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image2021.png公開年:2010年
公開国:ノルウェー
時 間:103分
監 督:アンドレ・ウーヴレダル
出 演:オットー・イェスパーセン、ハンス・モルテン・ハンセン、トマス・アルフ・ラーセン 他
コピー:本当に、本当にいる! これは全世界を揺るがす衝撃的な記録映像である!





ノルウェーのヴォルダ大学の学生3名は、地元で問題になっていた熊の密猟に関するドキュメンタリーを作成していた。密猟事件を取材していくと、その容疑者としてハンスという男が浮かび上がる。キャンプ場に滞在していた彼は、取材に一切応じない。3人がハンスの行動を監視していると、毎夜森に入っていくことがわかり尾行することに。すると、ハンスが相手にしていたのは、おとぎ話に登場する“トロール”。からくも逃げ切る一行。混乱しつつもハンスに同行取材を申し込むと、難色を示しつつも許可してくれた。ハンスはノルウェー政府機関であるトロール保安機関(TSS)に雇われたハンターで、本来の生息テリトリーから逸脱したトロールを殺す仕事を請け負っているのだが、政府のトロールに対する扱いへの疑問と、あまりにも過酷な仕事ゆえ、彼らの取材がそれに一石を投じることになるのではと思ったのだ。そして3人はハンスの指示の元、トロール捜索に帯同するのだったが…というストーリー。

やはりトロールという北欧ならではの存在を扱っている点が、日本でのとっつきにくさにつながっているのか。日本でトロールといえばムーミン。さすがに本作にでてくる生物がムーミンのようにかわいいということはないのだが、人に害をなす謎の生物としては、いささか緊迫感に欠けるフォルム。コミカルな生物が人間を襲うというギャップを狙うという演出上の作戦も無いわけではないのだが、さっとした気持ち悪い生物だったりして、なにかピンとこない。
それでもCGは、なかなかがんばっていて、ノルウェーの技術はなかなかのものである(ノルウェーのスタッフなのかどうかは知らんけど)。おそらく同じものを日本でつくったとしたら、もっと興ざめするものになっていたと思う。

ドキュメントタッチで、見つかったビデオテープを編集しました…的な手法は、『パラノーマル・アクティビティ』や『ブレアウィッチプロジェクト』とか、もう使い古された手法で食傷ぎみ。ビデオカメラが収めた謎の生物ってことだと『クローバーフィールド/HAKAISHA』ってのもあるし。
でも、舞台が北欧というわかっているようでいまいちわかっていない地域である点と、自作の強化服でトロールに退治するハンターのローテクっぷりのおもしろさや、国家的に対処しているわりにひっそりと地道に隠蔽されている様子が、なんともいい味を出している。仮にアメリカでリメイクしたとしても、国家的プロジェクトという設定にしてしまったらすっかり興ざめしてしまうだろう。秘密結社的なお仕事として脈々とボランティアが続けられていた…みたいな設定にでもしないとね。ハリウッドはリメイク権を買うような気がするのだが、彼らがどう仕上げるのかは、すごく興味がある。

トロールがなぜ、本来のテリトリーから逸脱しはじめたのかという説明は、うまくできていると思う。光を浴びるとできるビタミンDをうまく処理できないから光を嫌がるという設定もおもしろい。だけど、光を一定量浴びると爆発しちゃうとか、老齢のトロールは固化しちゃうというのはやりすぎじゃないかなぁ。倒れて、それを始末するのが一大事…とか、そういう設定のほうがよかったかも。
なんで、キリスト教徒じゃダメなのか…については、設定がいまいち消化しきれていないかと。北欧神話をはじめ土着の神話がキリスト教に駆逐されたという歴史があるから、言いたいは判る、しかし、トロール退治の向き不向きとは繋がりが表現しきれていない。

『シェーン』のように巨大トロール退治を終えたハンスは去っていくのだが、彼らに取材させ映像に収めさせたにもかかわらず、なぜ放置したのか。車は壊れ、まともに岐路につける可能性は高くない上に、派手にバトルしたので秘密機関に位置がわかってしまうのは明白。疲れきってしまって、取材を受けることすら面倒くさくなって、自暴自棄になってしまったとでもいわんばかりなのだが、そういう解釈でいいのかしら。まあ、相手がトロールだけでに、なんかボヤーンとしたゆるいオチなんだけど、このゆるさが、作品のウィークポイントであり魅力でもある。

なんだかんだいって、個人的にはかなり楽しめたので、隠れた迷作としてお薦めしたい。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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