッセージを送ってくるのか、悪霊の目的はなんなのか、という肝心の謎解きがなされたとは言い難い点。無念を晴らして欲しいという『シックス・センス』的な目的なのか、現世の人を助けたいと思う『ラブリー・ボーン』的な話なのか。結局、どういう話にしたかったのか。
モニターに映るノイズのような映像と声だけで、『コンスタンティン』並の“あの世”の世界観をしっかり表現できているわけで、ものすごくレベルの高いことが実現できている。それは驚嘆するほどすごいことだと思うのだが、ミステリー面での作り手の腹が決まっていなかったために、こんなありさまに。絶対に傑作にできたと思うので、残念でならない。
別の観点。
音声っていうのは、振動が電気信号に変換されただけなので、音声があっちの世界から飛んできても、周波数を合わせるだけで受信できるのは何となく腑に落ちる。でも映像が飛んでくるのは滑稽に感じてしまう。映像っていうのは、NTSCだPALだSECAMだと信号の形式があるわけで、アナログであっても極めてデジタル的な変換過程が必要。
アメリカと日本はNTSC形式だから劇中の映像は受け取れるけど、他のヨーロッパ・中東・南米・アジア圏はPALやSECAM形式なので、信号を映像化できない。それら地域の霊たちは別の映像変換装置を持っている?それともEVPというのは日米限定?とか色々考えると、何か滑稽に思えてしまう。ああ、技術者の悲しい性か。無理やりでもいいから、霊による念の力でなんとかなるという、もっともらしい説明があるとうれしかった。
結論をいうとお薦めしない。しっくりこないだろうしカタルシスもない。途中で、話をまとめることに腐心して、映画が“娯楽”であることを忘れてしまった感すらある。でも、きちんとリメイクしてほしい作品ではある。ただ、ひたすら惜しいとだけ感じる作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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