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image0546.png公開年:2001年 
公開国:アメリカ
時 間:110分  
監 督:ウェス・アンダーソン
出 演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティラー、グウィネス・パルトロー、ルーク・ウィルソン、オーウェン・ウィルソン、ダニー・グローヴァー、ビル・マーレイ、シーモア・カッセル、クマール・パラーナ、アレック・ボールドウィン 他
受 賞:【2001年/第36回全米批評家協会賞】主演男優賞(ジーン・ハックマン)
【2001年/第59回ゴールデン・グローブ】男優賞[コメディ/ミュージカル](ジーン・ハックマン)
コピー:テネンバウム家、天才ファミリー。名前だけが、彼らのつながり。求めるものは、心のつながり。

テネンバウム家の長男のチャスは10代で卓越した不動産売の才能で財を成し、長女マーゴは12歳で劇作家デビューし、次男リッチーはテニスプレイヤーとして将来を嘱望されていた。しかし、父ロイヤルの愚かな行動によって家族は崩壊。その後、成人したチャスは事故で妻を失い、男手で息子たちを子育て中、長女マーゴは年上男性と愛のない結構をして無気力な暮らしを続け、リッチーは突然テニス界を引退し放浪。かつて天才兄弟を騒がれた彼らは見る影もない。そんな中、母エセルが会計士シャーマンからプロポーズされたことを知り、突然に家族の絆を取り戻したいと思い始めたロイヤルは一計を案じるのだったが…というストーリー。

今回で3度目の鑑賞。あまり意識はしていなかったけれど、私にとって、定期的に観返したくなる作品のようである。『死ぬまでに観たい映画1001本』という書籍の紹介文を読んだのが、本作を観るきっかけ。本作どころかウェス・アンダーソンという監督のこともまったく知らなかった(勉強不足)。パッとみて、異様にキャストは豪華である。

ネット上の色々な感想を読んでみると、高い評価をする人と、まったくピンとこない人と、真っ二つに別れる作品であることがわかる。「いやあおもしろかったぁ」とヘタに紹介すると、“はあ?どこが?あんた映画のセンスないんちゃう?”と思われかねない、ある意味危険な作品といえる。

高い評価をしている人が、本当の所どう思っているのかは知る由もないのだが、私にとって本作の魅力は、“私にはどうがんばっても書けそうにない”という点である。世の中に感動・感心する作品は多々あるが、死ぬ気で搾り出せば、なんとか似たようなレベルまで到達できそうな気がする(実際にどうかは別として)。しかし、本作については、まさに“その発想は無かったわ…”的な感じで、どう逆立ちしても書けそうに無い。あれよあれよという間に降参させられてしまった一本なのだ。

“俺のセンスいいでしょ”みたいに勘違いした作品だ…とか、予告とちがって期待はずれだ…とか、笑えも感動もしない…とか、そういう意見が散見されるのだが、そういう次元ではないんだよなぁ…。放蕩者の親父が失った家族の絆を取り戻そうとする…、人生を振り返ってみて、本当に安らぎを得られるものというのは、案外単純で見落とされがちなくらい身近に存在するものなのだ…なんていう筋書きはありがちだと思う。でも、それをどう調理していくのか…。そのスパイスや素材のカットの仕方が、ちょっと私の脳内センスには無いものなのだ。

私は、誰がなんと言おうと、強く薦める。わかる人にしかわからない珍味であることだけは、ご理解をしていただくけれども。その後の『ライフ・アクアティック』『ダージリン急行』もとても楽しめたが、脳が感じた電流の強さは本作が一番上である。

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