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image1679.png公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:81分
監 督:ガス・ヴァン・サント
出 演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン、イライアス・マッコネル、ジョーダン・テイラー、ティモシー・ボトムズ 他
受 賞:【2003年/第56回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(ガス・ヴァン・サント)、監督賞(ガス・ヴァン・サント)
【2003年/第70回NY批評家協会賞】撮影賞(ハリス・サヴィデス「ジェリー」に対しても)
コピー:アイダホ州ポートランド。アメフト、図書館、カフェテラス、写真部、ダイエット。ごく普通の高校生たち。
いつもと同じ1日だと思ってた。

オレゴン州ポートランド、ワット高校。ジョンは車で学校に送ってもらうが、運転していた父が酒に酔っていたため運転を交代。なんとか到着するが遅刻してしまったため、校長から居残りを言い渡されてしまう。写真好きのイーライはポートレート制作のために、生徒たちにモデルになることをお願いしている。アメフト部のネイサンはガールフレンドと待ち合わせ。食堂では女子3人組がダイエットや買い物や男の子の話を。そんな中、アレックスとエリックは、ネットで入手した大量の銃器をカバンにいれて学校へ向かっていた…というストーリー。

コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフいした作品。『ボウリング・フォー・コロンバイン』は観ていたけど、そういえばこっちは観てなかったと、思い出したようにレンタル。カンヌのパルム・ドールと監督賞をダブル受賞って、すごいことなんだろうけど、ちょくちょく言っている通り、私はカンヌの評価はアホだと思ってるので、逆に期待値はダウン。

先にいってしまうと、最高賞を与えられるほど価値のある作品ではない。
ふつうの田舎高校の日常でこんなことが…という切り口はわかる。美しい風景、いじめや素行の悪い生徒の様子も含めてありきたりな学校生活、問題のある家庭環境。色々あるけどみんなそれなりに日常を生きているってことを表現しながら、それが無碍にぶち壊され行く虚無感や現実に存在する不条理と、感じさせてくれるものは色々あると思う。
じゃあ、淡々と事件の一日を切り取ったようになっているか?というと、あったかどうかもわからない同性愛シーンを差し込んでみたりする(本人たちはお亡くなりになってるので、確かめようも無い)。フィクションはいけないわけではないけれど、これは、いくらなんでも勇み足だろう(犯人の性向として重要すぎる)。製作者のスタンスとして納得しかねる。
そのくせ、いじめ、殺人ゲーム、ナチスのビデオと(まあ客観的事実なんだろうけど)、タブロイド紙的結論への誘導にしかなってというのも、ちょっと芸がないかと…。これを「観客に考えさせる作品」というのは、的外れだろう。私に言わせれば“投げっぱなし”。

ただ、あくまで最高賞を与えられるような作品ではないというだけで、悪い作品ではない。「人間ってやつわ…」って、虚脱感はすごく感じるし、殺戮の様子は本当にゾっとする。そういう点では充分に製作意図を全うしていると思う。実は、観終わってから気付いたんだけど、舞台がコロラド州コロンバインじゃなくって、一応フィクションてスタンスなんだね(わかりにくいわ)。まあ、それを逃げと見るか、創造性と見るかは、人によるってことかな。

でもね、若いときなんて、偏狭な考えに固執することもあるし、極端な行動をとることがある。精神が不安定な子がいるなんてあたりまえ。想像の中では気に喰わない奴なんざ死んじまえ!って思う(おっさんになった今でも思うわ)。むしろ青春の特権だろうに。そういう時にそばに大量殺戮ツールがあるかどうか、勢いで手に取ってしまう可能性を排除するのって重要なんじゃね?っていう『ボウリング・フォー・コロンバイン』のアプローチが、やっぱり正しく思えてしまう。大統領選挙にものすごく時間をかける、なかなか賢い制度を持っている国なのに、なんでそれに気付かないのかね(まあ、ハートが因幡の白兎くらいチキンだから…銃が手放せないてオチなんだけどさ)。

佳作。お薦めするけど、本作と『ボウリング・フォー・コロンバイン』を連続で観るのが良い気がする。ということで、明日『ボウリング・フォー・コロンバイン』を再鑑賞。



負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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