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公開年:1963年
公開国:日本
時 間:89分
監 督:石井克人
出 演:久保明、土屋嘉男、小泉博、太刀川寛、佐原健二、水野久美、八代美紀、天本英世、熊谷二良、草間璋夫、岡豊 他







豪華ヨットで海に繰り出した、大学助教授の村井と教え子の明子、笠井産業社長の笠井とその愛人の麻美、笠井産業の社員・作田、作家の吉田、そしてこの航行のために臨時雇いした漁師の息子・仙造。はじめは楽しい旅だったものの、猛烈な暴風雨に遭遇。船の装備は破壊され、ただただ潮流まかせに南へ流されるだけとなる。水も食料も底を突き、死を覚悟したその時、深い霧の中に無人島を発見し漂着する。島で食料を探していると、人間のものらしき足跡を発見。その先には一艘の難破船があったが、乗員の姿はなく、船内にはキノコが群生しているのみ。どうやら核実験の影響について調査してた模様だが、発見された公開日誌には“船員が日々消えていく”“キノコを食べるな”“MATANGO”などという謎の文言が記されていた。その船で見つけた缶詰も無くなりかけ、7人は食料と女性をめぐって対立し始める。そんな中、不気味な怪物が出没し…というストーリー。

近所のレンタル屋の特撮の棚を探していたが見つからず。実はホラーの棚にあった。いやいや特撮でしょ…っと思ったのだが、内容を見て、確かにジャンルは微妙だな…と、まあ納得。
変なモノサシかもしれないが、こういう怪獣やヒーローが出てこない作品の場合、特撮技術がショボいかどうかで、ホラーなのか特撮なのか、線引きされてしまう気がする。だって、特撮のショボさで興醒めしたり、笑えちゃったりする場合があるでしょ。
本作の技術はなかなかすごいと思う。まず、ロケのシーンとスタジオセットの雰囲気の差が小さい。さすがにセットなのかロケなのかの区別はつくのだけれど、当時のこの手の作品と比較すると、シームレスだと思う。
それから光学合成のレベルが高く、それもいい加減な合成ではなくて、キチンと機器の特性を把握した上で効果的に用いられている。
#でも、私は特撮にカテゴライズしちゃうけどね。

アメリカがゾンビなら、日本はマタンゴってところか。じゃあ、ゾンビが大衆社会の象徴だとすると、マタンゴは何か?やはりマタンゴも同じく大衆社会を投影してると思う。ただし、仲間に噛まれて増殖…ではなく、空腹に耐えられなくなり手を出してしまい、それ以降が虜となって、終いには異形の生物になってしまうというプロセス。初めは自ら手をだしてしまうという構図。企業の宣伝なんかに踊らされて、いいように虜になってしまう、企業の宣伝やブームに踊らされている人々を揶揄している感じだろうか。

星新一が参加しているということで、そんな設定になっているのかな?なんて思いながらみていた。しかし、それ以上は、特に星新一らしさは感じられぬままラストへ。らしさはキャラの一人に作家がいるくらいかなぁ…なんて思っていたら、最後の最後、オチが完全に星新一で思わず笑いが漏れた。星新一が好きな私としては、このラストを観ただけでも正直満足できたかも。

基本的に、愉しめた作品ではあったのだが、もうちょっとこうしたらよかったな…という部分はいくつか。

中盤、滞在する船に侵入してきたマタンゴが、ふっと消えるシーン。菌に噴散した後に、また群体を形成するという設定なのだろうか。まあ、菌だからいいんだけど、もうちょっとその設定を生かしたシーンや展開があってもよかったと思う。
また、キノコを食べるまでマタンゴにはならないという設定なのか、マタンゴたちに襲われてもマタンゴになってしまうのか?という点。ラストを考えると両方ということになりそうだけど、食べなければ変身しないという設定一本に絞ったほうがよかったと思う。生き残った人も、自ら食べはしなかったけど、無理やり口にいれられて吐き出したけど、ちょっぴり摂取してしまいました…ということにするか、救助されるちょい前に、結局我慢しきれず少し食べちゃいました、くじけちゃいました…という『ミスト』的なオチでもよかったと思う。
あとは、女性と作家以外は、いまいちキャラが立っていないのも不満かな。

同様の“変身人間シリーズ”は他にもあるが、比較して出色な作品だと思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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