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image1672.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:99分
監 督:トニー・スコット
出 演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、イーサン・サプリー、ケヴィン・ダン、ケヴィン・コリガン、ケヴィン・チャップマン、リュー・テンプル、T・J・ミラー、ジェシー・シュラム、デヴィッド・ウォーショフスキー、ミーガン・タンディ、エリザベス・マシス、ディラン・ブルース、ジェフ・ウィンコット、アイシャ・ハインズ 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】音響賞[編集](Mark P. Stoeckinger)
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】アクション映画賞
コピー:生きて帰れたら、言いたいことがあるんだ。
この映画は、<事実>から産まれた。

この日、初めて仕事をすることになった勤続28年のベテラン機関士フランクと、経験4ヶ月の車掌ウィル。根本的にソリが合わない上に、それぞれ私生活で問題を抱えている二人は、険悪なまま1206号に乗り込み業務を開始する。その頃、別の操車場で、運転士によるブレーキ操作ミスが原因で、貨物列車777号が無人のまま走り出してしまう。39両の大編成列車は、可燃性の高い化学物質とディーゼル燃料を大量に積んでおり、進行方向にある急カーブで転覆すれば大惨事になることは必至。さまざまな策を試みるも失敗に終わり、さらにスピードを上げる777号。同じ路線内にいたフランクとウィルは、1206号を777号の最後尾に連結させ、そのブレーキで停止させようと、777号に全速力で向かうのだが…というストーリー。

この事件のあらましはニュースで見て、結末はわかっているわけで、そんなにおもしろくなるわけ?という疑念満載で鑑賞開始。
デンゼル・ワシントンは、ついこの間『サブウェイ123 激突』で止まらない電車モノに出ていたのに、なんで似たような作品に出るのやら(ホワイトカラーとブルーカラーの違いはあれど、職務に忠実なベテランというキャラに違いはないし)。いや、それ以前にどっちもトニー・スコット監督じゃないか。何を考えているのかね。

とにかくオチが判っているだけに、伏線のセットアップがベタベタで、観ていてイヤになる。運転士が列車を降りるのも、ブレーキホースが外れているのも、説明的極まりなくてこのまま観ていていいのか不安になるほど。編集もダサダサで、映画としてどうなのかな?と。

ところが、子供の乗った電車をスルーして、事件がおおっぴらになりニュース映像が差し込まれる演出が多様されてくると、映画というよりも実際の事件を見せられている感覚で緊迫感がましてくる。
レールを軋ませ暴走する様子は、普段電車に乗りなれているせいか、想像力が喚起されてなかなかよろしい。昨今のぴゅんぴゅん飛ぶようなCGアクションとは違い、電車で行われるアクションはリアル極まりなく、久々に汗臭いアクションを見せてもらった感じ。実話だけに、荒唐無稽なアクションがないのが、逆に功を奏しているんだろう。

おもしろかった反面、日本人と欧米人の大きな違いを見せられたようで、ちょっと悲しかったことが。
アメリカには、『職業に貴賎なし』という概念がないんだなということが良くわかった。本作の主人公は、自分の職務にプライドを持ってはいるけれど、やはり自分の職業を高尚だとは思っていない。だから、ラストに平然と昇進を要求してよろこんじゃう。さらにエンドロールでは、事件の発端になったデブ運転士が現在ファーストフード業界で働いていると差し込まれる。

アメリカ人はこれを職業蔑視だとは思わない。日本ではマクドナルドの店員だろうが、ものすごく商業意識があるしコンテストまである。極端な例をいえば、トイレ掃除のおばちゃんにだって、日本人はその職業に経緯を払うのに。そして、それなりの給料が払われる。
アメリカでは、教育現場で「勉強しないと一生マクドナルドで働くことになるぞ!」とか平気で言うし、その発言が問題になることもないそうだ。でも、そのくせハンバーガーは喰うくせに。絶対に自分は必要としているのに、自分が求めているサービスをやってくれている人、その職業を蔑視するなんて我々は考えられないけれど、彼らは平気にやる。これって、単なる職業蔑視云々以前に、想像力の欠如だと思うのだ。
JRはこういう国に高速鉄道を売り込もうとしているけれど、日本の鉄道の安全は末端に職員の職業意識の上に成り立っているシステムなので、こういう職業意識の国にシステムごと導入しようとしているなら、必ず失敗するから注意したほうがいい。

彼らは、自由自由といいつつも階級社会をよしとする(この傾向はフランスも強い)。いやいやその階級から抜け出す機会は与えているわけで、努力しない結果階級が生じるのは仕方ないよ。結果の平等まで保証したら、社会主義国家じゃないか!というのが彼らの主張。この論調は彼らの主流的な考え方だけど、実はアホな考え。一度生まれた経済格差は教育格差を確実に生むので、実際はそれほど自由に機会の平等は与えられないし、相当数の階層が貧しいということは、自分のお客が貧しい、つまり客が減るということ。最終的には自分の首も絞まることになるので、短期的な視野であること極まりない。
おそらく、これを継続していると、総体的な学力がものすごく下がり数十年スパンでかなり国力が下がると思う(いまにそうなると思う)。

(閑話休題)
結果的に、手に汗握ってしまった。判っていながらも引っかかっちゃう、トリックアート展を見に行った時の感覚に近いかも(どうせ金はらったなら楽しまないと損…的なところも含めて)。そういう意味では、準新作料金くらいでレンタル価値は充分にある映画だと思う(ただし、前半は軽く流せというアドバイス付き)。




負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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