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image1980.png公開年:2011年
公開国:アメリカ、オーストラリア、メキシコ
時 間:142分
監 督:トロイ・ニクシー
出 演:ケイティ・ホームズ、ガイ・ピアース、ベイリー・マディソン、ジャック・トンプソン、ギャリー・マクドナルド、ジュリア・ブレイク、ニコラス・ベル、アラン・デイル、テリー・ケンリック 他
コピー:背筋も凍るおとぎ話。
気をつけて!やつらは、暗くなるまで待っている。


アメリカ、ロードアイランド州。建築家アレックス・ハーストは、100年近く放置されていた屋敷ブラックウッド邸を購入し、恋人で助手のインテリア・デザイナーのキムと一緒に修復作業を行っていた。彼には別れた妻との間に小学生の娘サリーがいたが、両親の離婚で心を閉ざしていた彼女を、ロスから屋敷に呼んで一緒に暮らすことにした。しかし、屋敷にやってきたサリーは、通風孔の奥から誰かが話しかけてくる声を聞く。翌日、声のした先に地下室を見つけ、アレックスに教える。屋敷の使用人のハリスは地下室に近寄ることを止めるが、アレックスは壁に塗りこめられた扉をこじ開け地下室に入っていく。そこは、著名な画家で元家主のブラックウッドのアトリエだった。サリーはそこで厳重に封印された小さな扉から、昨日聞いた声が聞こえるのに気付き…というストーリー。

ギレルモ・デル・トロが脚本・製作ということで、期待はしていたのだが、残念ながら同じデルトロ作品である『パンズ・ラビリンス』とくらべるとかなり落ちる。
トロイ・ニクシーという人は漫画家さんで監督経験は始めてらしい。制作費は2,500万ドルほどだったようで、それほど高額とはいえないが、それでももっと安っぽく見えるのは、監督の力量不足のせいだと思う。この手の作品には、独特な様式美というものが大事。元画家の屋敷ということで、使える要素はたくさんあったのだが、シナリオ上その画風や作品などを終盤まで出すことができなかっためか、生かすことができなかった模様。よって、凝った部分を見出せなかったのが残念。デル・トロとの違いが浮き彫りになってしまった感じ。漫画家ならではの印象的なカットを期待したのだが、空振り。

それでも、小鬼のフォルムがよくて魅力的だった。もっと禍々しく、もっと煩わしく、もっと憎々しく、それこそ『グレムリン』ばりに比重を置いてもよかったと思う。しかし、設定上、光が苦手ということもあってはっきり見えるシーンが少ないという足枷が。どうも、演出と設定がかみ合っていない。

ケイティ・ホームズ、ガイ・ピアーズとなかなかのキャスティングにも関わらず、彼らの良さが全然生きていないのも、監督の力量不足。非常にカット割に気を使っているのはわかるが、スリリングさにかける。
#子役が可愛くないのはご愛嬌。

(以下、ネタバレ)
それでも、そこそこなダークファンタジーとして、要所要所でドッキリやびっくりを散りばめながら最期までもっていく。しかし、残念なのは、地下に引きずり込まれた彼女が、小鬼と同調しちゃってる終わり方が意味不明なこと。そういうオチにしたいなら、小鬼たちの存在の意味や行動の目的をはっきりさせないといけないと思う。何故、子鬼たちはそういうことをするのか。恨みなのか、呪いなのか…。まあ、デル・トロ作品なので、“そういう存在”なだけ…というノリだとは思うんだけど、そこは、何らかの示唆をすべきだったろう。ブラックウッドが晩年、その厄災に巻き込まれた…という謎解きだけでは消化不良だった。

なんなら、パーティの参加者がみんなひっくるめて、小鬼の被害にまきこまれて、しっちゃかめっちゃっかになったほうが面白かったような気もしないでもないが、“命ひとつ”の設定上の縛りがあるので不可能か。やっぱり、設定が演出上の面白みを削いでしまっているような気がする。

正直、ピリっとしないのだが、そこそこのダークファンタジーにまとまっている感じ。旧作料金なら許せる凡作。

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