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公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:128分
監 督:ガス・ヴァン・サント
出 演:ショーン・ペン、ジェームズ・フランコ、ジョシュ・ブローリン、エミール・ハーシュ、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、ルーカス・グラビール、ヴィクター・ガーバー、デニス・オヘア、ジョセフ・クロス、ハワード・ローゼンマン、ブランドン・ボイス、ケルヴィン・ユー、スティーヴン・スピネラ、ジェフ・クーンズ、テッド・ジャン・ロバーツ 他
受 賞:【2008年/第81回アカデミー賞】主演男優賞(ショーン・ペン)、脚本賞(ダスティン・ランス・ブラック)、脚本賞(ダスティン・ランス・ブラック)
【2008年/第43回全米批評家協会賞】主演男優賞(ショーン・ペン)
【2008年/第75回NY批評家協会賞】作品賞、男優賞(ショーン・ペン)、助演男優賞(ジョシュ・ブローリン)
【2008年/第34回LA批評家協会賞】男優賞(ショーン・ペン)
【2008年/第24回インディペンデント・スピリット賞】助演男優賞(ジェームズ・フランコ)、新人脚本賞(ダスティン・ランス・ブラック)
【2008年/第14回放送映画批評家協会賞】主演男優賞(ショーン・ペン)、アンサンブル演技賞
コピー:「ミルク」は、希望のはじまりだった。
1970年代のアメリカ。マイノリティのために戦った政治家ハーヴィー・ミルク…人生最後の8年間
1972年、ニューヨーク。ハーヴィー・ミルクは、20歳年下のスコット・スミスと出会い、恋に落ちる。彼らはサンフランシスコに移住し、同性愛者が多く住むカストロ地区でカメラ店を開店するが、同性愛者たちの社交場になっていく。ミルクは次第に、同性愛者など社会的弱者の問題に気付き始め、その改善のために活動を始めるようになり、政治に目覚めていく。そして、ついに市政執行委員選挙にも立候補。自由な風潮のサンフランシスコとはいえ、同性愛者ミルクの行動は周囲に波紋を広げていく…というストーリー。
ショーンペンは知的障害者、精神異常者、殺人犯…etc、どちらかといえばかなり尖がったアクの強い役柄を多々演じているが、どれもこれも、一定水準どころか、A+の演技で。
もしかすると、自分の役者としてのキャリアを、野球カードでも集める感覚で揃えているのかもしれない。ショーンペンは『オール・ザ・キングスメン』でも政治家を演じていたが、めずらしくダメダメだった(ダメなのは脚本の方だったが)。それからたった2作目で、再度“政治家”という役を選んだところをみると、けっこうプライドが傷ついていたのかも。でも、結果として大挽回して“政治家”というカードをコレクションに加えた。それもアカデミー主演男優賞というホログラムカードで。
もちろんその姿勢を悪くいう気はないが、穿った見方かもしれないが、ショーン・ペンって、自分の演技の力でいい作品になったって際立つように、逆に力のない監督作品を選んでやしないかい(だって、本作の監督、サイコのリメイク版の監督だよ)。そのガツガツと貪欲な感じ。微妙だなぁ…。
根本的にゲイだろうがなんだろうが、公民権を停止されたり失職させられるのは、間違いなく合衆国憲法違反である。であるにもかかわらず迫害されているのだから、それに抵抗するのは、あるべき姿だと思う。なんといっても、本作の敵役であるキリスト教原始主義者は、いまだに進化論を学校で教えることを認めない人たちだ。取り付く島もない妄信者で、私の周りにこんな集団が存在したら、もう必死で戦うか、早々に脱兎のごとく逃げ出すしかない。それは認める。
しかし、ゲイに嫌悪するというよりも、彼らの行動を男女間の行為と置き換えても、私には醜く写ったのだが、皆さんはどうだろう。街中のどこかしこで濃厚に抱き合ったりキスをする。半裸で歩く。選挙事務所内でヌード写真を見合う。最後だって、別にゲイだから殺されたわけではない。政治家として子汚い工作を弄した報いとはいえないだろうか。
私には、周囲の人々から忌み嫌われても仕方ないように見えるし、さらに加えて、迫害する側もされる側も、その理由がゲイだからだ!と言い合っているのが、滑稽に見えて仕方がない。対立する両方が問題の本質を見極めることなく、殴り合っていることが、こじれ続けている原因に見える。
それに、改めて感じるのは、アメリカ人というのは、両手が血まみれになってもまだ、アドレナリンが出続けている間は、いつまでもいつまで殴るのをやめない人々なのだな…と強く感じた。ちょっと立ち止まって身を律してみようとかいう考えはないのだろうか。ゲイとストレートがお互いを理解するのに時間を要しているように、我々がアメリカ人のアドレナリン過多体質にうまく対処できるようになるのは、時間がかかりそうである。
(日本人を代表する気はさらさらないのだが、)日本人には、なにかピンとこない作品ではないかな。この“ムーブメント”をリアルタイムで現地で感じていた人には、感慨深いのかもしれないが。楽しい作品でもないし、ゲイ文化のお勉強になるわけでもないし、価値観の異なる人々を包含する社会でのあるべき姿が学べるわけでもないし、あまり効能が感じられない作品かも。決して質の悪い映画ではないんだけれど、個人的にはお薦めしない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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