忍者ブログ
[646]  [645]  [644]  [643]  [642]  [641]  [640]  [639]  [638]  [637]  [636
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

image1675.png公開年:2007年
公開国:イギリス、フランス
時 間:94分
監 督:ガース・ジェニング
出 演:ビル・ミルナー、ウィル・ポールター、ジェシカ・スティーヴンソン、ニール・ダッジェオン、ジュール・シトリュク、エド・ウェストウィック、アンナ・ウィング、エリック・サイクス、アダム・ゴドリー、エイサ・バターフィールド、アダム・バクストン、エドガー・ライト 他
ノミネート:【2008年/第62回英国アカデミー賞】新人賞(ガース・ジェニングス)
コピー:ボクたちの、想像力と友情が世界をちょっとだけ変えるんだ。 
1982年のイギリス。郊外の町に暮らす少年ウィルは、父親のいない家庭に育った小学5年生。家族が戒律の厳しい教会に

1982年のイギリス。小学5年生のウィルは母子家庭で、かつ家族が戒律の厳しい教会に所属しているため、TV・映画だけでなくすべての娯楽を禁じられる生活をしていた。そんなつらい生活の中でも、持ち前の豊かな想像力を発揮し、彼の聖書の中はカラフルな絵とストーリーで満ち溢れていた。そんなある日、とあることから学校で一番の悪童リー・カーターと知り合いになる。そして、彼の家で生まれて初めての映画『ランボー』を観て、強い衝撃を受ける。すっかりランボーに夢中のウィルは、リーが兄のビデオカメラを無断借用して製作しようとしていた自主映画に協力し、自ら“ランボーの息子”を演じるのだったが…というストーリー。

2007年製作にもかかわらず、日本での公開は2010年で、レンタル開始にいたってはつい最近という作品。なんでこんなにタイムラグが発生したのやら。ランボーの映像を映像を普通に使用しているので、版権の調整とか面倒くさそうだな…とは思ったけれど、それが理由ではなかろう。単に日本の配給会社の食指が動かなかっただけかな。

抑圧された生活をおくる少年が、ランボーを観たことで変わっていく…というこのプロット自体はものすごく魅力があるのだが、実際みていると薄味というか、とてもボヤけている。余計な調味料をブチ込んでしまったようなそんな感じ。
例えば、フランス交換留学生のくだりが、なぜフランスからの交換留学生でなくてはいけないのか?その学校に元からいるああいうキャラの生徒や、転校してきた金持ちの子供とかではいけなかったのか?フランスに帰るしょぼーんな彼からもイマイチ感じるものはなくて、やっぱりフランス人であることのメリットが感じられない。
#まあ、イギリス・フランス合作なのはわかるけど、それはそれ、これはこれでしょ。
また、リーがあんなに兄に対してコンプレックスを持っていたと感じさせる演出が前半部分に不足していて、ちょっと唐突に感じる。リーの家庭環境が不遇なのはわかるが、なぜ兄だけに固執しているのか、なんで同じように母親に対するコンプレックスは無いのか?とか、ちょっとディテールが甘い気がする。
あの、わけのわからん教会の集会で時計を並べているくだりとか、よく意味のわからない部分も多い。

映画作りへの魅力の感じ方のズレや、友情への重きの置き方のすれ違いなど、二人の間に生じているズレを巧みに表現することこそ大事なのでは?と思うのだが、肝心なその辺は、フガフガしていたりする。

個人的には、本作に流れる英国特有の閉塞感が、どうにもこうにも性に合わない。本作だけでなくイギリスのコメディ作品の多くが、判で押したように、貧しい階級がその状況から抜け出すチャンスが与えられておらず、且つ、大人も子供もあきらめているように見えるのが、非常に不快。特に学校が出てくる作品で、その傾向は顕著。イギリスの教育現場のニュースなどを聞く限り、それが事実らしいのがまた心苦しい。
イギリスでは校長に大きな裁量が与えられているのだが、その裁量が生徒たちの自由な行動を制限しているだけでなく、排他的な方向に作用しているのが非常に奇妙(気に喰わない生徒は入学させなかったり、恣意的な校則をつくったりね)。社会主義的管理方法が骨の髄まで染み込んでいる世代による老害が発生しているのかな。
それが、こうやってコメディ映画の中の夢まで奪っているというのがなんとも…。日本に教育現場が特段いいとは思わないのだが、海外の教育現場を見ると、まだマシと思えることが多いのが悲しい。
そして、先日に『ウィッカーマン』同様に、時代錯誤な教義を子供に押し付けるコミュニティが普通に存在する気持ち悪さよ…。

ただ、とにかく彼らが映画を作っている様子は、純粋に“楽しそう!”と感じる。映画を愛すること、ひいてはモノつくりの素晴らしさを改めて感じられる一作であることは間違いない。あれがコンテストになんとか応募できて…みたいな展開ではなく、ああいう終わり方であったのが本作の救い。この一点において、最後に心が動いたことは認めよう。すべての杜撰さは、とりあえず帳消しにしても良かろう…そう思うほど。軽くお薦め。

#というか、最後の展開のイメージが先にあったんだろうな。




負けるな日本

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]