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公開国:アメリカ
時 間:93分
監 督:マイク・ケイヒル
出 演:トム・ハンクス、デヴィッド・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカン、ジェームズ・クロムウェル、マイケル・ジェッター、グレアム・グリーン、ダグ・ハッチソン、サム・ロックウェル、バリー・ペッパー、ジェフリー・デマン、パトリシア・クラークソン、ハリー・ディーン・スタントン、ウィリアム・サドラー、ゲイリー・シニーズ、ポーラ・マルコムソン 他
ノミネート:【2010年/第27回インディペンデント・スピリット賞】新人作品賞、新人脚本賞(ブリット・マーリング、マイク・ケイヒル)
17歳でMITに合格したローダは、パーティで飲酒したにもかかわらず車で家に帰ろうとする。運転の途中、空に観たこともない星が浮かんでいることに気を取られ大事故をおこしてしまい、相手の車にのっていた妊婦と幼い男の子が死亡、夫は意識不明の重体となってしまう。彼女はその罪で交通刑務所に収監。4年後、刑期を終えたローダは、生き残った夫ジョンの家を探し出し、謝罪のために訪ねていく。しかし、対面したものの怖気づいてしまい、清掃業者だと身元を偽ってしまう。彼女はそのまま清掃業者としてジョンと関わりを続けていくが、真実を告げることができず罪悪感に苛まれるのだった。一方、空に現れた星が、地球と瓜二つの惑星であることがわかり…というストーリー。
贖罪のドラマとSFのミックスという奇抜なプロット。あまりにもかけ離れた要素、そのギャップをどういかせるかがすべてなのだが、被害者男性と加害者であることを隠して関わりを持っていく彼女の苦悩…それだけで充分に一本の映画にできる内容。それに加えて、惑星がどういうスパイスになっていくのか、非常に興味が湧くところなのだが、終盤になるまで、あまり関わってこない。
むしろ、社会はもっとパニックになってもよさそうなものだが、すごく平穏。いや案外そうなっても人間は普通に活動するものだよ…といいたいのならば、それをうまく表現すればよい。でも、していない。SF作品として観客の想像力をどうくすぐるか…ということをまるで放棄しているように思える。
じゃあ、一方の人間ドラマを厚く表現しているのか…と思いきやそうでもない。清掃業者仲間の老人がなぜ自殺しようとするのか。彼は、自分で漂白剤を目や耳に入れたりする。この世がいやになっているのなら思い切って自殺すればよいのだが、そういうことはせずに感覚だけを潰していく。それはなぜなのか、どういう感情なのか。ローダは彼を慮ってお見舞いにいって寄り添ったりするのだが、彼の行動と彼女の傷にどういう関係性があるのか、シンパシーを感じる部分がどこにあるのか、私にはさっぱりわからなかった。
普通、このタイトルの映画を借りる人は、これはSFなんだろう…と思って借りるだろう。そういう人はこう感じるに違いない。なんでMITに合格しただけの彼女が宇宙飛行士に選ばれるのか。まあ、異星探索を計画をしたのが民間の富豪だから、その人の裁量で選んでいるだろうからNASAの選定に基準とは異なるにしても、いくらなんでも無理があるだろう。それほど応募者がいないとでも?ものすごく長い旅になるような表現をしていたが、見かけ上あんなに大きく見えるんだから、それほど遠くはないはず。ましてや地球の周回軌道上にいるなら、片道切符になるわけでもないだろうし。
(以下ネタバレ)
で、当選者のきまぐれで、応募もしていない人間に宇宙飛行士になる権利を譲るとか、アホじゃねえかと。辞退したら別の応募者だろ。馬鹿クセー。はっきりいってまともに観ていられなかった。
さらに、最期は自分と同じ姿をした人が登場とか。こっそりこれるわけないじゃないか。何、この三流SF。
カメラワークがユニークで、急にズームしたり、パーンしたり、素人のビデオ撮影みたいな感じ。緊迫感を出そうとしているのかもしれないが、あまり効果は生まれていない。日本未公開なのも、納得のデキ。やるならもっと、ディテールをしっかりと。SFとしては駄作。ヒューマンドラマとしては凡作。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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