忍者ブログ
[1172]  [1171]  [1170]  [1169]  [1168]  [1167]  [1166]  [1165]  [1164]  [1163]  [1162
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

image0607.png公開年:2002年
公開国:アメリカ
時 間:116分
監 督:ニック・カサヴェテス
出 演:デンゼル・ワシントン、ロバート・デュヴァル、ジェームズ・ウッズ、アン・ヘッシュ、エディ・グリフィン、キンバリー・エリス、ショーン・ハトシー、レイ・リオッタ、ダニエル・E・スミス、ケヴィン・コナリー、ポール・ヨハンセン、ヘザー・ウォールクィスト、ローラ・ハリング、ラリッサ・ラスキン 他
コピー:その時、彼は病院を占拠した。
要求はただ一つ、「息子の命を救うこと」

シカゴ。妻デニスと9歳になる息子マイクの3人で幸せに暮らしているジョンだったが、不況の波で勤務時間が減らされ収入は減少する一方で、とうとう妻の車が借金のかたに取られてしまう。なんとか新たな仕事を探そうとしている中、マイクが野球の試合中に倒れてしまう。診断の結果、マイクは重い心臓病を患っており、このままでは余命幾ばくもないこと、助かるためには心臓移植しかないことが告げられる。保険に入っていると安心していたジョンだったが、半日勤務となっていたジョンの保険は、高額医療に適用されないものに変更されており、支払いを拒否されてしまう。知人たちのカンパや家財を売却することで、なんとか支払いを続けていたが、いよいよ滞ってしまい退院を勧告されてしまう。ジョンは病院に拳銃を持って押しかけ、医師や居合わせた患者を人質に、マイクを移植用の心臓待ちリストにのせることを要求する…というストーリー。

人質をとって立て籠もった犯人を、一般市民が応援するという展開は、『狼たちの午後』に通じるものがある。『狼たちの午後』の主人公ソニーが強盗した理由は、ゲイである恋人の性転換手術の費用のため。刹那的で理不尽な理由だと思うが、さて本作の主人公ジョンの理由はどうか。子供は心臓移植をしなければ死んでしまうという状況で、とうとう金策が尽きて窮してしまい、人質をとって立て籠もる。正しいとは言えないが、、理屈の通った理由であるように思える。しかし、どうだろう。

冷たい人だと思われてもかまわない。はっきりいってこの主人公も妻デニスも、クソ人間だ。皆保険制度のないアメリカ社会がどうだこうだいうのは簡単だが、日本だって、転職の端境で手続きを怠った人は健康保険を使えないし、任意保険に入っていない人にはもちろん給付はない。確かに、保険会社はセコいこと小ズルいことをやっているかもしれないけれど、健康保険に入っていない人が多いからといって、それが正義であるかのような論調になるのはおかしな話に感じる。
はっきりいって、私は、ジョンが医者に銃を突きつけて、病院にたまたまいた人を人質にとって立て篭もったとき、このクソ人間、頭を撃ち抜けれて死ねばいいのに…と思った。そして、自分の夫がとんでもないことをやらかしているのに、夫の味方だと言い放つくせに、息子が移植待ちのリストにのせてもらえると聞いた途端に「ありがと~」って、頭おかしいでしょ。いくら、子供ばピンチだからといってここまで破廉恥な行動を取る人間を応援できるわけもない。
そう、この映画は、感情移入できる人間も応援できる人間も不在の映画なのだ。もし彼の行動に、アメリカ人が共感できるというなら、アメリカ人がクソなのだ。

(以下ネタバレ)
で、アメリカ映画だから、子供が死ぬシナリオなんてことはまずないでしょ。じゃあ本当にリストの準備を飛び越えて、心臓移植を受けることができるか?それもないでしょ。じゃあ、どうやってオチをつけるか…を考えたら、想像ついちゃうよね。自分の心臓で移植しようとする以外にあり得ない。結構簡単に思いついちゃうから、観客の気をそらすしかない。だから、DV男と女の逆襲とか、現場責任者と警察署長のバトルとか、色々差し込まざるを得ないわけだ。

そのアイデアは否定しない。だけど、はじめからそれが目的だった…、そのために用意周到に準備していたのか!!!!と、とっても驚ける展開にしてほしかった。本作は、行き当たりばったりに見えるのだ。銃に弾は入っていなかった…とか、その程度じゃ、しっかり計画されていたようには到底思えないないのだ。

息子と自分の適合テストをして確認済みにようなことをいっていたが、そんな描写はどこにもなかったと思う。大体にして、移植できるだけのスタッフを確保して犯行におよんだわけではない。一人の心臓医を確保したにすぎず、他に手術を手伝える医者がいることを確認していない。設備が整っていることも確認できていない。大体にして、拳銃自殺した死体から移植用の心臓を取るのは厳しいのではないか?

はっきりいって、穴がありすぎ。『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』ばりの用意周到さをみせてほしかった。別の場所で要人の人質をとって、言うことを聞いて俺が自殺した後に移植しないと、そいつを殺すぞ…とかしないと、この作戦は成功するはずがない。
で、ジョンが妙に奇跡、奇跡といっているので変だと思ったら、偶然の出来事がおこって終わるという…。そして、手のひらを返したように、事件に巻き込まれた人がジョンの擁護にまわり、保険制度への批判話にすり替わる。

人質をとって不当にリストにのせたという悪行をうやむやにするために、リストにのせていなければあの心臓はムダになっただけという、異常なシチュエーションで誤魔化す。私は、愚かなシナリオだと思う。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]