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公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:アレックス・プロヤス
出 演:ルーファス・シーウェル、キーファー・サザーランド、ジェニファー・コネリー、ウィリアム・ハート、リチャード・オブライエン、イアン・リチャードソン、ブルース・スペンス、コリン・フリールズ、メリッサ・ジョージ 他
コピー:闇の都市に渦まく<謎>の複合体
バスタブの中で目覚めた男。何故自分がここにいるのか、自分が一体何者なのか、記憶が無い。バスルームから出て部屋に戻ると、ベッドの横には若い女性の死体が。そこに、電話が鳴り「早く逃げろ」の声。黒ずくめの男たちの手を逃れ、ホテルを思しき建物から脱出し、夜の街へ。微かに残る記憶を頼りに、色々な場所を訪れるが、一向に記憶は戻らない。そして、精神科医と名乗るシュレーバー博士や敏腕刑事のバムステッド警部、そして妻と名乗るエマと出会い、この街の何かがおかしいことに気付くのだったが…というストーリー。
ほとんどが夜のシーンで、寂れた街並みに味がある。また、謎の男たちや刑事たちに追われるハードボイルドな展開と、自分探しや世界の謎解きがうまく噛み合っている。こういう部分は非常に魅力的だと思う。
この世界は何なのか。自分が感じるこの違和感は何なのか。確信に近づけば近づくほど、謎の男たちの包囲網は狭まってくる。そして、自分の記憶が、リアルな記憶ではないのか?という疑念。この世界が作られたものなのではないか?という展開は、『マトリックス』によく似ている(まあ、本作のほうが前に製作されているが)。
リアルな街だと思っていた世界の、地面や建物がうねうねと動き出し、空間の上下が倒錯する世界。これは、『インセプション』によく似ている。これらに既視感を覚える人は多いと思う。
(ネタバレ注意)
その世界が、大昔の人が考えた“亀の上に乗っかっている世界”のように、宇宙空間にある領域であること。そして、何度も何度も繰り返している…という設定は非常におもしろい。ただし、超能力的な部分が、SF要素がうまくこれらに噛み合っているかはちょっと微妙。最も、ピリっとしないのは、宇宙人さんたちが、人間を隔離している理由。心が無いから、人間の“心”が何なのか知りたい…って、この原因がぼんやりしすぎだと思う。
いずれ地球を支配するために、人間の行動様式や特性、生態を深く知るための実験…でいいじゃないか。不必要にぼんやりさせるから、最後のバトルもぼんやりしてしまって、締りが無くなってしまったんだと思う。実験動物のような暮らしではなくなるのはいいとしても、結局、虚像の世界を生きていかねばならないという空しさも薄い。
妻エマとの間にある感情は、かりそめのものなのか、この世界に拉致される前からのものなのか、それとも何度も繰り返される中で生まれたものなのか。その辺が、効果的に使えていなかったのも残念に感じる。
キーファー・サザーランドはまるで彼じゃないような熱演だし、ジェニファー・コネリーもヌメっとした魅力をうまく表現していると思う。この湿度が高そうで閉塞した世界観は、好きな人はハマるだろう。それだけに、個人的にはもう一押し、もう一ひねり欲しかったところ。
宇宙人が一個の“群”であるところや、記憶がバクテリアみたいで“カクテル”できるなんていう設定はちょっと古臭いかな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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