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image0944.png公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:140分
監 督:クリストファー・ノーラン
出 演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙、ケイティ・ホームズ、キリアン・マーフィ、トム・ウィルキンソン、ルトガー・ハウアー、ライナス・ローチ、ラリー・ホールデン、コリン・マクファーレン、ジェラルド・マーフィ、サラ・スチュワート、リチャード・ブレイク、ラデ・シェルベッジア、エマ・ロックハート、ガス・ルイス、クリスティーン・アダムス、キャサリン・ポーター 他
受 賞:【2006年/第15回MTVムービー・アワード】ヒーロー賞(クリスチャン・ベイル)
コピー:その男は「闇」から生まれた──。

不況に喘ぐ大都市ゴッサム・シティ。大富豪の息子ブルース・ウェインは観劇の帰り道、目の前で強盗に両親を殺害されてしまう。成長したブルースは両親を殺した犯人が仮釈放を求める審判の直後に殺害される現場を目撃。自分の中にある復讐心と正義との狭間で間が気苦しむブルースは、答えを求め放浪の旅に出る。やがて、デュガードという男と出会い、彼の薦めでヒマラヤの奥地に本拠地を構える“影の同盟”という組織と接触。そこで訓練を積んだブルースだったが、正義に対する考えかたの相違から組織から離脱。未だ犯罪が蔓延するゴッサム・シティに帰郷する。その後、執事のアルフレッドやかつて父の元で役員だったフォックスの協力を得て、全身黒装束のバットマンとなり、巨悪と対峙することを決意するのだったが…というストーリー。

昨日に続き、“ビギンズ”物。

渡辺謙の扱いが軽い…というか、渡辺謙には役不足という方が正しい。あのちょい役悪人しては存在感がありすぎるし、日本人だからかもしれないが、このまま単なる悪役で終わるとは考えにくく、まだ一展開あるのでは?と無駄な気を使わせる。
#ヒマラヤあたりにいる謎のアジア人が、アラブ系の名前で且つニンジャ集団を率いているという、よくわからない設定(詳しくないんだけど、原作コミックでもこんな感じなの?)。仏教といえばチベット仏教しか思い浮かばないくせに、忍術を駆使するニンジャが本気で存在すると思っていたりする。見たいものしか見ないおめでたさというか、アメリカ人の考えることはよくわからない。

前半は漠然とした社会悪と戦う展開が続くので何かぼんやりしているし、見えない敵とシャドーボクシングしているようで、滑稽に見えてしまう所もある。悪がはびこる街に現れるヒーローと市民との関係という意味では、『スパイダーマン』のほうがよく描けている気がする。

後半、スケア・クローが登場して敵がはっきりしてくると、ストーリーの焦点が合ってきて、面白くなってくる。ピリっとしないアクションや武器のギミックも、このあたりからおもしろくなってくる。
しかし、リーアム・ニーソン演じるヘンリー・デュガードが再登場してくると、またまたぼんやり状態に逆戻り(はっきりいって、最後のボトルは眠くなるほどつまらん)。だって、所詮生身のテロリストだもの。

武器や装備に関しては、できるだけ説得力のあるものにしようという姿勢が伺えるし、クリスチャン・ベイルの演技も“リアル・バットマン”にマッチしていて、非常に好感が持てる。しかし、ネタフリともいえる“影の同盟”のくだりが、時間を要しているわりにおもしろくないのが、本作の最大の難点。それにつきる。ストーリー構成と時間配分に、もう一ひねりほしかった。

本作のデキを見る限り、『ダークナイト』であそこまではじけるとは、だれが予測できただろうか。『ダークナイト』がなければ、凡作として片付けられたであろう作品。




負けるな日本

 

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image1736.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:マシュー・ヴォーン
出 演:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、ローズ・バーン、ジャニュアリー・ジョーンズ、オリヴァー・プラット、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ゾーイ・クラヴィッツ、ルーカス・ティル、ジェイソン・フレミング、エディ・ガテギ、アレックス・ゴンサレス、ローレンス・ベルチャー、ビル・ミルナー、グレン・モーシャワー、マット・クレイヴン、レイ・ワイズ、マイケル・アイアンサイド、ドン・クリーチ、ヒュー・ジャックマン、レベッカ・ローミン、デミトリ・ゴリツァス、レイド・サーベジヤ、ジェームズ・レマー、ベス・ゴダード、サーシャ・ピーターズ、モーガン・リリー 他
コピー:共存か、支配か。その<起源>を目撃せよ!

ナチスによる強制収容所。シュミット博士はユダヤ人のエリック・レーンシャー少年が鉄門を捻じ曲げるのを目撃する。博士は、エリックの能力を引き出そうと彼の目前で母親を殺害すると、その怒りと悲しみによって、磁力で金属を意のままに操る能力が発動。エリックはその後、研究対象となっていく。同じ頃、ニューヨークの裕福な家の息子チャールズ・エグゼビアは、屋敷で変身能力を持つ青い肌の少女と遭遇する。チャールズは自分と同じような人間がこの世に存在することを喜び、彼女を屋敷に迎え入れる。彼も強力なテレパシー能力を持っていたのだ。18年後、成人したエリックはシュミットに復讐するために、ナチスの残党を探し出して襲撃していた。チャールズはイギリスのオックスフォード大学で突然変異・ミュータントに関する研究をしていたが、そんな彼に、捜査の過程でミュータントの存在を知ってしまったCIAエージェントのモイラ・マクダガート大佐が接触してくる…というストーリー。

まず、なんといっても、『X-MEN』『X-MEN2』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』でおざなりになっていた、エグゼビアとマグニートーの過去がすっきり判明するのがよろしい。元は行動を共にしていたが、意見の相違で袂を別ったということが説明されているだけにすぎないが、やはりなぜミュータント同士が争いあっているのか…という根本がぼんやりしている気持ち悪さは如何ともし難かった。
マグニートーを演じるイアン・マッケランが同性愛者だったことから、どうもその過去設定に変な含みがあるようで気持ち悪かったのだが、一応すっきりする。いや、人によってはますます同性愛的な描写に感じられたという人もいるかもしれないが(笑)。

以下、若干ネタバレ注意。

ミスティークがそんな古くから関わっていることや、ビーストがあの姿になった経緯(足が手なだけのミュータントって、一人だけ随分レベル低くね?と思っていたら、その展開だもの)、エグゼビアが車椅子に乗っていることの理由。あれ?そのヘルメットってマグニートーのだよね。あれ?マグニートーの能力って磁力だよな。能力が移動しちゃう?いやいや『X-MEN』でもゲットーのくだりはあったから、やっぱりエリックがマグニートーだ。ってことは…等々…。X-MENフリークでもない私は、もちろんそんな細かい設定を知らないので、一つ一つ謎は判っていくときの「お~」っていう感じがとにかく快感だった。
本作を観終わると、いままでこのあたりをうやむやにしてきたことが罪に感じられるほど。

キューバ危機回避の理由をX-MENにしてみたり、ミュータントの発生原因を原水爆実験で放出された放射線が原因だとしてみたり、アメリカ人のお気楽脳全開が成せる技ではあるのだが、まあ、そういうことを含めて、ある意味、アメリカの歴史のエンターテイメントさは、うらやましいかもしれない(あくまで、エンターテイメント的には…という話)。
これによって、ミュータントと人間の対立の萌芽が説明されており、シナリオとしても秀逸だと思う。そう、ミュータント同士の対立+ミュータントと人間の対立、それ至る両方の過程がすっきりと腑に落ちる。

ウルヴァリンは不老不死設定だから、あのまま出てくるのはよしとしても、チャールズとエリックがオズオズと引き返してくるのは、いまいち納得できない。サービスカットなのはわかるけど、勧誘を途中でやめたうまい理由を演出してほしかった。唯一の不満はこの1点のみ。
とにかく、本作をありきたりのビギニング物と侮っていたら大間違い。X-MENシリーズの中で最高のデキだと思う。傑作というのは少しだけ躊躇するが秀作であることは間違いない。
X-MENの1作目は良しとしても、『X-MEN2』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』は落第点といってよかったもの。本作を観るとブライアン・シンガーのアレはいったいなんだったのか…と、思ってしまうほどである。

もちろん、サイクロプスやらストームやらも登場していないし、『X-MEN』以降に登場しないミュータントが存命なことから、まだまだそれに続く展開が存在するのは明白。3部作になると思われるので、大変期待できる。原作設定なので仕方がないのかもしれないが、アザゼルの能力だけが特出していて、バランスが悪く感じるのも、次作以降の展開で何かがある布石に違いない。

いやぁ、いいものを観た。強くお薦めする。そんな超能力者が戦うマンガみたいな話は興味ないわ…という人も、コレを機会にどうぞと言いたい。次は劇場で観てもいいかもと思わせてくれるレベル。


負けるな日本

 

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image1260.png公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:152分
監 督:クリストファー・ノーラン
出 演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、アーロン・エッカート、マギー・ギレンホール、モーガン・フリーマン、エリック・ロバーツ、ネスター・カーボネル、モニーク・カーネン、ロン・ディーン、キリアン・マーフィ、チン・ハン、リッチー・コスター、アンソニー・マイケル・ホール、キース・ザラバッカ、コリン・マクファーレン、ジョシュア・ハート、メリンダ・マックグロウ、ネイサン・ギャンブル、マイケル・ジェイ・ホワイト、ウィリアム・フィクトナー、マシュー・オニール、エディソン・チャン、マイケル・ストヤノフ 他
受 賞:【2008年/第81回アカデミー賞】助演男優賞(ヒース・レジャー)、音響賞[編集](Richard King)
【2008年/第34回LA批評家協会賞】助演男優賞(ヒース・レジャー)
【2008年/第66回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(ヒース・レジャー)
【2008年/第62回英国アカデミー賞】助演男優賞(ヒース・レジャー)
【2008年/第14回放送映画批評家協会賞】助演男優賞(ヒース・レジャー)、アクション映画賞
【2009年/第18回MTVムービー・アワード】悪役賞(ヒース・レジャー)
【2008年/第32回日本アカデミー賞】外国作品賞
【2008年/第51回ブルーリボン賞】外国作品賞
コピー:最凶の敵が、来る

バットマンとゴードン警部補が犯罪に立ち向かうゴッサムシティに、“ジョーカー”と名乗る白塗りの裂け男が現れる。またたくまに頭角を現し、大胆不敵に次々と凶悪事件を起こしていく。そんな中、地方検事として新任してきたハービー・デントは、ますます正義感に燃え、バットマンと協力して犯罪撲滅を推進していくのだった。しかし、そんな警察の努力をあざ笑うかのように、ジョーカーは犯行を重ねゴッサムシティを混乱に陥れる。そして、バットマンたちを徹底的に追い込むために、とある謀略を巡らせるのだった…というストーリー。

日本でも一昔前“新人類”なんて言葉が流行ったし、いつの時代でも「近頃の若い奴は…」と年寄りは言い続けている。しかし…である。
本作のジョーカーは単なるサイコを越えた存在。私怨だとかまともな動機による犯行ではなく、“そうしたいからする”という、まさにナチュラルボーン脱法者。これまでも、シリアルキラーなど常人の理解を超えた犯罪者を扱うことは多々あったが、所詮は特異な存在だった(特異だからこそファンが生まれるなどの現象もおこる)。

口が裂けてる理由を親からの虐待だと説明しているところから、一瞬やっぱりシリアルキラー的な存在なのか?と思ってしまうところなんだけど、虐待された人間の多くが異常犯罪者になるかというとそんなこともないし、むしろそれを自分からペラペラしゃべるところがウソくささ満載。そんな、一筋縄で理解できないところがクセ者。

しかし、昨今の世の中を見ていると、理解できない行動様式のやつが散見される。欧米では移民を増やしたはいいものの、同じ教育によって寛容されるコンセンサスが存在しないと、ここまで同じ人間とは思えない状況になるのか…と愕然とする始末。気付いた頃にはとき既に遅し。社会はアノミー状態に。
そんな理解のできない奴らが何かをやらかしてくる恐怖。つまり、テロに対するアメリカの苦悩や、個人では抗いがたい社会不安が、ハリウッド映画に如実に反映されているということだろう。そんな諸々をすべて演技で表現してしまったヒース・レジャー、恐るべし。本当に惜しい人を亡くした。

加えて、後にトゥーフェイスとなる検事に、民主主義国家としての“あるべき正義の姿”を見てバットマンが苦悩するという展開。普通、ヒーロー物で、そこを悩まれちゃうと成立しなくなる。民主主義国家において、国民の正式な付託を受けない権力は認められるべきではないなんて、まさか、ヒーロー物に「まだまだアメリカ、捨てたもんじゃない」と思わせられるとは。ヒーロー物でここまで社会不安や民主主義のテーゼを見事に反映させ、綺麗にまとめがて作品は、他にはなかろう。
リニューアル1作目の『バットマン ビギンズ』は、渡辺謙の出演などで話題にこそなった。しかし、内容的には原作をなぞっただけで(ティム・バートンのおふざけ調を廃しただけで)、この先どうなるものかと不安になったものだが、2作目で弾けすぎるほど弾けた。
別に、1作目を見なければついていけないわけでもないし、普段はヒーロー物なんか見向きもしない人も、これだけは観ておけとはっきり言い切れる作品だ。お薦め。

ただ、『スパイダーマン』然り、アメコミヒーロー作品に出てくるヒロインっていうのは、キルステン・ダンストやアンナ・パキンなどなど、なんでいまいちおばさん臭い人ばかりキャスティングされるのか、アメリカ人のセンスがよくわからん。


負けるな日本

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image1686.png公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:119分
監 督:ミシェル・ゴンドリー
出 演:セス・ローゲン、ジェイ・チョウ、キャメロン・ディアス、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ジェームズ・オルモス、デヴィッド・ハーバー、トム・ウィルキンソン、エドワード・ファーロング、ジェイミー・ハリス、チャド・コールマン、ジョシュア・チャンドラー・エレンバーグ、アナリー・ティプトン、テイラー・コール、ロバート・クロットワーシー、マイケル・ホールデン、ジェームズ・フランコ、アイリーン・ホワイト 他
ノミネート:【2011年/第20回MTVムービー・アワード】ブレイクアウト・スター賞(ジェイ・チョウ)、悪役賞(クリストフ・ヴァルツ)
コピー:俺たちが、悪を刺す!

新聞社創業者の息子であるブリットは、幼いころに母親を亡くし、父によって厳格に育てられたが、その反動で放蕩息子に成長してしまう。ある日、父が蜂に刺され急死してしまい急遽社長に就任。その後、父の運転手だったカトーから、父とカトーが秘密裏に数々のハイテクマシンを発明していたことを聞き驚愕するブリット。突然、正義に目覚めた(?)ブリットは、父の意志を継いで街の悪を一層することを決意。緑色のスーツとマスクに身を包み“グリーン・ホーネット”と名乗り活動を始める。さらに、単なる正義の味方よりも悪人を装った方が注目を集めやすいと考えたブリットは、新聞社の記事を利用してグリーン・ホーネッが悪者であることを吹聴するのだった。そしてハイテク機能満載の愛車“ブラック・ビューティー”で夜の街へ繰り出し、悪党退治に勤しむ二人だったのだが…というストーリー。

昨日の“RED”から“GREEN”へ。
TV版の『グリーン・ホーネット』のことをまったく知らない。なので、中国人の“カトー”って何の冗談だよ!って言いたくなったのだが、まあオリジナルがそうだから、しょうがないんだろう。昔はブルース・リーが演じていたそうで、それを知っている人は楽しめたのかしらね。

『バットマン』の主人公が能天気バカだったら…、そして、執事のじいさんがカンフーの達人だったら…っていうドリフのコント的な感覚で鑑賞させてもらった。昨今の、能力インフレ状態なアメコミヒーローの映画化がオンパレードな状態を考えると、こういう等身大ヒーロー映画はアリだとは思う。しかし、残念ながら生身ヒーローの味わいという点では、完全に『キック・アス』のほうが上。いや、『キック・アス』と比べてしまうと、本作には味が無いと感じるくらい差があるかも。

影でがんばってるのにぜんぜん報われないどころか、迫害されてんじゃねーのか?ってくらい扱われ方がひどいカトー。打って変わって自分勝手で人非人な主人公。方向性としては悪くないけれど、今一歩コメディーになりきれておらず、不快感が拭いきれていないのが敗因か。こういうのって、主人公に共感できる要素がないと、ノリきれない。心に傷もなく悪びれもせずに好き放題のお坊ちゃま。出自がよろしくないものの運動能力も高く、科学も工作能力も天才的な若者。この二人にシンパシーを感じるか?といわれると否だろう。これも敗因。金“だけ”はある、知恵“だけ”はある。でも社会的には全然認められていないミジメな人。そんな二人ががんばってますよ!っていう泥臭さを強調しないとダメなんじゃないのかな。私はそう思う。
いや、そんな熱いノリはまっぴらごめんで、軽く仕上げようとしているんだよ!と言うかもしれないが、製作側に飄々としたセンスがないんだろう、心地よい軽さには程遠い。

肝心の主役二人よりも、悪役のクリストフ・ヴァルツのほうが生き生きしていて魅力的に映ったかも。そして、くずれかかったキャメロン・ディアスも逆に良い感じ。それ以外は至極“普通”の作品。残念ながら続編はないと思う。ヒーロー物としては「そんなのもあったね…」と、このまま忘れ去られる作品かと。


負けるな日本

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image0488.png公開年:2007年 
公開国:アメリカ
時 間:110分
監 督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
出 演:ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ウェス・ベントリー、サム・エリオット、ドナル・ローグ、ピーター・フォンダ、マット・ロング、ラクエル・アレッシ、ブレット・カレン、ローレンス・ブルース、ダニエル・フレデリクセン、マシュー・ウィルキンソン、ギブソン・ノルティ 他
ノミネート:【2007年/第28回ラジー賞】ワースト主演男優賞(ニコラス・ケイジ「ナショナル・トレジャー」「NEXT」に対しても)
コピー:拳(フィスト)にチェーン、魂(ソウル)に正義。
運命の鎖に繋がれたアナザー・ヒーロー。

移動サーカスでのバイク曲芸を生業とするブレイズ親子。ある日17歳ジョニーは、父がガンに冒され全身に転移しており、余命幾ばくもないことを知る。そこに、悪魔メフィストが現れ、父親の命と引き換えに魂を売り渡すことを契約してしまう。確かに契約通り父親の病気は快復したものの直後に事故死してしまう。悲嘆にくれるジョニーは、恋人のロクサーヌも捨ててサーカスを飛び出してしまう。13年後、不死身のバイクスタントとして名声を得ていたジョニーの前に、メフィストが再び現れる。メフィストは魔界の反逆者であり彼の息子でもあるブラックハートを捕らえるよう命じ、ジョニーにゴーストライダーとなるべく魔界の力を与えるのだったが…というストーリー。

とても面白い素材だと思うし、このストーリーは好きなほうだと思う。ただし、それが生かしきれておらず、満足度がものすごく低い。

まず、冒頭のゴーストライダーの説明がよくわからない。悪魔と契約した邪悪な魂を捕らえるのが使命とのことだが、ゴーストライダー自身が悪魔メフィストのしもべとして行動している模様。この時点で、頭に???マークが。なんで、メフィストは悪魔との契約者を退治させているのか。根本的にわからない。大事な部分なのできっちりわかりやすく説明してほしい。
#多分、原作を読めばわかるんだろうけど。

この映画がイマイチ流行らなかった(続編が作られない)一番の原因は、肝心のゴーストライダーが格好悪いからである。
大体にして単なるホネホネロックだから。骨のキャラクターだとしても、骨をベースにした異形のヒーローにすることは可能だろう。骨の形状をすこし鬼っぽくするとか、すこしゴツゴツさせるとか、工夫はいくらでもできたはず。完全に肉が剥げただけの骨格標本なんだもの。
そして、着ている革ジャンの中身は地獄の炎でパンパンに膨れているのだが、これまた革ジャンの縫製を忠実に表現してるもんだから、寸胴になっちゃってる。もうちょっと腰を締めて格好のよいバランスにできただろう。CGなんだから。
#それでも、バイクのデザインとチェーンアクションの格好よさでフォローできてはいるので、ギリギリ許せはする。

警察に拘留されたところで、チンピラどもをやっつけちゃうくだりは非常に面白い。悪魔と実社会の悪を重ねて、どんどん世のダニを退治してくれたりすると、すこしはカタルシスを感じられたかもしれないけど、残念ながらそれ以降人間は相手にしない。悪魔さんたちを相手の戦っても所詮絵空ゴトなので、ピンとない。やっぱり悪魔と契約した憎たらしいやつらをやっつけないとおもしろくならないだろう。シナリオのセンスないなぁ。

振り返って考えると、ロクサーヌというキャラは必要かどうか、甚だ疑問に思えてくる。「私カワイイわよね?」なんて言うのだが、別にたいしてカワイクはないし、そこまで魅力的な行動をとるわけでもない。終盤のバトル中でも大して重要な役割ではない。かといって、主人公の重い足枷になるわけでもない。『スパイダーマン』のメリー・ジェーンに比べると必要性が薄い。こんなキャラを出すくらいなら、悪魔と契約した悪い人間を出したほうがいいのに。
#最後、別れる理由もわかったようなわからないような。

アメコミ大好きのニコラス・ケイジだが、彼が絡むヒーローものは本当にツマらなくなる。よほどのアメコミ好きでもないかぎり、本作は観る価値なし。多分、別の監督で別の主役でリメイクしたら、ものすごくおもしろくなると思う。残念。






負けるな日本

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image0508.png公開年:2005年 
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:フランシス・ローレンス
出 演:キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ、シア・ラブーフ、ジャイモン・フンスー、マックス・ベイカー、プルイット・テイラー・ヴィンス、ティルダ・スウィントン、ギャヴィン・ロズデイル、ピーター・ストーメア、ホセ・ズニーガ、エイプリル・グレイス 他
コピー:天国と地獄のエージェント



生まれながらに天国や地獄の住人を見分ける能力を備える男コンスタンティン。人間界には、天使と人間・悪魔と人間の中間的な存在“ハーフブリード”が紛れ込んでおり、悪事を働くものが少なくない。コンスタンティンは自らの能力を用いて、悪事を働くハーフブリードを地獄へ送り返す戦いを長らく続けていた。一方、敬虔なクリスチャンであるロス市警刑事アンジェラは、双子の妹イザベルが入院中に自殺したことを受け入れることができず、真相を究明しようとコンスタンティンに接触を図る。異界からの影響が過大になってきたと感じていたコンスタンティンは、この異変にイザベルの自殺が関係していると考え、謎解きに協力するのだったが…というストーリー。

簡単にいってしまえば、マンガチックなエクソシスト。マンガなんだから、ストーリー面に凝って、変に哲学的になっちゃうよりも、細かいギミックの格好よさや、ビジュアル的なインパクトに注力するほうがおもしろい。そういう意味では、ロシアの『ナイト・ウォッチ』なんかよりは全然好感が持てる。#そういえば、『ナイト・ウォッチ』『デイ・ウォッチ』と続いて、その後はどうなった?
地獄のビジュアルもいいセンスだし、十字架くっつけた銃やとか、肘から先をくっつけてタトゥーを合わせて悪魔呼んじゃうとか、真剣にマンガをやることこそ面白さの極み。吹替えで観てもわかるキアヌ・リーヴスの大根っぷりが、本作のテイストに逆にマッチしている。むしろ、マンガっぽさは足りないくらいで、敵も味方ももっといろんな攻撃手段で戦って欲しかったくらい。そう、ちょっと、おもしろギミックが登場しはじめるのが遅かったかも。前にも言ったけど私はレイチェル・ワイズがいまいち好きじゃないので、正直、彼女がらみの前半のすったもんだが邪魔くさかった。

天使と悪魔の壮大な戦いの割には、すんなり敵のトップが登場して、普通に絡んじゃうところが、陳腐に感じてしまうかもしれない。ティルダ・スゥイントン演じるガブリエルは大天使ガブリエルではないってことらしいが(なんか言い訳くさいけれど)、これを大天使と判断してしまうと、ますますショボく感じてしまっただろう。
彼が天国に行きそうになったからって、生き返らせちゃうって、ルシファークラスが神に簡単に手玉に取られちゃった感じで、私がルシファーならやる気なくしちゃうわ。せめて、もう少し、コンスタンティンが何でこんな能力を持ち合わせているのか?というところを、軽く臭わせてほしかったと思う。

まあ、続編を作ってもOKといえる程度に愉しめる作品ではあるのだが、昔観たときよりもかっちょよく感じなかったのは、以降の映像的進歩のせいか、私の中のハードルが上がったせいか…。特段お薦めするほどではない。



負けるな日本

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image1596.png公開年:1990年 
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:サム・ライミ
出 演:リーアム・ニーソン、フランシス・マクドーマンド、ラリー・ドレイク、ネルソン・マシタ、コリン・フリールズ、ニコラス・ワース、セオドア・ライミ、ブルース・キャンベル 他
コピー: ダークマンは誰だ?
最新バイオSFXは 驚異のテクノロジー!



人工皮膚の研究する科学者ペイトンは、恋人の弁護士ジュリーが手掛けている事件に巻き込まれ、殺し屋に襲われて研究所もろとも爆破されてしまう。辛くも一命は取りためたものの、全身に火傷を負い無残な姿に。しかし、全身の神経が失われたことで痛覚がなくなり、怒りによって超人的な力を発揮。さらに未完成の人工皮膚を駆使して他人に変身し、殺し屋たちへの復讐を開始するのだった…というストーリー。

リーアム・ニーソン、こんな作品にでていたのね。知らなかった。

昨今のかっちょいいヒーロー物とは一線を画す火傷だらけの主人公だし、あまり知られていない作品なので、まったく期待していなかった。しかし、迫力あるシーンの連続で、映画作りへの熱意とくだらなさとホラーが絶妙に融合している作品だった。
サム・ライミが『スパイダーマン』のオファーを受けた時はらしくないなと思ったものだが、この作品を観て納得した。本作には『スパイダーマン』の要素が全部入っていると言い切ってもいいくらい。

この頃は、ライミ監督らしい悪ノリっぷりが満載だ(指を折るシーンとかさ)。神経がなくなって痛みを感じなくなったという設定なんだけど、実のところ、なんで超人的な力を得たのかよくわからなくて、なんとなくもいいところだよね(笑)。でも、それで興醒めしてしまわない勢いがあるのだ。

こんなことをいうと、人格を疑われるかもしれないけど、私だったら、最後、ダークマンを追い駆ける女を車で轢きます。そして、死んだのかどうかはわからないけど、人が群がることを横目で見ながら、ダークマンが去っていくシーンで終わらせる(どう?私のセンス)。
なんか、この女の人、気に喰わないんだもん(途中で、ビルから落ちてしまばいいのに…って思ったほど)。まあ、『スパイダーマン』もそうだったけど、ヒロインがかわいくないよね(ワザとなのかな?案外そうかも)。

もしかすると公開当時はダサく見られていたのかもしれないが、これは今、評価されていいんじゃなかろうか(DVDも日本語吹き替えつけてほしいな)。私はお薦めしたい。『スパイダーマン』よりこっちの方が好き。

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image1554.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:150分
監 督:マイケル・ベイ
出 演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン、ジョン・タートゥーロ、レイン・ウィルソン、イザベル・ルーカス、アメリカ・オリーヴォ、マシュー・マースデン、サマンサ・スミス、グレン・モーシャワー、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト、ジャレブ・ドープレイズ、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 他
受 賞:【2009年/第30回ラジー賞】ワースト作品賞、ワースト監督賞(マイケル・ベイ)、ワースト脚本賞(アーレン・クルーガー、ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン)

ノミネート:【2009年/第82回アカデミー賞】音響賞[調整](Greg P. Russell、Gary Summers、Geoffrey Patterson)
【2010年/第19回MTVムービー・アワード】トンデモ・シーン賞(イザベル・ルーカス)
【2009年/第30回ラジー賞】ワースト助演女優賞(ジュリー・ホワイト)、ワースト・スクリーン・カップル賞(シャイア・ラブーフとミーガン・フォックスあるいはトランスフォーマーたち)、ワースト・リメイク・続編賞
コピー:新たなるトランスフォーム<変身>はリベンジから始まる

前作から2年。トランスフォーマーのオートボットとディセプティコンの戦いに巻き込まれたサムも大学生となり、恋人ミカエラとも離れて暮らすことに。一方、政府はディセプティコンと戦った兵士たちとオートボットによる精鋭部隊“NEST”を組織し、世界に散らばるディセプティコンの残党を掃討していた。ある日、サムは、あらゆる金属物をトランスフォーマー化するパワーを持ち、前回の戦いでトランスフォーマー同士の争いの原因となった“キューブ”のかけらを発見する。サムがキューブに接触すると、封印されていたとある情報がサムの脳に流れ込み、またもやトランスフォーマーの戦いに関係することになり…というストーリー。

ラジー賞の受賞オンパレードなので、どれだけポンコツ映画なのかと思っていたが、なにがワーストなんだか意味がわからない。別にそんなにあげつらって批判するようなデキだろうか。これがワーストなら、世の中の映画の半分はワーストだろう。選定基準はいったいなんなんだろうか。

ラジー賞というのは、2004年の『キャットウーマン』で、受賞会場にハル・ベリーが登場したところで、存在価値を失ったんだろうな。前にも書いたかもしれないけど、米アカデミー賞というのは、映画業界の人々の励みになるように評価してあげる賞なので、仮にその年に大した映画がなかったとしても、どれかに賞が与えられる。誰かを励ます目的なのだからそれでいいのだ。じゃあラジー賞の目的はなにか。結局は誰かをバカにしたいだけの賞である。それが証拠に過去において主要な賞において該当者なしという年はない。とにかく毎年誰かを貶めないと気が済まないという気の触れた賞であり、映画界の発展のためなどに存在する賞ではないと断言しよう。まだ、それなりに「たしかに駄作…」というものが選ばれているうちはいいが、バカにするのも微妙で笑えもしなくなったら、もうおしまいだろう。私はもう、ラジー賞の自主的な幕引きを勧めたい。

閑話休題。前作ではオプティマスの顔が、妙に面長ぎみでブサイクだったのだが、本作ではいくらか修正されている(私のように感じた人がやっぱりいたんだろう)。まあ、顔だけじゃなく、トランスフォーマーの変形後のフォルムも、元のマシンとの整合性を考えてなのか、いまいちアンバランスだったのだが、それもいくらか格好がよくなっている。しかし、分解されたパーツが細かすぎて映画版での玩具展開はかなり難しい。アニメもはじまって、子供はそっちを見ればいいってことなのか(実際、アニメ版のおもちゃはたくさん発売されている)。
子供への配慮という点では、それが放棄されている部分はもっとある。アクションの過激さにせよ(人間同士だったらかなりエグい)、ラブシーンにせよ、薬物問題にせよ。

特に、大麻の話は、一体どうなってるのか?『恋するベーカリー』でも同様にハイになって愉快に見えるシーンがあるのだが、タバコの規制には目くじらをたてておいて、こっちはOKって、そのバランス感覚ってなんなんだか。最近カリフォルニアの大麻解禁の住民投票があったが、それと微妙にリンクしていてちょっと気持ち悪い。アメリカのリベラル派には、そういう動きがあるのか?これって映画界のモラル腐敗の予兆なのでは?非常に心配。

もう、実際の戦争シーンでは、あまりに現実的すぎて興奮することができないが、こうやってロボットで誤魔化してしまえば、多少過激に表現したとしても問題ない…という姿勢が良いか悪いかの判断は、あえて脇に置くとして、とにかく純粋なロボットアクション物として充分愉しめる。そこはさすがマイケル・ベイだと思う。それなりの娯楽作に仕上げている。
昨日の『アイアンマン2』もそうだけど、元はマンガやアニメなんだから、そんな高尚なものを期待してもしかたないでしょ。ね。前作のセクター7の敵役のキャラが後半出てきて、どんな人物だったか思い出せなかったけど、別に『1』を見返す気なんかおきないものね。そのレベルだよ。

ただ、もう一回言うが、意外に子供向けではないので、それなりに物事のわかる、小学校高学年・中学生に見せるかどうかは、親が責任をもって判断してほうがよいかと。

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image1562.png公開年:2010年 
公開国:アメリカ
時 間:124分
監 督:ジョン・ファヴロー
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、ミッキー・ローク、サミュエル・L・ジャクソン、クラーク・グレッグ、ジョン・スラッテリー、ジョン・ファヴロー、ケイト・マーラ、レスリー・ビブ、ギャリー・シャンドリング、フィリップ・バージェロン、ティム・ギニー、エリック・L・ヘイニー、ヘレナ・マットソン、スタン・リー 他
コピー:ヒーローになった男、トニー・スターク。次なる試練。

アイアンマンであることを自ら公表したトニー・スターク。無敵のパワード・スーツは世界に新たな軍事的均衡をもたらしたが、彼の身勝手さ故に国防問題となり、パワード・スーツの提出を命じられてしまう。さらに、トニーに恨みを持つ男が、パワード・スーツ“ウィップラッシュ”を自ら開発しトニーの前へ姿を現わしたことで、アイアンマンが絶対無敵ではないことが明らかになってしまい、トニー・スタークの立場はますます悪くなる。しかし、一番の問題はそれではなく、アイアンマンへの改造が、彼の体を徐々に蝕みはじめており…というストーリー。

所詮マンガだといってしまえばそれまでで、深いストーリー構成やら裏に隠れた意味やら、映画にいろいろ求める人ははじめから本作は観なければよろしい。大体にして『2』なのだから。
自由奔放な主人公が、いかにして難局をひょうひょうと乗り切るか…という流れを主軸にして、あとは目が飽きないようなデザインとアクション。そして、判りやすいピンチ。ちょっとした恋愛と謎のキャラクター。いかにノリを壊さないか、そういう観点でいうと非常に優れている作品。

そのなんとなくの代表ポイントが、新元素の生成。自分の部屋に加速器を作って、パラジウムに変わる新元素を“生成”してしまうという、普通に考えれば突拍子もないにもほどがあるネタ。新元素ってことは117もしくは119番以上の元素で、かつ崩壊せずにパラジウムに似た振る舞いをする巨大な元素があるということなのだが(父のヒントの画面の元素表現CGの意味がさっぱりわからなくて、いったい何番の元素なんだか数える気にもならなかったんだけど(笑))。
#その後、パラジウムがらみで日本人がノーベル化学賞をとっちゃったわけで、ある意味、何かもってる映画だといえなくもないのかな(冗談)。
いやいや、アイアンマンのエネルギー源がどうのこうのより、そんなRの小さい加速器で元素を生成できるんなら、レアメタルやら貴金属を好きなだけ効率よく作れるわけで、あなた、そっちの機材のほうが世界がひっくり返るでしょ…って(笑)。そこまでやってしまったら、くだらなすぎちゃって、細かいことなんかどうでもよくなる。すでに、私にとってはドラえもんと同じレベルである。

それにしてもアイアンマンのデザインは秀逸。日本流のかっこよさとは次元が異なるというか、日本の特撮ヒーローとは立っている地平が違うというか。日本のヒーローキャラというのは、祭祀の装束みたいな感じだが、アメリカの場合は機能美というものが強く出る。昔のマッキントッシュみたいなイメージがあり、非常に興味深い。

スカーレット・ヨハンソンをキャスティングしたのも正解でだろう。グウィネスにしてもスカーレット・ヨハンソンにしても、基本はぽやーんとしたキャラなのに、そこそこ激しい演技やアクションをしてくれるという、ある意味ツンデレ的な魅力を充分に発揮してくれて、実にいい感じである。そのスカーレット・ヨハンソンもサミュエル・L・ジャクソンと同一の謎組織の一員であり、まちがいなく『3』に登場するだろう。
その『3』への繋ぎとしては、充分すぎる出来映えで、そういう意味では、余裕の及第点超えである。前作がOKだった人はもちろん観るだろうが、それほどでもなかった人も、それなりのストレス発散にはなるだろう。私は『3』も観る。劇場でではないけどね!(笑)

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image1470.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:108分  
監 督:ギャヴィン・フッド
出 演:ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、リン・コリンズ、ダニー・ヒューストン、テイラー・キッチュ、ライアン・レイノルズ、ウィル・アイ・アム、ダニエル・ヘニー、ドミニク・モナハン、ケヴィン・デュランド、ジュリア・ブレイク、マックス・カレン、ピーター・オブライエン、アーロン・ジェフリー、アリス・パーキンソン、ティム・ポコック、パトリック・スチュワート 他


19世紀半ば、少年ローガンは、父親に起きた事件で能力を覚醒させ、同じく特殊な能力を持った兄ビクターと2人で支え合って生きていくことに。以来、二人は150年以上に渡り、兵士として幾多の戦場で生き抜いてきた。その後、軍人ストライカー率いる謎の特殊部隊“チームX”にスカウトされるが、ローガンはアフリカでの非人道的なミッションを巡ってメンバーと対立しチームを離脱する。6年後、ローガンはカナダにて恋人と穏やかな日々を送っていたが、突然ビクターが姿を現わし恋人を殺害、ローガンもビクターにより重傷を負ってしまう。復讐に燃えるローガンは、ビクターの暴走を止めるため力を貸してほしいと言うストライカーの申し出を受諾し、最強の戦士になる改造手術を受けたのだが…というストーリー。

アメコミを収集するほどのファンではないが、昔放送していたTVアニメは観ていたクチである。もちろんシリーズ3作も全部観ているが、『1』は雰囲気のあるいいデキだったがが、『2』『3』は善と悪の構図ばかりがクローズアップされ、まるで“X-MENサーガ”とでもいうようなものを構築しようとしているようだったが、結局大失敗し、眠たい作品になってしまった(実際に眠くなる)。

正直なところ、『3』のデキを見れば、スピンオフをつくることなんて許されるわけもないのだが、これは原作の力の賜物である。『アンダーワールド』しかり、スピンオフというのは、大概つまらないというのが相場なのだが、よくも裏切ってくれた。『2』『3』の薄っぺらさは無くなり『1』のいい雰囲気が戻ってきてとにかくうれしい。ストーリーのテンポも良く、SF・アクション映画として純粋に良いデキ。
シリーズ3作の中で謎だった、なぜローガンの過去の記憶がないのか、もしかしてプロフェッサーより年長なのかも?っていうセリフの真偽等々、解明されてスッキリである。

ただ、若干腑に落ちないというか釈然としないことが…。
X-MENのミュータントの話をするときに、ウルヴァリンって爪の出てくる人だよね…て話が出てくると、私は「ウルヴァリンは、爪が出てくるのがミュータントの能力じゃなくって治癒能力の人だよ。その治癒能力を利用して後から改造で爪を仕込まれてて、爪を引っ込めてもすぐに傷が治るんだよ」って説明していたのだ。本作では、元々、爪が出る能力は持っていて、それを合金でコーティングしたってことになってる。つまり、珍しく二つの能力を持つミュータントということだ。これって原作的には正しいのか?(ワタシはX-MENマニアではないので知らない)。ワタシのいままでの説明って…。なんかこっぱずかしいんですけど。

それに、サイクロプスなども登場していて、ローガンに救出されているわけだが、出会ってるどころか命の恩人なんだよね。それなら『1』でのサイクロプスたちの態度ってまるで初見みたいなんだけど…。

まあ、そういう細かいところは横に置いておいて。『2』『3』でがっかりして、もうX-MENはいいや…と思っている人も、戻ってきてほしい。大変よいデキなのでお薦めする。
#ちなみに未見の人は『1』だけ復習すればよい。『2』『3』は不要。

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image0235.png公開年:2004年  
公開国:アメリカ
時 間:104分 
監 督:ピトフ
出 演:ハル・ベリー、ベンジャミン・ブラッド、ランベール・ウィルソン、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、アレックス・ボースタイン、マイケル・マッシー、バイロン・マン  他
受 賞:【2004年/第25回ラジー賞】ワースト作品賞、ワースト主演女優賞(ハル・ベリー)、ワースト監督賞(ピトフ)、ワースト脚本賞(テレサ・レベック、ジョン・ブランカトー、マイケル・フェリス、ジョン・ロジャース)
コピー:すべての女には野生の猫が棲む

巨大な化粧品会社でデザイナーとして働くペイシェンス・フィリップスは、自社が恐ろしい副作用のある老化防止クリームを発売しようとしていることを知ってしまい、秘密保持のために殺されてしまう。しかしその瞬間、彼女は超人的な猫の能力を有したキャットウーマンとして生まれ変わり…というストーリー。

ご覧の通り、受賞しているのはゴールデン・ラズベリー賞だけで、ダメ作品そうなのに、なぜ、今になってこれを見たのか。
じつは、ラジー賞に不満があるのだ。この賞は、最低の映画に賞を与えるいう冗談企画なのだが、要するにけなしているわけである。で、過去のラジー賞の受賞歴を見てほしい(ネットで検索して)。“今回の受賞者なし”という年は一度もない。
褒める分にはどうでもよいのだが、人をけなす場合というのは、いくら冗談といっても、明確な基準と確信をもってなされるべきだ。さらにその基準は決して低くてはいけないし、ノミネートされたものがワーストの基準に達していなければ選出する必要はなく“受賞者なし”としなければいけないと私は考える。でも、毎回かならずワーストが選出されているのだ。つまり、ノミネートされた映画5本が全部60点だったとしても、むりやりワーストを1本選ぶシステムなのだ。この姿勢は人間としておかしくないだろうか。こんな選出方法だから、中には、確かにワーストというものがあるが、それほどか?というものもある。

で、本作を観てみたわけである。私の評価をいえば、確かに脚本はワーストである。山場も緊迫感も感情を揺り動かす仕掛けも何も無い。しかし、ハル・ベリーの演技と監督の演出については、もちろん良い評価はできないが、ワーストとあげつらうほどのものではない。
これは、チョコレートでオスカーを獲り、X-MENでSFもいけることが判り、且つあのバットマンのサブキャラがメインになるということで、世の中が勝手に期待値を上げ、それが裏切られただけのこと。絶対評価としてワーストなわけではないだろう。こんな相対的な評価で、人をワースト呼ばわりする評論家の神経が私には理解できない。

そこまで悪いとは思っていないから、ハル・ベリー本人もラジー賞の授賞式に出席したのだと私は思っている(ニュースになったよね)。ここでラジー賞が廃止なったり、方向性が変わったりすれば、かっこよかったと思うのだが、おなじノリでダラダラ続いているのはご存知のとおり。

で、本作を薦めるか?と聞かれれば、薦めない(笑)。上述したとおり、脚本はびっくりするくらい平坦で、お湯で4倍に薄めた、カップヌードルを食べさせられた感じ。逆に、観ていただいて、その味を共感していただけると、うれしいかもしれない。

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image0678.png公開年:2007年  
公開国:アメリカ
時 間:117分  
監 督:ザック・スナイダー
出 演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ、デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト、マイケル・ファスベンダー、ヴィンセント・リーガン、トム・ウィズダム、アンドリュー・プレヴィン、アンドリュー・ティアナン、ロドリゴ・サントロ、マリー=ジュリー・リヴェス、スティーヴン・マクハティ、タイロン・ベンスキン、ピーター・メンサー  他
受 賞:【2007年/第16回MTVムービー・アワード】格闘シーン賞(ジェラルド・バトラーvs“The Uber Immortal”)
コピー:300人VS1,000,000人、真っ向勝負!

史上最も熾烈な闘いのひとつといわれるテルモピュライの戦いを、斬新な映像で描いた作品…とのことだが、お恥ずかしいことに、高校地歴の教員免許もっていながら、テルモピュライの戦いってなんだっけ状態で、慌てて調べる始末。ヘロドトスの『歴史』にのっている、ギリシャ史上、非常に有名な戦だった。300人という人数はもちろん、戦力差・戦地・戦術・勝敗等々、史実にほぼ忠実なようだ。

まあ、言い訳しても仕方ないのだが、歴史の授業でスパルタなどの国の制度などを教えることは多いだろうが、個々の戦争を教えることはほぼないと思う(ましてや過程や戦術までは)。出てきてもペロポネソス戦争とかカイロネイアの戦いくらいだろう。これを読んでいる皆でも、ああ、あの時教えてもらったあれかぁ…という人は、ごく少数だと思う。

ただ、その史実を忠実に再現することが、この映画の目的でないのは明白であるから、気にする必要はまったくない。原作コミックが元のようだが、とにかく、漢(おとこ)臭さ満開で、憎ったらしい強大な敵に対して、義心を通り越してマゾ的に、戦いに向かっていく姿が描かれる。

本作では、スパルタは侵略される側で、国民の自由を守るために、死をも厭わない姿に描かれるが、実際は基本的に侵略国家だし、ペルシアから奴隷の話が出ると自由を主張して、まるで奴隷制度自体を快く思っていないようにも見えるが、当然スパルタも他のギリシアの国々と同じく奴隷や半自由民がいる。それどころが、自分らは戦闘だけに明けくれ、食糧生産・商業のすべては専ら彼らが担っているという、偏った制度を持っている。
そのあたりをクローズアップしてしまうと、彼らに共感しにくくなるので、ほとんど語られない。語られるのは戦士がいかにして育成されていくか…という過程くらいなもので、他にはあえて蓋をして、スパルタVS.ペルシャの善悪の構図をつくっていき、圧倒的な困難をその肉体と精神で乗り越えるという、わかりやすい勧善懲悪モノに仕上げていることが、功を奏している。だから、むしろこの戦争のこともスパルタのことも知らないほうが、楽しめるはずである。

乗り越えるとか勧善懲悪とか言っているけど、結局最後は負けるわけだから乗り越えていないよね?という意見はあると思うが、私は十分乗り越えていると思う。観ればわかる。

『ウォッチメン』のレビュの時にも書いたが、監督は同じザック・スタイナー。原作を手にとってみたことはないが、何かで紹介されいたのを見る限り、基本的なビジュアルイメージ(色の彩度を抑えた統一感)は原作由来と思われる。やりすぎればモノクロと大差ない状態になってしまうところだが、肉体や構造物が際立って美しく表現できており、かなり注力したことが伺える。戦闘シーンの速度変化表現もごく自然で効果的。下手な監督がやると、わざとらしくなってしまうところだろう。
他にもビジュアルセンスに長けた監督はいるが、ここまで(いい意味で)病的に細部まで気をめぐらすことができる能力は評価したい(ビジュアル面での穴は見つからない。まったく引っかかった部分はない)。彼には、今後も、コミック作品の映画化のようなオファーが続くと予想する。次作に期待したい。

まず、本作は歴史ドラマとしてみないこと。彼らの信義の正しさを深く追求しないこと。この戦いの先に何が残ったか?とか考えないこと。ただ、もっともらしい詭弁ばかり吐く憎たらしいやつ(皆さんの周りにもいるでしょ)を、ただ単に憎たらしいと思い、そのイラっとした気持ちを、スパルタ戦士と一緒に勇気を奮ってバッサリやる。そういうノリで観てほしい。

#まったくの予断だが、クセルクセスの(役者の)顔を見ていると、日ハム・ダルビッシュは、ペルシャ系の遺伝子が濃いのだなぁ…と思う。

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image1408.png公開年:2009年  
公開国:アメリカ 
時 間:163分  
監 督:ザック・スナイダー
出 演:マリン・アッカーマン、ビリー・クラダップ、マシュー・グード、カーラ・グギーノ、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジェフリー・ディーン・モーガン、パトリック・ウィルソン、スティーヴン・マクハティ、マット・フルーワー、ローラ・メネル、ロブ・ラベル、ゲイリー・ヒューストン、ジェームズ・マイケル・コナー、ロバート・ウィスデン、ダニー・ウッドバーン 他
コピー:知ってはならない、真実がある──。


かつて、“ウォッチメン(監視者)”と呼ばれる世界の重大事件に関わり、人間人々を見守り続ける特殊能力者たちがいた。しかし、1977年、政府は彼らの活動を禁止、ある者は引退し、ある者は非合法に活動を継続していた。1985年、未だニクソン大統領が権力を持ち、ソ連との核戦争が危ぶまれる緊張状態のアメリカで、エドワード・ブレイクという男が高層ビルから突き落とされる事件が発生。そのそばには血の付いたスマイルバッジが落ちていた。スマイルバッジは、かつてブレイクがスーパーヒーロー“コメディアン”として活躍していたときのトレードマークだった。同じくかつてウォッチメンの一人だった“顔のない男”ロールシャッハは、陰謀の臭いを嗅ぎとり、独自に調査を解しするのだったが…というストーリー。

監督は「300」続いてアメコミの映画化のザックス・スタイナー。「300」では独特のビジュアルセンスを見せてくれたが、本作でもその才能は際立っている。

ヒーローたちが次々と殺される…みたいな感じで、バットマンとおぼしき人が攻撃されているCMだったので、なにやらアメコミヒーロー総出演的な作品を想像していたのだが、まったくの勘違い。出てくるのは、私には馴染みのないウォッチメンオリジナルのヒーローたち。バットマンと勘違いしていたのは、ナイトオウルというキャラク
ターだったようだ。

バットマンくらいメジャーなキャラクターなら知っているが、正直、「ウォッチメン」という作品自体、まったく知らなかった(結構有名なアメコミのようだ。それもDCコミック)。思い込みが外れたまま、半ば置いてきぼり状態で、観進めることになったのだが、本作は、ヒーローこそ出てくるが、ヒーロー作品ではないことが、15分くらいで分かる。

CMの言葉通りに、ヒーローが殺されていく現在と、歴史的事件への関与や、その能力や特権を逆に疎ましく思う世論によって彼らが衰退していった過去が、交錯しながらストーリー進行していく。殺しの犯人探しが、現在でも違法に活動を続けている唯一のヒーロー“ロールシャッハ”を狂言回しにして進められていくのだが、存命ヒーローたちが、あまりにも人間くさく(良くも悪くも)魅力的で、なかなかよい。

で、結局残り30分が過ぎ、いざ謎解きという段になると、この映画の真のテーマが明らかになってきて、地滑りのように話が変わってしまう(そのテーマというのは「地球が静止する日/地球の静止する日」でレビュした通りなので、そちらを参照してほしい)。

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プロフィール
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クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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