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公開国:日本
時 間:111分
監 督:佐藤英明
出 演:浅野忠信、堀北真希、阿部力、木村多江、いしだあゆみ、佐藤浩市、正名僕蔵、粟根まこと、新井浩文、山本剛史、佐藤恒治、佐藤正宏、梅垣義明、土屋裕一、クノ真季子、徳井優、法福法彦、荒谷清水、菅田俊、山本栄治、黒川忠文、中村祐樹、山本浩司、安藤彰則、田鍋謙一郎、須永祐介、伊藤洋三郎、平手舞、水谷あつし、コング桑田、内藤陳、森田芳光 他
コピー:『バカ』がちょっとほめ言葉だったあの頃。
天才、大暴走!!クソマジメな新人編集者と破天荒な漫画家。この2人がギャグで革命を起こす日まで、あと少し…
1967年。大好きな少女マンガを手掛けることを夢見て、大手出版社小学館に入社した武田初美。突然そこに現れたのは、少年サンデー誌にて『おそ松くん』を連載中の大人気漫画化・赤塚不二夫だった。赤塚は人気キャラクター・イヤミの扮装で登壇。新入社員に対して「馬鹿になれ」と言い放ち、「シェー」のポーズをさせる。それを拒否する初美に、赤塚はポーズを強要すると、思わず赤塚の顔面にパンチをしてしまう。その後、初美は少女漫画誌希望だったのに、なぜか少年サンデーに配属。おまけに、赤塚不二夫の担当に任命されてしまう。実は、入社式の彼女の様子を気に入って、赤塚が手をまわしたのだった。赤塚のギャグマンがを下品だと思っていた初美は拒絶反応を示すが、赤塚は容赦なく“ギャグ”の洗礼を浴びせていき…というストーリー。
ギャグマンガはキライじゃないけど、主人公の武田初美の拒否感はなんとなくわかる。子供の頃、漫画家になりたいといっていた私に、親は赤塚不二夫の『まんが入門』を買い与えてくれた。おそらく本人がマンガの描き方の手ほどきの文面を書いていたとは考えにくいのだが、赤塚キャラをつかって、Gペンとガラスペンの筆感の違いから丁寧に解説してあった。しかし、はっきりいって私は、赤塚不二夫なんて『天才バカボン』の夕方の再放送くらいしか観たことがない。彼の漫画なんか一度も読んだことがなかったのだ。
それこそTVマガジンとかコロコロコミックとか、そんなレベルの漫画しか見ていなかった私にとって、赤塚不二夫の絵は艶かしすぎた。線にエロチックさが漂っていた。私は、何か見てはいけないものを見ているような感覚になり、その本は、それ以上読むことはなかった(大事に持っていたら、それなりの値段で売れただろうが、いつのまにかなくなっていた)。
ギャグ漫画家は短命だとか頭がおかしくなるとか、子供心にもそんな臭いを感じ取っていたと思う。それが証拠に、ギャグ漫画家としてヒットを飛ばした漫画家が、最期までギャグ漫画家のままおわる例は少ないと思う。結局、ストーリー漫画になったり、もっとお歳を召してくると風刺漫画になったりする。狂気を維持するなんて普通の人間には無理なのだ。
そして本作中の赤塚不二夫は、狂気を続けるために狂気を重ねるという毎日を繰り返す。まあ、赤塚不二夫の素顔を、明治・大正の文豪の奇行と同列に表現してみた…そんな感じかな。
まあ、そこはそれでいいんだけど、本作の原作者は赤塚不二夫の担当だった武居俊樹氏によるもの。つまり、映画では、主役を男性から女性に置き換えている。これってマズくないか?初美の「私は三番目でいいです」の意味もちょっと変わってくるし、終盤の温泉宿に篭っての仕事もイメージが違いすぎる。初美と先輩社員との恋愛関係の描写も完全にフィクションってことだろう。もう原作と呼べないよね。
フジオプロの不正経理事件の話は本当くさいけど、一方、妻や母の名前は変えてある。それに実際は娘が生まれているはず。この虚実の中途半端さは何なのか。何をしたいのか。
おそらくこの作品は、赤塚不二夫の生き方が虚実のボーダーが判然としていなかったのだから、じゃあ自伝映画だって虚実を判然とさせないほうがそれらしいだろってことなんだろうね。温泉宿での過激派云々のくだりとか、まるでクスリでもやっている感じ。そういう時代だった…ともいいたいんだろう。そして時代が赤塚漫画を許容しなくなったとね。でも、その表現はかえって本人を貶めているような気もしないではない。
で、観終わった後に何が記憶に残ったかというと、木村多江の妙な色気…かな。別に悪い作品だとは思わないけど、ちょっと、何を楽しんで良いのかわからなかった作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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