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公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:132分
監 督:デヴィッド・ゲルブ
コピー:シンプルを極めると、ピュアになる。







東京・銀座の地下にある鮨店“すきやばし次郎”。10席程度の小さな店ながら、5年連続で『ミシュランガイド東京』の三ツ星を受け、87歳の店主・小野二郎は世界で最も高齢の料理人としてギネス認定されている。アメリカ人監督デヴィッド・ゲルブは、来日中に“すきやばし次郎”の鮨と出会い、その芸術性に感動して映画制作を決意。一ヶ月に渡る密着取材を敢行する。二郎の“職人”としての姿勢や、息子・隆士や弟子たちを通して垣間見える偉大な“父”への経緯と葛藤を、カメラは克明に収めていく。

おまかせコースで1名3万円。鮨以外は、付き出しもデザートも何も出ない。脇目も振らず食べちゃえば、ヘタすれば15分で食べ終わっちゃう。もちろん、私なんかのレベルじゃ、おいそれと行ける店ではない。無理して行こうと決めても、大体にして2年後くらいの予約しかできない。

まあ、なんでそんな値段になっちゃうのか、日本人ならなんとなくわかるだろうが、外国人にゃあアメージングだろう。素材から仕込みの手間まで細かく紹介し、さらに後身の職人の育成についてまでを綴っていく。料理人の世界が厳しいのは東西に差はない。フランスやイギリスのレストランの厨房に入れば、ほぼ無給で、奴隷以下で足蹴にされる日々が続く。日本でも中途半端な洋食の店だと、人を人とも思わない扱いをする例は聞く。それに比べて“すきやばし次郎”はどうだろう。息子・隆士は、店に入った若い人が突然いなくなることが間々あるという。厳しいのだろう。でもその厳しさとは欧米のそれとは異なる。奴隷のごとき扱いをうけるて厳しいのではない。これから職人になるために眼前に伸びる“道”が厳しいのであり、その道程を想像して耐えられなくなって辞めていくのである。
私は、この手の職人映像が大好きである。ドキュメンタリーではあるのだが、所謂ドキュメントとは赴きが異なる。こういう形で、東洋と西洋の比較文化するのは一番日本を理解させることが出来ると思う。東京オリンピックまでに、日本を紹介するPR映像は多々作られるだろう。でも、安易なサブカル紹介や観光地紹介ではなく、本作のような作品が多く作られることを私は期待する。
日本人監督ではないからこその、着眼点、角度というものが多分に含まれている。日本人なら予定調和的に“あたりまえ”として見落とす部分に、きちんとスポットが当たっているのが、非常に良い。

一つ(というか非常に大きな一つ)本作には問題がある。冒頭から最後まで、山本益博がぺらぺらと講釈をたれるのでうんざりしてしまうという点だ。というか台無しといってよい。個人的な好き嫌いで申し訳ないが、私、山本益博が大嫌い。実際はどうか知らないが、山本益博の発言に料理人への愛が微塵も感じられないから。言葉では料理人を持ち上げているが、結局、そういう評価している俺カッケーという風にしか聞こえてこない。根本的に彼がうまい!といってもうまそうに思えないのだからしょうがない。
二郎さんもそれなりに昵懇に付き合っているようなので、当人同士は何のわだかまりもないのだろう。でも、おまかせセットをはじめてお試しで食べさせてもらったのは私…なんて発言に、それが事実だろうとうんざり。

道を極めるっていっても、本人は極めたとは微塵もおもっておらず、これでもまだダメか、まだダメか…の繰り返し。ある意味、地獄道ともいえるが、地獄道でなければ歩いた気にならないというのが本物の職人というものなのだ。こんな生き方ができる人なんて、5000人に1人も存在するのだろうか(私にはできない。打算的だから)。
でも、自分にはできなくても、そんな道程、生き方ががすばらしいとは思える価値観を持っているのが日本人なのかな。そう思える一作だった。でも、改めて言うが、山本益博は邪魔。あんたの道はこの作品にはいらない。

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