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公開年:1960年
公開国:日本
時 間:88分
監 督:(演出)藪下泰司、手塚治虫、白川大作
出 演:小宮山清、新道乃里子、木下秀雄、篠田節夫、関根信昭、武田国久、尾崎勝子、白坂道子、巌金四郎、加藤玉枝、川久保潔、風祭修一 他






遠い昔、一匹の猿が石から生まれた。その猿は“孫悟空”と名乗り、仙術を使って大暴れし、華果山の山奥にある水蓮洞で王様となった。ある日、恋人の憐々のために、天上にある木に生っている桃を盗もうとするが、仙女に見つかってしまい、そこでも大暴れ。釈迦如来は戒めのために、悟空を五行山の岩穴に閉じ込めてしまう。悟空の身を案じた憐々は、毎日食べ物を運んでちたが、猛吹雪の日にとうとう倒れてしまう。哀れに思った観世音菩薩の慈悲により、天竺へ経文を取りに行く三蔵法師のお供となることで、戒めが解かれる。しかし、戒めが解かれた途端に暴れた悟空は、頭に輪をはめられてしまうのだった。やがて二人が桃花という村を通りかかると、長者の娘がブタの化け物に言い寄られてこまっていることを知る。悟空は化け物を退治しようと娘に姿を変えるのだったが…というストーリー。

2013年9月発売の『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』4巻で、この作品に携った経緯などが綴られている。ということで一緒にレンタル。

手塚治虫は、本作公開の前年まで『ぼくのそんごくう』という西遊記ベースの作品を連載していた。当然そういうバックボーンをを踏まえて東映はオファーしたのだろう。演出・構成に手塚治虫がクレジットされている。でも実際は、ストーリーボードを書いた程度で、ほぼ携っていない。その理由がなかなか興味深い。ウィキペディアをみると“多忙になったから”と書いてある(その他の書籍も同じ感じ)。しかし、『ブラック・ジャック創作秘話』によればそうではなく、手塚治虫の提出したコンテや進め方が東映動画の方針と合わなかったから…とされていた。手塚治虫の代わりのように本作に携った月岡貞夫のインタビューを元にしているのでこちらが正しいかと。
で、『ブラック・ジャック創作秘話』では、月岡貞夫の動画のテクニックに関するエピソードが紹介されているのだが(内容はマンガで確認してくだされ)、本作を観ながら、そのシーンと思われる場面で一時停止して確認するなど、なかなか愉しかった。事実、ヌルヌルと良く動く、良質のフルアニメーションだと思う。
まあ、それでも、西洋の神様が出てくる展開とか、三蔵法師が“空気”なところとか、手塚らしさの残滓はあるけどね。

結局、手塚治虫は本作に携ることができず、忸怩たる思いを募らせる。その結果、アニメという“愛人”に深く執着していくことになる(もちろんそれ以前からアニメに対する思いは強かっただろうが、この件で“偏愛”になっていったように思える)。
#孫悟空自体への思い入れも強かったから、けっこうダメージはあったと思う。

話は変わるが、おそらくこの作品は、私が小学校低学年の頃に、学校の理科室で上映されたのを観た記憶がある。劇場ではないが、きちんと映写した映画を観るのはそれが初めてだったと思う。つまり初めて観た映画かと。
何が強烈に記憶に残っているかというと歌である。「♪お~れはそんご~く~、そんご~く~」「おれ~がつ~くぅった、でたらめのうたぁ~」とか、キャッチー(?)なメロディー。一瞬で当時の雰囲気が蘇ったわ。

何十年ぶりにかに観たことになるけど、猪八戒のエピソードと金閣・銀閣を絡めるなど、翻案した構成が見事。子供が飽きない時間に納める必要があり、且つお経と取りに行く旅は、苦労の末に完遂しなければいけないことを考えると、綺麗にまとまっていると思う。
さすがに古臭さは否めないけど、歴史的意味も含めて良作だと思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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