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公開年:1994年
公開国:アメリカ
時 間:133分
監 督:ロバート・レッドフォード
出 演:ジョン・タートゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ、ポール・スコフィールド、デヴィッド・ペイマー、ハンク・アザリア、クリストファー・マクドナルド、マーティン・スコセッシ、バリー・レヴィンソン、エリザベス・ウィルソン、ウィリアム・フィクトナー、キャリスタ・フロックハート、ミラ・ソルヴィノ、ジェフリー・ノードリング、アラン・リッチ 他
受 賞:【1994年/第61回NY批評家協会賞】作品賞
【1994年/第48回英国アカデミー賞】脚色賞(ポール・アタナシオ)
コピー:70年代、ウォーターゲート。60年代、ケネディ暗殺。そして、50年代には、クイズショウ。それは、全米を震撼させた、3大スキャンダル。
NBCの高視聴率クイズ番組“21”。解答者のステンペルは、この番組が生み出したスターで、労働者階級の元GIのユダヤ系男性。しかし、よれよれのシャツに冴えない髪型というスタイルは、番組プロデューサーのエンライトによるもので、普通の人間がクイズで勝ち抜き大金を手にするというアメリカンドリームの演出であった。しかし、その人気にも翳りが見えはじめたため、次に視聴者が求めるのは、見映えのよいヒーロー像だと考えたエンライトは、次のヒーローに大学の講師ヴァン・ドーレンを据えるべく、ステンペルにわざと負けるように強要する…というストーリー。
いままで、何気にチャンネルをひねると放送していたりして、途中から観たりすることはあったが、一気通貫で観たことがなかったので、このたび改めてレンタル。
有名な事件だし、散々ドキュメント的なバラエティー番組で再現フィルムのように何度も紹介されているので、知っている人も多いはず。展開はバレバレだから、すぐに飽きちゃうと思いきや、面白い仕上がり。地味ではあるが、小気味良いテンポ。
エンドロールまで進んで、ロバート・レッドフォード監督であることに気付く。他のレッドフォード作品とは趣が違うように思えるが、まあ、言われてみれば、彼の政治的心象(共和党批判的な?)がいくらか反映されているように感じなくもない。しかし、いずれにしろ、きめ細かい演出が功を奏している良作である。
ただ、1994年当時、レッドフォードはこの映画を通して何を言いたかったのか、よくはわからない。エンターテイメントのあり方なのか、大衆の愚かさなのか、それとも。
(以下ネタバレ)
なんとも割り切れないのは、この事件の顛末として、TV局とスポンサーはお咎めなしで決着している点である(NBCはいまでも普通に運営されている)。日本だったら、放送法違反で免許停止なんていう展開になる可能性が高いが、アメリカではそういう規制がない模様だ。報道で事件を捏造するのは犯罪だが、娯楽というのは元々演出があってしかるべきもので、本件だってその演出の範疇にすぎない。大体にして、大衆は大喜びし、スポンサー企業は売り上げを伸ばし、TV局も出演者も大金を得て、だれも損をしていないじゃないか…。そういう理論らしい。
まあ、この映画だけでアメリカのすべてを語るつもりはないが、アメリカに改めて幻滅させられる映画である。本筋の事件だけじゃなく、レッドフォードによる細かい演出で垣間見える、有色人種差別や社会的階級格差が乗り越えられない(乗り越えさせない)壁として厳然と存在する社会。なにがアメリカンドリームなんだか。歯並び一つで人生が違うと“脅迫”されるような社会にはうんざりさせられる。
ワタシ個人的には、アメリカなんかに生まれなくて本当に神様ありがとうといいたくなる映画だった。それはそれとして、映画の物語の運び方は秀逸なので、もし未見ならば軽くお薦めする。
公開国:アメリカ
時 間:133分
監 督:ロバート・レッドフォード
出 演:ジョン・タートゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ、ポール・スコフィールド、デヴィッド・ペイマー、ハンク・アザリア、クリストファー・マクドナルド、マーティン・スコセッシ、バリー・レヴィンソン、エリザベス・ウィルソン、ウィリアム・フィクトナー、キャリスタ・フロックハート、ミラ・ソルヴィノ、ジェフリー・ノードリング、アラン・リッチ 他
受 賞:【1994年/第61回NY批評家協会賞】作品賞
【1994年/第48回英国アカデミー賞】脚色賞(ポール・アタナシオ)
コピー:70年代、ウォーターゲート。60年代、ケネディ暗殺。そして、50年代には、クイズショウ。それは、全米を震撼させた、3大スキャンダル。
NBCの高視聴率クイズ番組“21”。解答者のステンペルは、この番組が生み出したスターで、労働者階級の元GIのユダヤ系男性。しかし、よれよれのシャツに冴えない髪型というスタイルは、番組プロデューサーのエンライトによるもので、普通の人間がクイズで勝ち抜き大金を手にするというアメリカンドリームの演出であった。しかし、その人気にも翳りが見えはじめたため、次に視聴者が求めるのは、見映えのよいヒーロー像だと考えたエンライトは、次のヒーローに大学の講師ヴァン・ドーレンを据えるべく、ステンペルにわざと負けるように強要する…というストーリー。
いままで、何気にチャンネルをひねると放送していたりして、途中から観たりすることはあったが、一気通貫で観たことがなかったので、このたび改めてレンタル。
有名な事件だし、散々ドキュメント的なバラエティー番組で再現フィルムのように何度も紹介されているので、知っている人も多いはず。展開はバレバレだから、すぐに飽きちゃうと思いきや、面白い仕上がり。地味ではあるが、小気味良いテンポ。
エンドロールまで進んで、ロバート・レッドフォード監督であることに気付く。他のレッドフォード作品とは趣が違うように思えるが、まあ、言われてみれば、彼の政治的心象(共和党批判的な?)がいくらか反映されているように感じなくもない。しかし、いずれにしろ、きめ細かい演出が功を奏している良作である。
ただ、1994年当時、レッドフォードはこの映画を通して何を言いたかったのか、よくはわからない。エンターテイメントのあり方なのか、大衆の愚かさなのか、それとも。
(以下ネタバレ)
なんとも割り切れないのは、この事件の顛末として、TV局とスポンサーはお咎めなしで決着している点である(NBCはいまでも普通に運営されている)。日本だったら、放送法違反で免許停止なんていう展開になる可能性が高いが、アメリカではそういう規制がない模様だ。報道で事件を捏造するのは犯罪だが、娯楽というのは元々演出があってしかるべきもので、本件だってその演出の範疇にすぎない。大体にして、大衆は大喜びし、スポンサー企業は売り上げを伸ばし、TV局も出演者も大金を得て、だれも損をしていないじゃないか…。そういう理論らしい。
まあ、この映画だけでアメリカのすべてを語るつもりはないが、アメリカに改めて幻滅させられる映画である。本筋の事件だけじゃなく、レッドフォードによる細かい演出で垣間見える、有色人種差別や社会的階級格差が乗り越えられない(乗り越えさせない)壁として厳然と存在する社会。なにがアメリカンドリームなんだか。歯並び一つで人生が違うと“脅迫”されるような社会にはうんざりさせられる。
ワタシ個人的には、アメリカなんかに生まれなくて本当に神様ありがとうといいたくなる映画だった。それはそれとして、映画の物語の運び方は秀逸なので、もし未見ならば軽くお薦めする。
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クボタカユキ
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男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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