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公開年:1979年
公開国:日本
時 間:138分
監 督:斉藤光正
出 演:千葉真一、中康治、江藤潤、速水亮、にしきのあきら、三浦洋一、かまやつひろし、倉石功、高橋研、渡瀬恒彦、河原崎建三、角野卓造、鈴木ヒロミツ、竜雷太、三上真一郎、辻萬長、伊藤敏孝、加納正、清水昭博、古今亭志ん駒、佐藤仁哉 小野みゆき、岡田奈々、夏木勲、大前均、工藤堅太郎、仲谷昇、成田三樹夫、中田博久、小池朝雄、田中浩、薬師丸ひろ子、草刈正雄、勝野洋、岸田森 直江文吾、石橋雅史、真田広之、佐藤蛾次郎、中山剣吾、きくち英一、宇崎竜童、中庸助、高橋利道、栗原敏、井上清和、黒崎誠輝 他
ノミネート:【1981年/第9回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】参加作品 
 
伊庭三尉を隊長とする21名の自衛隊員は、日本海側で行なわれる演習に参加するために移動中、400年前の戦国時代にタイム・スリップしてしまう。状況が把握できないでいる中、長尾景虎が家来を引き連れて訪問してくる。時代は、織田信長が勢力を伸ばし、上杉、武田、浅井、朝倉などの勢力が覇を競い合っていた頃だった。景虎も伊庭たちが何者かわからずにいたが、見た目も話す言葉も“同族”であることを知り安堵。さらに、伊庭たちの武器の威力に強く惹かれ、仲間にしたいと考えるのだった。その後、景虎に敵対する勢力によって、仲間が多数死んだことから、成り行きで景虎に加担することとなる。近代兵器の威力で連戦連勝の景虎軍。そして、景虎と伊庭は、戦火の中、心を通じあわせていくのだった。そんな中、かねてから伊庭に反抗していた矢野が、仲間を引き入れて巡視船を強奪し反乱をおこすのだったが…というストーリー。

強力な武器を持った現代人が、戦国時代にいったら、歴史変わっちゃうんじゃね? という、ありがちな想像だけど、想像力がかき立てられる興味深い発想。掘り下げれば掘り下げるほど、おもしろくなるテーマだと思う。

ただ、観始めて30分くらいで、期待したコンセプトとなにか違うな…という違和感を強く感じ始める。タイムスリップした自衛隊員は、戦国時代の兵士たちに襲われる。弓などで襲われるわけだが、いくら中世の兵器とはいえ当たれば致命傷になる。それに対して、ガンガン発砲して圧倒的な武力差によって制圧していくわけだ。全編に渡ってそれが繰り返されるのだが、観ている側の頭に何が浮かぶかというと、補給もないのにどうしてそんなにガンガン使えるんだ? ということ。
節約しなければあっというまにタダの鉄の塊になる。給油もしないで戦車がどれだけ移動し続けられるのか。使えなくなれば、このお話はおしまいなのに。
その最たるシーンが、矢野の反乱を鎮圧した後に、船を沈めたこと。武器も燃料も相当あっただろうに、なんでそんな無駄なことができるのか。まったくもって意味不明。

製作側は、装備がどんどん消耗していくという事実をあえて無視しているように思える。ではその反面、何に焦点を当てようとしていたのか? にしきのあきらと岡田奈々のシーンが象徴する、ああいうセンチメンタルな部分である。さらに、それを多重的にする、つまり群像劇的な演出を施している。
矢野は自衛隊員ではあるが、過激な革命思想の持ち主で、伊庭とはそれがらみで因縁があるという設定もそのひとつ。設定自体は問題ないのだが、そのくだりで、所詮、専守防衛の自衛隊なんておままごといっているようで(というか明確に言っているのだが)、当時はそれなりに説得力があったのかもしれないが、今観るとなんかカチンとくる内容だったりする(が、それは別の話)。

で、このいかにも人間ドラマ的で群像劇的な演出は、はたして良い効果を生んだか否か。さらにそれを、SF的観点(決められた自衛隊の装備で、戦国時代でどこまでできるか? という“if”)とバーターにしなければいけない理由はなんだとのか?

別に、両方やっちゃいけない理由は何も無いわけで、単なる無敵な魔法道具をもった集団としか描いていない点に違和感を感じる。やはり、もうちょっと戦略的な部分にスポットを当てて欲しかったと強く思う。そのおかげで、武田軍との戦闘で劣勢になっていくシーンに、まったく深みが無くなってしまっている。一番のクライマックスのはずなのに、正直、眠りそうになった。

で、そこが眠りそうになるくらいつまらないことに、製作側も気付いていたのか、真田広之や薬師丸ひろ子などJACや角川関連の目立つ役者どころをチョイ役で出してみたりするのだが、まさに付け焼刃。
でも、逆に言えば、本作における付け焼刃的演出が、ものすごいとも言える。JACのアクション、自衛隊装備のそれなりのリアルさ、まったく現代の建造物などが見えない場所でのロケーション。何とかしなければマトモな映画にならないという、現場のがんばりというか焦りが伝わってくるようだ。

まあ、結果的には、コンセプト構築の段階で失敗している。旬のいい魚を仕入れたのに、カレーに入れちゃうんだ…的な、感覚になる作品。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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